catch-img

人流を読む ~位置情報ビッグデータの選定方法と活用事例~

新型コロナウイルス感染症の拡大によって生活様式が大きく変化し、密を避ける手段として「人流」を意識するようになりました。
人流の変化が“どこへ”“どのように”影響を与えているのか、また与えていくのかを読むには、位置情報ビッグデータが大きな手がかりとなります。

混雑統計資料ダウンロード

目次[非表示]

  1. 1.位置情報ビックデータから見えること
  2. 2.スマートフォンの測位技術と、それぞれの特徴
    1. 2.1.1. 携帯電話基地局データ
    2. 2.2.2. GPSデータ
    3. 2.3.3. Wi-Fiデータ
    4. 2.4.実施目的に適した測位技術を選ぶことが重要
  3. 3.GPSデータを採用した位置情報ビッグデータ『混雑統計®』について
    1. 3.1.活用例1:観光地における、観光客の行動状況
    2. 3.2.活用例2:新幹線の開業前後における観光動態の変化
    3. 3.3.活用例3:ATM設置箇所の最適化
  4. 4.まとめ


位置情報ビックデータから見えること

新型コロナウイルスの感染拡大とともに、主要駅や繁華街における人流の増減が連日報道されています。こうした状況下では、どうしても「どれだけ人が増えたか・減ったか」が注目されがちです。しかしその数字の裏に、人の行動の「変化」があることを忘れてはなりません。

例えば、ある場所の人流減少の裏には、行き先が変わった、外出しなくなった、ひとつの場所に長く滞在するようになった…というように、行動の変化が隠れています。そこで位置情報ビッグデータを活用すれば、人がどこから来て、どこへ行き、あるいは留まるのか、「行動」や「行動の変化」を読み取ることが可能になるのです。


スマートフォンの測位技術と、それぞれの特徴

スマートフォンが広く普及した現在において、人々の位置情報を取得する場合、スマートフォンを利用するのが一般的です。ただ、スマートフォンには様々な位置測位技術があり、いずれも万能な訳ではありません。位置情報ビッグデータを検討する際には、どの測位技術を利用して取得されたデータを採用しているのかと、それぞれのデータ特性を理解して、調査目的に応じた手法を選ぶことが重要です。

スマートフォンの測位技術を利用して取得されるデータは、主に以下の3種が挙げられます。各々の特徴や得意・不得意を見ていきましょう。

  1. 携帯電話基地局データ
  2. GPSデータ
  3. Wi-Fiデータ


1. 携帯電話基地局データ

携帯電話基地局データは母集団が大きく、人数の推計精度が高いのが特徴。一方で、測位精度が基地局の設置間隔に依存するため、調査エリアの粒度が粗くなります。また、計測できる時間間隔も数時間単位であることが多く、この2点から細かい調査は苦手です。


2. GPSデータ

GPSデータは緯度経度の「点」の情報がベースとなるため、滞在に加えて移動の分析にも強く、人の一連の流れを取得できます。スマートフォンのアプリケーション経由で位置情報を取得できるため、最も多くの位置測位ビッグデータで採用される測位技術ですが、一方で、位置情報を取得する対象アプリケーションの利用者数がデータの統計的な精度に直結するため、慎重に選ぶ必要があります。また、人々の行動実態を捉えた分析を行うためには、対象アプリケーションにおける位置情報の取得頻度の細かさや、連続性があることも重要です。


3. Wi-Fiデータ

Wi-Fiデータは上記2つとくらべて、最も測位精度が高い取得手法といえます。しかし、取得可能な範囲がWi-Fiスポットの設置箇所に依存するので、設置のない場所では人の移動を追えません。


実施目的に適した測位技術を選ぶことが重要

位置情報ビッグデータの利用目的は、来店者分析や出店候補地の選定などマーケティング領域をはじめ、来訪者の旅程分析などの観光領域や交通量調査などの交通領域などの多岐にわたり、1.~3.どの測位技術を利用することによって取得されたデータでも実施は可能です。しかし、実用性の高いデータを得るためには、先に述べた得手不得手を理解して、最適な測位技術を採用した位置情報ビッグデータを選択する必要があります。

例えば、携帯電話基地局データであれば空間解像度は粗いですが人数の推計精度が高く、反対にGPSデータであれば空間解像度は細かいけれど人数の推計精度が基地局データより劣ります。Wi-Fiデータであれば調査対象に対象のWi-Fiスポットが設置されている必要があるので、イベント会場や自店舗施設の分析など、対象が限定的です。

目的と測定方法の有効な結びつきを考えてみると、コロナ禍で報道されているような「ある地域での人の増減」といった正確な人数を知りたいシーンでは、携帯電話基地局データが最も精度が高いでしょう。観光行動のように、周遊や滞在時間など人の移動行動を知りたいシーンではGPSデータが適していますし、施設や階層単位で建物の出入りを知りたいといったシーンでは、Wi-Fiデータが向いているといえます。


GPSデータを採用した位置情報ビッグデータ『混雑統計®』について

混雑統計®

ゼンリンデータコムが提供する「混雑統計®」は、GPSデータを採用している位置情報ビッグデータです。
前述の通り、GPSデータを活用する際は、位置情報提供者の数や、測位頻度が重要になりますが、混雑統計®は、これらの点において、現在の国内最高水準を満たすデータとなっております。


・データ取得は最短5分間隔

移動手段や滞留時間といった連続性のある人の移動を取得します。

・バックグラウンドで常時取得

アプリ起動時やジオフェンス内でのみ取得といった制限がなく、日常的な移動データを取得可能です。

・アクティブ率の高いユーザーが9割以上

月に20日間以上の測位があるサンプル数は約550万MAU(2021年4月時点)。どの期間でも安定して精度の高い調査を実現します。

・最長7年前まで遡ったデータの提供が可能


具体的な活用例として、実際の導入事例を含めた3点をご紹介します。


活用例1:観光地における、観光客の行動状況

観光客の日帰り・宿泊の割合、観光スポットごとの交通手段の割合、メインの観光スポットを訪れた人が立ち寄る場所などの把握が可能です。
混雑統計® 【導入事例】(4)群馬県の観光地


活用例2:新幹線の開業前後における観光動態の変化

新幹線開業によって、人流へどのような変化が起こるのか。訪問者数の居住地比較、各交通手段の利用割合を居住地別に算出する、といった効果測定に利用可能です。
混雑統計® 【導入事例】(1)北海道新幹線①
混雑統計® 【導入事例】(3)北陸新幹線


活用例3:ATM設置箇所の最適化

時間帯や曜日、性別年代などで人流を測定し、人流増加ポイントにATM新規設置、再配置の最適化を行いました。自動販売機やコインロッカーなどで、同様の活用事例があります。

データの提供形式はCSVとなりますが、データの読み解きをサポートするため、以下のようにTableauを使って可視化したデータを併せてご提供することも可能です。
混雑統計®データをtableau上で連携・可視化。位置情報に不慣れな方でも、直感的に読み取ることが可能です。

tableauダッシュボード形式

混雑統計® tableauダッシュボード形式


まとめ

これから起こるであろう変化を正しく予測することは、誰にもできません。しかし、人がどこから来て、どこへ流れて行っているのか、「いま何が起きているか」を理解することは、位置情報ビッグデータを用いて可能になりました。人流の増減の裏にある「変化」を見逃さない意思決定を、ゼンリンデータコムではサポートしていきたいと考えています。



「混雑統計®」データは、NTTドコモが提供するアプリケーションの利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータ。位置情報は最短5分毎に測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。



\まずはお気軽に!資料ダウンロード/

混雑統計®資料ダウンロード



ゼンリンデータコム編集部
ゼンリンデータコム編集部
あらゆる業界に役立つ、位置情報・住宅地図・物流配車管理・地図道路情報配信・屋内施設動態・インバウンドなど、ゼンリンデータコムの提供サービスに関わるノウハウやトレンドを様々な角度で情報発信してまいります。

混雑統計資料ダウンロード
※下記項目をご入力いただき送信してください。
当社では、お客様がお問い合わせの際に必要な個人情報または、お問い合わせ内容等につきましては、当社プライバシーポリシー記載の利用目的の範囲内にて、利用いたします。
当社提供サービスに含まれる地図情報・施設情報の修正・削除に関するお問い合わせをいただいた場合、そのご要望にお応えするために、お問い合わせ時にご記入いただきました個人情報を、セキュリティを確保した電子的な方法で、地図情報・施設情報の提供元である「株式会社ゼンリン」に提供させていただく場合がございます。
また、本目的の範囲内で委託先に開示をする場合があります。当社が必要とする情報をご提供頂かない場合ご要望にお応えできない場合がございます。お客様は、個人情報の開示等、苦情・相談をする事ができますので、もしございましたらprivacy@zenrin-datacom.netまでご連絡下さい。その他個人情報の取扱いについてはプライバシーポリシーをご確認ください。

株式会社ゼンリンデータコム 情報管理委員会 委員長 個人情報保護管理者

混雑統計®についてお気軽にお問い合わせください。

\簡単1分/
\サービスのお問い合わせはこちらから/
記事ランキング
関連記事はこちら

混雑統計データセット提供開始

\ 混雑統計🄬活用事例はこちら /
神奈川大学 混雑統計活用事例