ニュースレター

2019年10月にシンガポールで開催された
「第26回ITS世界会議シンガポール2019」にて
トヨタ自動車株式会社と共同執筆した論文を発表いたしました

2019年12月12日
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■「第26回ITS世界会議シンガポール2019」実施概要
・会議テーマ“Smart Mobility, Empowering Cities
・会期:2019年10月21日(月)~25日(金)
・会場:Suntec Singapore Convention and Exhibition Centre
・主催:Land Transport Authority, ITS Singapore
・参加者総数:14,500人

■プログラムテーマ
クラウドソーシング & ビッグデータ解析

■論文タイトル
ポアソン確率を採用した車両プローブデータの解析による、
道路通行止め箇所の検出アルゴリズムの開発
Road Closure Detection by Analyzing Vehicle Probe Data Adopting Poisson Probability
■論文執筆者
トヨタ自動車株式会社 Xin Jin 
共同執筆
株式会社ゼンリンデータコム 高山敏典、八代愛、柏崎公生

■発表内容
 ゼンリンデータコムは、かねてよりプローブ解析による地理情報・各種交通情報の生成に取り組んでまいりました。近年は、車両から送信されるプローブ情報をもとにした交通情報の生成に力を入れております。
 また、トヨタ自動車株式会社もプローブ情報から生成した「Tプローブ交通情報」を、T-Connect/G-BOOKユーザ向けに提供しておりましたが、2011年の東日本大震災以降、同プローブ情報をもとに通行実績を表示するサービス「通れた道マップ」を公開しております。より高精度な交通情報を生成する取組みの一つとして、以前よりプローブ解析、各種交通情報の生成に取り組んできたゼンリンデータコム プローブ解析チームが委託を受け、「通行止めの検出」をテーマとして研究開発を行いました。
 平時に通行が継続的に観測される道路区間が、一定時間以上通行が途絶えた時、その区間は通行止めになっている可能性が高いと言えます。「エリア・時間帯ごとにも大きく異なる道路ごとの通行量が、どの程度の時間途絶えると通行止めと推定できるか」というテーマに対して平時の通行量と比較したポアソン確率を評価することが今回の試みでした。
 評価対象として、2016年4月の熊本地震における、災害による各地域の通行止め状態の検出を対象に評価を行いました。
 プローブデータによる検出結果を交通規制情報の配信対象区間に対してはその配信区間と照合し、非配信区間については震災時の記録を参照し、周辺の交通状況と整合性を検証することで判定結果を評価し閾値を調整することを繰り返しました。その成果として、交通規制情報配信区間以外に対しても通行量の多寡に関わらず高い検出性能を示すことを実証いたしました。
 

例)阿蘇大橋周辺の検出状況(赤色:交通規制情報、青色:今回検出した通行止め情報)

地図画像

 

 今後も、ゼンリンデータコムが培ってきたビッグデータ解析技術、アルゴリズム開発力を生かし、豊かなモビリティ社会実現のための取組みを進めて参ります。

 

 

 

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