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ビッグデータ分析で悩まれている方必見!分析方法や事例を紹介


近年では、インターネット、センサー、管理ソフトウェア技術等の発展により、大量の情報を収集することが容易になりました。

一方で、その情報の分析方法や収益へ転換する方法については明確な回答が存在しません。

この記事をご覧になっている方の中にも、「データは集まったが、どのように扱えばよいのかわからない」という方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ビッグデータ分析の基本的な統計解析手法や、ビッグデータ分析を進める上での注意点を解説していきます。


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目次[非表示]

  1. 1.ビッグデータ分析とは?
    1. 1.1.そもそもビッグデータとは?
    2. 1.2.ビッグデータの3つのV(+2V)とは 
    3. 1.3.ビッグデータ分析の身近な例を紹介
  2. 2.ビッグデータ分析の主な手法8選
    1. 2.1.クロス集計
    2. 2.2.回帰分析
    3. 2.3.アソシエーション分析
    4. 2.4.クラスター分析
    5. 2.5.決定木分析
    6. 2.6.ロジスティック回帰分析
    7. 2.7.主成分分析 
    8. 2.8.ディープラーニング(深層学習) 
  3. 3.ビッグデータを活用するメリット5つ
    1. 3.1.新たな洞察と意思決定の支援をしてくれる
    2. 3.2.パフォーマンスの向上と効率化に役立てる
    3. 3.3.顧客洞察とターゲティングに役立てる
    4. 3.4.新たなビジネスモデルの創出に役立てる
    5. 3.5.予測分析とリスク管理に役立てる
  4. 4.ビッグデータ分析で生じる問題
    1. 4.1.プライバシー侵害のおそれがある
    2. 4.2.時間とコストがかかる
    3. 4.3.ビジネス・データ解析いずれの知識も必要である
  5. 5.ビッグデータ分析で意識すべき3つのポイント
    1. 5.1.目的を明確にする
    2. 5.2.データを安全に保管する
    3. 5.3.正しいデータを入力する
  6. 6.ビッグデータの活用事例
    1. 6.1.トヨタ自動車のスマートモビリティサービス 
    2. 6.2.楽天グループの顧客分析プラットフォーム 
    3. 6.3.ソフトバンクのマーケティングデータ活用 
    4. 6.4.Netflixの機械学習レコメンデーション 
  7. 7.まとめ:目的を持ったデータ分析を行い、ビジネスに活かそう!
  8. 8.ビッグデータである人流データ活用には「混雑統計®」


ビッグデータ分析とは?

ビッグデータ分析とは?

ビッグデータ分析は、非常に大量かつ多様なデータセット(ビッグデータ)を収集し、整理、分析、解釈するプロセスです。

  AIとビッグデータの違いは?できることや業界別の活用事例を紹介! AIとビッグデータの連携は、現代ビジネスに不可欠な要素です。この記事では、AIとビッグデータの基本的な関係性から、具体的な活用事例、導入のメリット・デメリット、そして成功の秘訣までを分かりやすく解説します 株式会社ゼンリンデータコム


そもそもビッグデータとは?

ビッグデータとは、全体の把握が難しいほどの大量の情報を指す言葉です。

近年では、インターネットやセンサー技術の発展により、大量の情報を収集することが容易になりました。

ここで収集されたデータは、それ自体に意味を持ちません。

しかし、その大量のデータを分析することで、ビジネスに有用な知見が得られる事例がいくつか見つかり、ビッグデータ分析が注目されるようになりました。

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ビッグデータの3つのV(+2V)とは 

ビッグデータ分析①

ビッグデータを特徴づける要素として、初期には「3つのV」が提唱されました。

近年では、さらに2つのVが加えられ、「5つのV」として語られることもあります。これらの特性を理解することは、ビッグデータ分析の意義を把握する上で重要です。 

分析を通じて、ビジネスにとって意味のある価値を生み出す必要があることを示します。 
これらのVの特性を持つデータを効果的に扱うことが、ビッグデータ分析の鍵となります。 

特性 (V)

日本語

説明

Volume 

データの量がテラバイト級、

ペタバイト級と非常に大きいことを示します。 

Velocity 

速度・頻度 

データが生成・更新されるスピードが速く、

リアルタイム性が求められることを示します。 

Variety 

多様性 

構造化データ(データベースなど)だけでなく、

非構造化データ(テキスト、音声、動画など)も

含むことを示します。 

Veracity

正確性

データの品質や信頼性が、

担保されている必要があることを示します。


ノイズや誤りを含む可能性も考慮します。 

Value

価値 

分析を通じて、ビジネスにとって

意味のある価値を生み出す必要があることを示します。 

ビッグデータ分析の身近な例を紹介

「ビッグデータ分析」で成功した事例として、ドラッグストアのPOSシステムのデータ活用の例を紹介します。

POS(point of sales:販売時点情報管理)とは、商品の販売が行われる時点(レジでバーコードを読み取る瞬間)に、その商品に関する情報(商品名、価格、売れた時刻等)を記録するシステムを指します。

このPOSシステムが記録するデータを分析することで、在庫管理を効率化するほか、人間が主観的に気付きにくい洞察を与えます。

たとえば、とあるドラッグストアでは金曜日の夕方ごろに男性がお酒と子ども用おむつを一緒に購入することが頻繁に観測されました。

これは、子どもがいる会社員が仕事終わりに妻から依頼されておむつを購入するためにドラッグストアに立ち寄る、という背景情報が読み取れます。

お店側は、おむつのコーナーをお酒販売コーナーに接近させたり、「おむつとビールをセットで購入することで◯%オフ」のようなキャンペーンを行ったりすることで、売上向上に向けたアプローチが可能です。

ビッグデータ分析の主な手法8選

ビッグデータ分析の主な手法6選

以下では、ビッグデータ分析の基本となる統計処理手法を紹介します。

専門的なことには踏み込まず、簡易な解説を心掛けますので、ビッグデータ分析がどのようなことをやっているのか、イメージを掴んでいただければ幸いです。


分析手法

概要

主な活用例

クロス

集計 

2つ以上の項目(変数)を掛け合わせて集計し、

それらの関連性や傾向を把握します。 

・顧客セグメント別の購買傾向分析

・アンケート結果の属性別比較

・ウェブサイトのアクセスログ分析

回帰分析 

ある結果(目的変数)と、それに影響を与える要因(説明変数)との間の関係性を統計的に分析し、

数式モデルとして表現します。 

・売上予測

・広告効果測定

・不動産価格の予測

・製品需要予測

アソシエーション分析 

データの中から、「もしAならばBである」といったような項目間の関連性の強さ(相関ルール)を発見します。


「マーケットバスケット分析」とも呼ばれます。 

・ECサイトでのレコメンデーション(「この商品を買った人はこんな商品も買っています」)

・店舗での商品棚の配置最適化

・Webサイト内でのコンテンツ推薦

クラスター分析

膨大なデータの中から、互いに性質の似たものを集めていくつかのグループ(クラスター)に分類します。


明確な分類基準が事前にない場合でも、データの特徴に基づいて自動的にグルーピングを行います。 

・顧客のセグメンテーション(類似した購買行動や属性を持つ顧客グループの発見)

・異常検知(通常パターンから外れたデータの検出)

・文書分類

決定木

分析

ある目的を予測するために、データを樹木が枝分かれするように条件分岐させながら分類していく手法です。


分析結果がツリー構造で視覚的に表現されるため、ロジックが理解しやすい特徴があります。 

・顧客の離反予測

・金融機関における与信審査

・医療分野での疾患リスク予測

・スパムメールの判定

ロジスティック

回帰分析

ある事象が発生する確率(例:購入する/しない、合格/不合格など、結果が2値または多値)を、

複数の要因から予測する際に用いられる統計手法です。 

・特定の疾患の発症確率予測

・選挙における投票行動予測

・製品の不良品発生確率の予測

・顧客のサービス解約予測

主成分

分析

多くの量的変数を持つデータから、情報の損失を最小限に抑えつつ、より少ない数の合成変数(主成分)に要約する手法です。


データの次元削減や可視化に役立ちます。 

・顧客満足度調査における総合的な指標の作成

・多変量データの可視化

・機械学習の前処理(特徴量エンジニアリング) 

ディープラーニング(深層学習)

人間の脳の神経回路網を模倣したニューラルネットワークを多層的に重ねることで、データから高度な特徴量を自動的に学習し、複雑なパターンの認識や予測を行う機械学習の一分野です。 

・画像認識(顔認証、物体検出)

音声認識(スマートスピーカー)

・自然言語処理(機械翻訳、チャットボット)

・異常検知

・自動運転

クロス集計

ビッグデータ分析②

クロス集計とは、属性ごとの傾向を明らかにするための分析手法です。

たとえば、「AというYouTuberを知っているか」というアンケートの結果を年齢別に表示すれば、そのYouTuberの年齢別知名度がわかります。 ほかにも、「月ごとの商品Bの売り上げ」や「とある社会問題への関心の深さとテレビの視聴時間の関係」等、2つ以上の属性の間の関係を可視化し、原因と結果を考察することが可能です。

いわゆるビッグデータでは、この「属性」が多岐におよびます。 コンビニのPOSを見ると、「商品の種類」「売れた時間」「購買者の年齢」「一緒に買ったもの」「商品の店舗内の配置」等、さまざまな属性があり、それぞれの属性が複雑な関係性を有するため、人力での分析は困難です。

ビッグデータ分析とは、そうした複雑な相関関係を機械的に処理し、有意なデータを生成します。


回帰分析

回帰分析は、データ間の関係性をモデル化し、ひとつの要素が他のひとつまたは複数の要素にどのように影響を与えるかを理解するための分析手法です。

たとえば、先ほどの「AというYouTuberを知っているか」という年齢別のアンケートにおいて、どの年齢でも知名度が10%であれば、知名度と年齢の間に関係はない(相関がない)といえます。

一方、10代の知名度10%、20代の知名度20%、、、90代の知名度90%というように知名度が上がっていくならば、知名度と年齢の間には強い相関が見られるでしょう。 相関の強さを数値化すれば、ビジネスにおいてとくに意識すべきことが明確になります。

たとえば、「この商品の売り上げと購買者の年収に相関はない」が、「年齢には相関があり、とくに若い世代に人気がある」とわかれば、「年収に関係なく、若い世代を狙えばいい」という知見が得られます。

このような基本的な知見であれば、わざわざ回帰分析を実施するまでもありませんが、先述した通り、ビッグデータのように膨大な属性が複雑に絡み合っている中では、回帰分析によって今まで見えなかった相関が見えてくるかもしれません。


アソシエーション分析

ビッグデータ分析③

アソシエーション分析とは、「同時に買われやすい商品」を見つけ出す分析手法です。

「商品Aが購入される確率」「商品Bが購入される確率」「商品AとBが同時に購入される確率」の3つがわかると、「商品Aと商品Bの関係の深さ」がわかります。

これをすべての商品で比較すると、同時に買われやすい商品の組み合わせがわかり、陳列棚の最適化等に活用できるのです。

ドラッグストアのおむつとビールの例は、このアソシエーション分析を用いて判明した例といえます。


クラスター分析

「クラスター」とは、共通する属性を持つ特定の集団を表す言葉です。

たとえば、「〇〇〇ファン」というクラスターは、年齢や性別にある程度の偏りがあり、グッズの購入やイベントへの参加など、同じような行動を取るケースが多いでしょう。

クラスター分析は、ビッグデータの中から特定のクラスターを見つけ出す分析手法です。

特定の顧客クラスターが見つけられれば、そのクラスターを構成する全員に同様のアプローチを展開でき、効率的な営業を実施できます。


決定木分析

ビッグデータ分析④

決定木分析は、データをさまざまな「枝」に分けることで、複雑なデータセットを理解しやすい形に分解します。

各「枝」は、特定の判断基準または条件に基づいてデータを2つのグループに分けるもので、これを繰り返すことで「木」の形をなすのです。

たとえば、決定木分析の代表例は「〇×性格診断テスト」です。 被験者は、「友達といるより1人でいる方が好き」や「目玉焼きは半熟派」のような質問にYes or Noで回答していきます。

そして、被験者は回答別のグループに分類され、同様の質問に同様の回答をした構成員は、同じような属性を有していることが予想されます。

このような手順で被験者を分類していくことで、被験者集団への理解を深めることが可能です。


ロジスティック回帰分析

ビッグデータ分析⑤

ロジスティック回帰分析とは、「このお客様は商品を買ってくれるだろうか?」「このキャンペーンは成功するだろうか?」 というような「YesかNoか」「起こるか起こらないか」といった2択の結果が起こる確率を予測する手法です。 

一見、売上高のような数値を予測する回帰分析と名前は似ていますが、ロジスティック回帰分析は、は「購入確率80%」「解約確率25%」のように、ある出来事が起こる可能性を0〜100%の範囲で数値化するのが特徴です。 

たとえば、顧客の年齢、性別、過去の購買履歴といった複数の要因が、結果にどの程度影響を与えるのかを分析し、将来の結果を予測するのに役立ちます。 


主成分分析 

多くの指標があって、どう解釈すればよいか分からない…。そんな時に役立つのが「主成分分析」です。 

主成分分析とは、多くの量的データ(例:顧客満足度調査の各評価項目、体力測定の各測定値など)の情報を、なるべく損なわずに、互いに相関のない少数の「主成分」という指標に要約する手法です。 

例えば、顧客満足度調査で「価格」「品質」「デザイン」「サポート」など多数の項目があった場合、それらを「総合的な製品魅力」「コストパフォーマンス」といった2つの新しい指標(主成分)に集約できます。

これにより、データ全体の傾向を把握しやすくなり、その後の分析(クラスター分析など)に繋げやすくなるというメリットがあります。


ディープラーニング(深層学習) 

ディープラーニング(深層学習)は、AI(人工知能)を支える技術の一つで、人間の脳の神経回路(ニューラルネットワーク)を模した仕組みを用いて、データに潜む非常に複雑なパターンや特徴を自律的に学習する手法です。 
 
従来の分析では難しかった、あいまいで複雑な特徴(例:画像の中に写っているのが「猫」であること)を、大量のデータから自律的に見つけ出すことができます。 

特に、ビッグデータとの相性が非常に良く、膨大なデータを学習させることで、その精度は飛躍的に向上します。現在では、画像認識、音声認識、自然言語処理、異常検知といった分野で目覚ましい成果を上げています。 

ビッグデータを活用するメリット5つ

ビッグデータを活用するメリット5つ

ビッグデータ活用がもたらすメリットとして代表的なものを以下に解説します。


新たな洞察と意思決定の支援をしてくれる

ビッグデータを活用することで、新たな洞察を得られたり、意思決定に役立てられたりする可能性があります。

たとえば、集められた情報を詳細に分析することで、見落としていたパターンやトレンドを発見することが可能です。

これらのパターンやトレンドは、ビジネス戦略の策定や意思決定の際に有益な情報となります。


パフォーマンスの向上と効率化に役立てる

コンビニであれば、どの時間帯に、どの商品がよく売れるのかということがわかると、仕入れ量やシフト等の最適化ができるため、食品ロスの低下や商品の回転率向上、人件費削減等につながります。

物流業界であれば、交通量データから最適な配送計画を立案したり、需要予測をたてたりすることで、ドライバーの負担を減らし、待ち時間の少ない、より効率的な配送を実現できます。


顧客洞察とターゲティングに役立てる

顧客に関する洞察とターゲティングの向上にもビッグデータは活用できます。

ビッグデータは、顧客の行動、購買傾向等を深く理解するのに活用できるデータです。

このような情報を解析し、顧客のニーズや期待を予測することで、より効果的なマーケティング戦略を策定できます。

また、ビッグデータを用いて個々の顧客の行動や嗜好を理解できれば、一人ひとりに合わせたサービスや製品を提供することも可能となります。

これにより、顧客満足度を向上させることができ、長期的なリピーターを増やすことにもつながるでしょう。


新たなビジネスモデルの創出に役立てる

ビッグデータ分析から得られた新たな洞察は、これまでとまったく異なる顧客層に向けたビジネス展開のためのヒントとなる可能性もあります。

たとえば、まだ開拓されていない市場の発見や、新たなトレンドを発見する可能性があり、それらの発見が新規商品開発や新規顧客層の開拓にも役立てられるのです。


予測分析とリスク管理に役立てる

ビッグデータを解析することで、商品の売り上げトレンド、顧客の購買行動、市場の変動等を予測し、その結果をもとに生産計画や販売戦略を見直せます

また、これらの情報をもとに商品が売れにくい時期等も分析でき、経済的なリスク管理にも役立てられるでしょう。

このように、ビッグデータは予測分析とリスク管理の強力なツールとなります。


ビッグデータ分析で生じる問題

ビッグデータ分析で生じる問題

ここからは、ビッグデータ分析で注意すべき問題について解説します。


プライバシー侵害のおそれがある

個人に紐づけられた情報は、使い方次第でその個人に対して不利益を及ぼす可能性があります。

たとえば、その人の持病や、購買記録、口座残高といった情報は、人には知られたくないもので、第三者にわたれば詐欺等に利用される可能性もあります。

こうした観点から、ビッグデータ分析に用いる情報は、厳密に管理または個人を特定できない形で処理しなければいけません。 現在でも、市職員やその下請け事業者による個人情報流出の事例がたびたび発生していますが、それを防ぐために、徹底した情報管理体制と担当者への教育が必要です。

また、こうした取り組みをしたとしても、自身の情報を使われることに嫌悪感を示す人は一定数存在します。 こういった面から、ビッグデータの活用には、細心の注意を払う必要があります。


時間とコストがかかる

ビッグデータは扱いやすく、整理された情報として存在するとは限りません。

そもそも、コンピュータを利用した統計処理が実行できるのは、電子化されたデータに限られます。 紙媒体にデータが記録されており、それを解析したいと考えた場合、最初に紙に記録されたデータをすべて電子データに置き換えなければなりません。

これは膨大な作業で、数か月がこの作業に費やされるならば、人件費だけでも相当な額になるでしょう。 加えて、データを管理、分析するための各種ツール、データ解析に長けた技術者の登用や育成コストが必要です。

ビッグデータ分析は片手間にやることではなく、企業の今後を担う一大プロジェクトと認識すべきでしょう。


ビジネス・データ解析いずれの知識も必要である

ビッグデータの分析手法の基本となるのは、古くから存在する統計解析手法ですが、近年注目され始めた分野であるため、一般的に関連する知見が充分なビジネスマンは多くはないでしょう。

また、ビッグデータの分析に長けたデータアナリストも、当該分野で「何が有用な情報となるのか」等を完全に把握できていない可能性があります。

つまり、膨大なデータの中から、ビジネス的価値のある情報を掘り当てたとしても、それが宝物なのかどうかを判断する視点に欠けていることがあるのです。

ビッグデータ分析においては、当該分野のビジネス的視点と、データ解析についての知見をあわせ持つ人材が必要と言えます。

しかし、実際にそれは難しいので、企業側とアナリスト側両者が深くコミュニケーションを交わし、互いへの理解を深めていく必要があります。 企業側としても、基本的なビッグデータ分析の方法論については知っておくべきでしょう。


ビッグデータ分析で意識すべき3つのポイント

ビッグデータ分析で意識すべき3つのポイント

ここまで解説したビッグデータ分析の注意点や分析手法をもとに、ビッグデータ分析で意識すべきことをまとめます。


目的を明確にする

ビッグデータ分析では、何をしたいのかが明確になっていなければ、見当違いの方向へ結論が流れ、多大な労力が無駄になってしまいかねません。

とくに、分析を第三者に委託する場合は、情報共有を密に行いましょう


データを安全に保管する

個人情報保護の重要性はますます高まっており、情報漏洩は企業の存続を揺るがす問題です。

大量の情報を扱うプロジェクトであれば、その扱いには厳重に注意しましょう。


正しいデータを入力する

ビッグデータは、そのデータ量によって多少データに誤りがあってもそれを希釈します。

つまり、ビッグデータ分析は、少々間違ったデータがあったとしても、他の大多数が正しいデータであれば、おおよそ正しい結論が得られるだろう、という考え方に立脚した分析手法です。

そのため、重要になるのは、「データ収集の方向性」です。 すべてのデータが少しずつ同じ方向にズレていれば、その分析結果はズレをそのまま反映してしまいます

分析手法と同じように、データの収集方法には注意を払いましょう。


ビッグデータの活用事例

ビッグデータの活用事例

ビッグデータ分析のメリットをより深く理解していただくため、ビッグデータの活用事例をいくつか紹介します。


トヨタ自動車のスマートモビリティサービス 

トヨタ自動車では、コネクティッドカーから取得される位置情報や走行データなどのビッグデータを活用し、交通や防災などの社会課題解決に取り組んでいます。 

同社が提供する「ビッグデータ交通情報サービス」では、車両から得られる「Tプローブ交通情報」をもとに、リアルタイムの渋滞状況や通行履歴マップを提供しています。

これらの情報は自治体や企業による交通の円滑化、防災対策、地図情報の精度向上などに活用され、安全で災害に強い街づくりに貢献しています。


楽天グループの顧客分析プラットフォーム 

楽天グループは、2024年9月から「Rakuten Analytics」という分析Platformの提供を開始しました。 

このサービスは、1億以上の楽天IDから得られる膨大な統計データをもとに、AIを活用してユーザー属性を4,000以上のカテゴリに分類した「CustomerDNA」データベースを構築しています。

企業が自社の顧客データと連携して多角的な分析を行えるようになり、広告配信、CRM(顧客関係管理)、商品企画などのマーケティング施策に活用されています。これにより、データに基づいた効果的な意思決定が可能となっています。


ソフトバンクのマーケティングデータ活用 

ソフトバンクは、グループ企業が保有するビッグデータを活用したマーケティング支援サービスを展開しています。

人流データの分析から消費者行動の把握まで、多様なデータソースを組み合わせることで、企業の新たな需要発見や売上・利益の最大化を支援しています。 

特に子会社のAgoopが提供する人流データ分析は、防災計画や地域活性化など社会課題の解決にも応用されており、データという財産を使ったビジネス発展をサポートしています。


Netflixの機械学習レコメンデーション 

Netflixは世界190以上の国で展開するサービスにおいて、機械学習を活用した高度なレコメンデーションシステムを構築しています。

ユーザーの視聴履歴、評価、検索行動などのビッグデータを分析することで、個人の嗜好に合わせたパーソナライズされたコンテンツ推薦を実現しています。

同社のアルゴリズムは地域ごとの文化的差異や言語の違いも考慮しており、グローバルなスケールでの最適化を通じて、ユーザー体験の向上と視聴時間の増加に成功しているのです


▼そのほかの活用事例はこちら

  人流を読む ~位置情報ビッグデータの選定方法と活用事例~ 人流の変化が“どこへ”“どのように”影響を与えているのか、また与えていくのかを読むには、位置情報ビッグデータが大きな手がかりとなります。 株式会社ゼンリンデータコム


まとめ:目的を持ったデータ分析を行い、ビジネスに活かそう!

本記事では、ビッグデータ分析の基本的な注意点や手法を解説しました。

ビッグデータ分析を行う際には、「何をしたいのか」という大きな方向性をプロジェクト全体で共有し、そのデータの取り扱いには充分に注意しましょう。



ビッグデータである人流データ活用には「混雑統計®」

ゼンリンデータコムの「混雑統計®」は、ビッグデータ分析に不可欠なデータをオーダーメイドで提供するサービスです。

約700万台の携帯電話から取得される豊富なGPS位置情報をもとに、高精度解析を行い、お客様の具体的なニーズに合わせた独自の人流統計データを作成します。

「混雑統計®」では、高解像度の位置情報データを保有しており、人々の移動傾向やパターンを正確に特定することが可能です。

これらの情報は、地域マーケティング、交通計画、イベント管理等、さまざまな用途に利用できます。

また、ゼンリンデータコムは長年にわたり蓄積されたノウハウを活かした精緻な解析技術を保有しています。

ビッグデータの活用により、より賢明な意思決定をサポートしますので、ご気軽にご相談ください。

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「混雑統計®」データは、NTTドコモが提供するアプリケーションの利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータ。位置情報は最短5分毎に測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。
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ゼンリンデータコム編集部
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株式会社ゼンリンデータコム 情報管理委員会 委員長 個人情報保護管理者

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