
ビッグデータの基本と活用法|活用できる分野やポイントを交えてわかりやすく解説!
近年、ビッグデータという言葉を聞く機会が増えています。
ビッグデータは行政の手続きや企業の商品・サービス開発、医療研究等、さまざまな業界で利活用されており、そのデータ量は今後も増加し続けるでしょう。
この記事では、ビッグデータについて、特徴や課題、活用するメリット、ポイント、データが活かせる業界等を解説していきます。
ビッグデータとは何か知りたい方、身近な活用例も知りたい方は参考にしてみてください。
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目次[非表示]
- 1.各業界の注目が集まる「ビッグデータ」とは?
- 2.ビッグデータと関係の深いloT・AI|その関係性とは?
- 3.ビッグデータの特徴“5つのV”とは
- 3.1.Volume(量)
- 3.2.Velocity(速度あるいは頻度)
- 3.3.Variety(多様性)
- 3.4.Veracity(正確性)
- 3.5.Value(価値)
- 4.ビッグデータの種類
- 5.ビッグデータを活用する3つのメリット
- 5.1.緻密な将来予想ができる
- 5.2.現状把握ができる
- 5.3.データの可視化により、迅速な判断ができる
- 5.4.質のいい意思決定ができる
- 6.ビッグデータを活用する際の4つの課題
- 6.1.プライバシー侵害の恐れがある
- 6.2.知識がないと取り扱えない
- 6.3.費用がかかる
- 6.4.収集したデータの加工に手間がかかる
- 7.ビッグデータを活用できる分野例
- 8.ビッグデータを活用した事例
- 9.ビッグデータを活用する際のポイント6つ
- 9.1.データの目的と目標を設定する
- 9.2.データ収集計画を策定する
- 9.3.データソースを特定する
- 9.4.データ収集のための技術を選択する
- 9.5.データの品質を確保する
- 9.6.データ保管と管理
- 10.今後ビッグデータはその重要性を増していく
- 10.1.5GやloTの普及
- 10.2.国家レベルでビッグデータの利活用を促進する
- 11.まとめ:ビッグデータを理解して分析に活用しよう!
- 12.ビッグデータの収集・分析に「混雑統計®️」が利用できる
各業界の注目が集まる「ビッグデータ」とは?
ビッグデータとは、人間では把握しきれない膨大なデータ群のことを指します。
ビッグデータは、さまざまな形式や種類によって構成され、高精度な予測や必要な情報を引き出すことが可能です。
ここでは、ビッグデータについて詳しく解説します。
日々生み出されているさまざまな種類の膨大なデータ群を表す
ビッグデータは、日々新しく更新されるインターネット上の膨大なデータ群のことを表します。
しかし、単なる膨大なデータを表す意味だけではなく、ビッグデータには以下の3つの特徴があります。
膨大な量「ボリューム(Volume)」 |
典型的なソフトウェアが処理できる能力を超えたサイズのデータ収集がされていること |
速度「ベロシティ(Velocity)」 |
受信したデータに基づいたアクションスピードが高速であること |
多様性「バラエティ(Variety)」 |
利用可能な幅広いタイプのデータであること |
昨今のテクノロジーの発展により、ビッグデータの収集が可能となり、ビッグデータは幅広いシーンで活用されています。
活用されている現場は、飲食業界や医療業界、教育業界など多岐にわたります。
ビッグデータを活用することで、従来では解決できなかったビジネス上のさまざま問題に対処できるのです。
具体的なデータの種類は主に3種類
ビッグデータの具体的なデータは、大きく分けて3つの種類に分類されます。
構造化データ
行と列で構成される二次元の表形式のデータのことです。
または、データの一部から二次元の表形式への変換が可能であることが読み取れるデータのことを指します。
例:Excel・CSV
半構造化データ
規則性に関する区切りはあるが、一見して二次元の表形式への変換可能性や変換方法がわからないデータのことです。
例:XML・JSON
非構造化データ
規則性に関する区切りがなく、一見して二次元の表形式に変換できないことがわかるデータのことです。
例:画像・音声・テキスト・PDF
総務省が解説した分類は大きく3つ
総務省は、個人と企業、政府が生み出すビッグデータの構成要素を大きく3つに分けて分類しています。
オープンデータ |
国や地方公共団体が提供するデータ |
産業データ |
企業が保有する幅広いノウハウなどのデータ M2Mと呼ばれる産業用機械の機器間通信時のデータ |
パーソナルデータ |
個人情報を含む、個人の属性や移動・購買履歴などの情報データ |
現在の日本では、仮想空間と現実空間を高精度に融合させた次世代社会「Society5.0」の実現を目指しています。
次世代社会の実現には、上記の3つのデータを連携して効果的な分析などに活用することが重要です。
ビッグデータの連携は、社会の問題解決や過去の膨大なデータから予測を立てるなどの活用法を生み出すことに期待されています。
ビッグデータと関係の深いloT・AI|その関係性とは?
ビッグデータは「loT」によって蓄積され、「AI」の学習能力により活用されるという関係性にあります。
「loT」とは、モノがインターネットに接続され、さまざまな情報をやり取りできる技術のことです。
スマートスピーカーなどのデジタル家電などが例として挙げられ、loTの普及は私たちの生活の中でも身近に感じられるものといえるでしょう。
IoTからさまざまなビッグデータをリアルタイムで得られる
loTの技術を活用することで、人々の生活や行動パターンなどのさまざまなデータをリアルタイムで取得することが可能になります。
loTの基本的な役割は、モノがインターネットに接続され、そのモノに搭載したカメラやセンサー、無線通信によって人の動きなどを感知し、データを取得することです。
近年では、私たちの身近にあるものでもloTが搭載された家電をよく目にするようになりました。
loTが搭載された家電は、使用状況や消費電力などをデータとして見ることができます。
これらのデータは、ビッグデータとして収集・蓄積され、マーケティングやサービスなどのさまざまなビジネスシーンに活用されています。
AI技術の進歩がビッグデータの効率的な活用を実現させている
loTが取得したビッグデータは、AIを用いて分析・解析されます。
そのため、AIの技術が進歩することで、より効率的にビッグデータを活用できるでしょう。
loT機器に、新しく高度なAI機能が搭載されることで、従来のものより優れた機能性を発揮することが期待できます。
AIとビッグデータは、お互いの技術や発展に向けて密接に関連しているのです。
loT→ビッグデータの収集→AIによる分析
上記の循環を繰り返すことで、より高度なデータやAIが生み出され、ビッグデータの効率的活用を実現することが可能となります。
ビッグデータの特徴“5つのV”とは
ビッグデータは「5つのV」から構成されています。
それぞれについて以下で紹介していきます。
Volume(量)
「Volume」はデータ量のことです。
SNSの普及やEC活用による購買データの増加、近年の画像・動画コンテンツの増加など、ビッグデータは年々、爆発的にデータ量を増やしています。
それらを分析し、より詳細な情報に絞り込んでいくため、データの量は非常に重要な要素となるのです。
Velocity(速度あるいは頻度)
昨今のビジネスはスピード感が非常に重視されています。
常に変化するビジネス環境に瞬時に対応するためには、常に最新の情報を収集・分析することも重要な要素です。
ビッグデータを利活用する際に収集・分析するスピードが遅いと、競合他社に後れを取ってしまいかねません。
ゆえに、ビッグデータを利活用する際の速度は必須要素となります。
Variety(多様性)
従来のデータ収集においては、ExcelやCSVファイルに代表される「縦」と「横」の概念を持つ構造化データのみ収集されていました。
しかし、ビッグデータにおいては構造化データのみならず、将来的な利用の幅を持たせる意味もあり、構造化されていないテキストや音声、画像や動画といった多様なデータが収集されています。
このデータの多様性が、ビッグデータの特徴のひとつであるといえるでしょう。
Veracity(正確性)
ビッグデータは、データ量が増えたことにより、そこにフェイクやデマの情報も紛れるようになりました。
そういった背景から、いかに正確な情報を扱うかが、精度の高い分析結果を出せるかにつながるようになったのです。
ビッグデータにおける正確性は、結果を左右する重要な要素といえます。
Value(価値)
ビッグデータにおける価値とは、ビッグデータを利活用した際に生み出される価値のことを指します。
ビッグデータを正しく分析し活用することで、企業の競争力強化や社会問題の解決等に貢献してくれるでしょう。
そのような結果が生まれてはじめて、ビッグデータは価値を持つのです。
むしろ、そのような価値を生み出さないのであれば、ビッグデータはただの数字でしかありません。
価値を生み出すこともビッグデータの特徴のひとつでしょう。
ビッグデータの種類
ビッグデータを構成するデータは、以下3種類に分類できます。
データの種類 |
特徴 |
データ例 |
構造化データ |
行と列で構成される二次元の表形式のデータ。 |
Excel、CSV |
半構造化データ |
規則性に関する区切りはあるけれど、一見して表形式への変換可能性や変換方法がわからないデータ。 |
XML、JSON |
非構造化データ |
規則性に関する区切りがなく、二次元の表形式に変換できないデータ。 |
音声、画像、動画、テキスト、PDF |
ICT(情報通信技術)が発展し、さまざまな情報を収集可能な現在では、ビッグデータは「非構造化データ」と「半構造化データ」がその大半を占めているのです。
ただし、これらのデータを活用するためには、データの整理や変換が必要な上、データ容量も大きくデータベースとしての活用も難しいため、ビッグデータを取り扱う環境の構築やデータを扱う高度なスキルが求められます。
ビッグデータを活用する3つのメリット
ここでは、ビッグデータを活用する3つのメリットを紹介します。
緻密な将来予想ができる
ビッグデータの解析は、緻密な将来予想を立てる際に役立ちます。
ビッグデータに含まれる膨大な情報に基づいて分析すると、以前よりも精度の高い予測が可能です。
そして、この緻密な将来予測は、流行を先取りしたビジネスモデルを構築したり、自社に起こりうるトラブルを未然に防いだりといった、利益の最大化と損失の最小化を可能にします。
加えて、データという明確な根拠を活用すれば、勘に頼った施策や根拠のない方針決定の是正にも活用でき、従来よりも合理的でスピーディーな意思決定ができるようになります。
幅広いビジネスシーンにおいて、直感的な意思決定から、データに裏付けられた論理的な意思決定の転換を図れるのです。
現状把握ができる
分析技術の発展により、大量かつ多角的なビッグデータをリアルタイムで処理できるようになったため、より詳細な現状把握が可能になりました。
消費者のニーズを高い精度で予測できるため、それに基づいたマーケティングの展開が可能です。
最適な情報を提示するためのパーソナライズも正確に行えるため、マーケティングの精度も上がります。
また、リアルタイムで状況を分析できることで、今しなければいけないことが瞬時に明らかになるため、ビジネスの成功に向けた取り組みも効率化できます。
データの可視化により、迅速な判断ができる
昨今のテクノロジーの進化により、膨大なデータをリアルタイムに処理し、可視化できるようになりました。
データの可視化が可能になったことで、より迅速に調査・分析を行い、対策などの判断を行えます。 リアルタイムにデータなどを確認できることで、市場のニーズをいち早く察知できるでしょう。
変化し続ける市場への迅速な対応は、競合他社との優位性の獲得に繋がります。
質のいい意思決定ができる
ビッグデータを活用すると、膨大かつ多様な情報の中から課題解決に必要な知見を引き出し、ビジネス上の意思決定をスピーディーに行えます。
このようにビッグデータを収集・蓄積・可視化し、ビジネスの意思決定に使えるようにすることを「データドリブン」といいます。
データという客観的な根拠に基づいて施策立案ができるため、周囲からの理解を得やすくなるでしょう。
また、効果検証もデータに基づいて行えるので、細かくPDCAを回しやすいのもメリットです。
そして、顧客自身もまだ気付いていない潜在的ニーズを見つけ出し、新しい商品やサービスの開発につなげ、市場に新しい価値を提供できる可能性もあるのです。
ビッグデータを活用する際の4つの課題
ビッグデータを活用する際の課題について、以下4つご紹介します。
- プライバシー侵害の恐れがある
- 知識がないと取り扱えない
- 費用がかかる
- 収集したデータの加工に手間がかかる
プライバシー侵害の恐れがある
ビッグデータを扱う際は、プライバシー侵害の恐れがあることを認識しておきましょう。
ビッグデータの中には、重要な個人情報が含まれているケースもあり、データの秘匿化や漏洩しないようにセキュリティ対策を強化することが必要です。
万が一個人情報が漏洩してしまうと、企業の信用が失われてしまいます。
ビッグデータを扱う際は、情報収集する時点から個人情報の取り扱いについてしっかり理解し、細心の注意を払いましょう。
そして、自社の商品やサービスを顧客が安心して利用できるよう、プライバシーポリシーをわかりやすくまとめておく必要があるでしょう。
知識がないと取り扱えない
ビッグデータの活用における課題として、スキルを持った人材の不足があげられます。
ビッグデータを活用するためには、データエンジニアリング、データサイエンス、機械学習、ビジネス知識等、高度なスキルが必要です。
しかし、これらのスキルを持った人材は限られており、企業が求める人材を確保することは困難な場合がほとんどです。
また、データ分析や機械学習に必要なツールや技術は常に更新されるため、スキルを持った人材を継続して教育する必要があります。
このような課題を解決するために、どの企業も人材育成に力を入れているのです。
費用がかかる
ビッグデータは膨大な量のデータを扱うため、大量のストレージや高性能なサーバー、ネットワーク機器等が必要であり、それに伴う費用も必要となるのです。
また、データの収集や分析、加工、整理、保管等の運用管理にかかるコストも考慮しなければなりません。
このような課題を解決するためには、ビッグデータの運用や保守管理に特化したツールやシステムを導入するのが効果的です。
また、クラウドサービスやマネージメントサービスを活用することで、コストの削減やリソースの最適化ができるようになります。
さらに自動化や効率化の取り組みによって、作業時間や費用も削減できるでしょう。
収集したデータの加工に手間がかかる
収集したデータは、常に活用しやすい形式で保存されている訳ではありません。
各部署が独自の形式で保存していたり、項目が統一されていなかったりすることも多々あります。
そもそも自社で集めたどのビッグデータが事業に活用できるのか、わからないまま情報収集しているケースも少なくありません。
こうしたデータは、そのままでは分析に使えないため、データの形式を加工したり、統合する等の手間がかかります。
そのため、データ量が多くなるほどデータ加工の負担は大きくなってしまいます。
ビッグデータの活用がうまくいかない場合、データ加工が適切に行えていないことが要因であるケースが多いです。
ビッグデータを活用できる分野例
ビッグデータは、幅広い業界でマーケティングに活用されています。
そこで、ビッグデータを活用できる分野の例を以下8つご紹介します。
小売業
小売業は、店舗を訪れた顧客データや商品の売り上げデータ、店舗ごとの売り上げデータ、ECサイトの顧客データ等、活用できるデータが多数あり、ビッグデータを活用しやすい業界です。
こうしたデータを分析することで、マーケティングや商品開発に活用できます。
たとえば、過去の売り上げ実績やオンラインショップでのユーザーの行動、天候等のデータを基にして、需要予測も可能です。
また、データを分析することで商品の取り扱い量の計画を立てることができ、無駄のない生産や発注にもつながります。
農業
「スマート農業」という、農業にIT技術を用いる試みが注目されています。
農作物の生育や収穫には、天候や気温、湿度等の条件が影響しますが、必要なデータをセンサー等で取得して、農業の効率化に活用できます。
画像、音声、衛星からの情報というさまざまな形式のビッグデータをリアルタイムで統合し、天候や収穫量の予測や、商品の品質のモニタリング等が行えるようになりました。
金融業
金融業界では、顧客の取引データを解析し、リスク管理や不正検知、個別の金融商品の提供を行えるようになりました。
また、顧客の行動予測やニーズに合わせた新たな金融商品の販売などにも活かすことができます。
製造業
製造業では、近年、人材不足が問題になっています。そのため、工場設備の管理や製品の品質管理等にビッグデータを活用することで、人的工数の削減が進められているのです。
工場のラインに設置されたセンサーからデータを取得し、品質が低下しているラインを特定したり、設備のトラブルを早期に予測したりすることが可能です。
ビッグデータを活用すると、人的工数の削減だけでなく、トラブル対応のスピードを向上させ、結果的に生産性の向上にもつなげられます。
運輸業
運輸業は、GPSデータや交通量データといったビッグデータの活用によって、ルートの最適化や配送効率の改善が図られています。
ルートの最適化や配送効率が改善されることにより、車両台数の最適化やドライバーへの負担減、荷量の増加への対応などににもつながるのです。
また、リアルタイムで交通情報を取得・分析し、配送の遅延が起きないようにデータを役立てているケースもあります。
教育・学習支援業
教育や学習支援業においてもビッグデータ分析が活用されています。
教育に関するデータを集めた教育ビッグデータとしては、「eポートフォリオ」が大学や高等教育機関を中心に広がっています。
「eポートフォリオ」とは、学習プロセスにおける有意義で有用な学びの記録データを蓄積し活用するものです。
「eポートフォリオ」といった大規模なデータを処理し活用することで、機械的な分析技術を利用した新たな教育の実現が期待されています。
医療・福祉業
医療や福祉業におけるビッグデータは、患者の電子カルテや健康診断の結果、遺伝子情報等を分析し、早期診断や治療計画の最適化、高齢者のケア等に活用されます。
例えばAIによる画像診断やデータに基づく客観的な診断などに役立てられています。
ビッグデータをAIが分析する仕組みを構築すると、膨大な情報の中から即座に的確な情報を引き出し、データから鑑みた最適解を提供してくれるため、医療の地域格差解消なども期待されます。
ビッグデータを活用した事例
ビッグデータを活用した事例を以下2つ紹介します。
これらの事例は、ゼンリンデータコムでビッグデータを活用したソリューションとして「混雑統計®」と「交通分析ソリューション」があり、それらの実際の活用事例となります。
観光調査
自治体による観光調査として、「混雑統計®」が利用されているケースを紹介します。
混雑統計はどこから来て、どこでどのくらい滞在をし、どこへ向かうのか、という人の動きを分析することが可能なソリューションです。
人気の観光地の割り出しや宿泊・日帰り人口の把握、来訪者が多いエリアを割り出しプロモーションに活かすなど、取得したデータから様々な分析を行い、観光施策に落とし込むことができます。
渋滞対策
慢性的な渋滞問題の緩和には、その原因の特定が重要です。
何が渋滞を引き起こしているのかを把握することで、対策を的確に立てられます。
そんな道路状況の分析には、「交通分析ソリューション」が活用できます。
交通分析ソリューションを活用することで、道路ごとの車両の平均速度や、渋滞が発生しやすい道路からの流出先、さらには周辺の渋滞リスクの少ない道路の情報等を収集できます。
これらのデータを元に、新たな道路の計画や渋滞の緩和策を策定することが可能です。
交通分析ソリューションを活用するメリットは、特定の道路のみのデータではなく、エリア内の道路情報のデータ取得が可能であることです。
これにより、問題の特定と解決が一層進むことが期待できます。
ビッグデータを活用する際のポイント6つ
ビッグデータを活用する際のポイントを以下6つご紹介します。
データの目的と目標を設定する
収集したいデータの目的やビジネス上の目標を明確にすることが大切です。
これによって、必要なデータの種類や範囲を特定できます。
まずは、データを有効に活用するために、ビッグデータを使う目的を明確にして、膨大なデータ情報を整理し、どのように活用するかを計画しましょう。
その目的や目標を可視化することで、必要なデータの種類等も把握しやすくなります。
データ収集計画を策定する
データは、単独では問題が解決できません。
データを活用して経営や業務に貢献するためには、自分たちがこれから取り扱う経営課題や業務課題を明確にする必要があります。
これらを定義した後に、対応策である経営施策や業務施策を立案し、それらの施策に必要なデータの種類やソース、収集方法、頻度、期間といったデータ収集計画を明確にしてはじめて、経営や業務に役立てられるのです。
データソースを特定する
ビッグデータを収集するための主要なデータソースを特定します。
これには、ウェブサイトやアプリケーション、センサーデータ、ソーシャルメディアの投稿、顧客の購買データ等、さまざまなものが含まれます。
必要な情報が明確化できれば、どのデータを使い、その情報をどのように分析するかまで検討してください。
このタイミングで分析に必要なデータが実際にありそうかを確認しておくとよいでしょう。
データ収集のための技術を選択する
データソースを特定した上で必要となった情報を収集していく際に、これらのデータは「すでに利用できるデータ」「所在は明確だけど、今は利用できないデータ」「所在もわからないデータ」に分類されます。
「すでに利用できるデータ」以外のデータに関しては、情報が不足しているデータとなるため、データの入手方法を検討する必要がでてくるでしょう。
データの収集には、APIの使用や、センサーの設置、データベースの統合等、さまざまな技術が使用されます。
収集対象のデータに応じて最適な技術を選択しましょう。
データの品質を確保する
ビッグデータ分析で扱うデータには、そのままの状態では欠損やノイズが残っている可能性があります。
また、形式も画像や音声等フォーマットが揃っていないケースもあります。
データの品質は、常に最優先の事項ですが、品質は常に確保できているとは限りません。
データに不備がある場合、そのままでは分析ができないため、データを収集した後は、収集したデータの品質を確保するために、エラーチェックや重複排除、欠損データの処理等データクリーニングが必要です。
データ保管と管理
ビッグデータ分析で扱うデータは膨大です。
収集したデータを安全に保存し、必要な時にアクセスできるようにしておく必要があります。
データベースやデータウェアハウス等の適切なデータストレージシステムを選択し、セキュリティにも配慮することが大切です。
近年は、ビッグデータ分析を前提としたDWH(データウェアハウス)というサービスで、データを最適化した上で、安全に保管できる仕組みが一般的になりつつあります。
今後ビッグデータはその重要性を増していく
ビッグデータは、ビジネスシーンにおいて幅広い活躍と可能性に高い注目が集まっています。
重要性が増していくと考えられる理由について、2つの観点から解説します。
5GやloTの普及
ビッグデータの取得をより加速させるため、近年ではさまざまな技術が発展しています。
たとえば、下記3つの技術です。
5G |
超大容量・超高速・超大量接続を実現する通信技術 |
エッジコンピューティング |
loT機器の近い領域でデータ処理を行うことが可能 |
セキュリティ技術の進化 |
センサー、ストレージ、クラウドなど |
このように、ビッグデータをより効率的に活用するために、さまざまな技術が進化し続けています。
その結果、今後ますますデータを活用できる幅が広がり、重要性を増していくと考えられるでしょう。
国家レベルでビッグデータの利活用を促進する
日本では、ビッグデータの利活用を促進するためのデジタル戦略を、国家レベルで行っています。
たとえば下記の法案などがそれに当たります。
- 個人情報保護法改正におけるオープンデータの利活用推進
- スマートシティ法案により規制緩和と特例処置
しかし、日本のデータの利活用状況は、米国企業などと比べ30%ほど低い水準となっています。
ビッグデータを処理するために必要な技術は、現在もさらに進化を続けています。
国家レベルでビッグデータの活用促進が進んでいることからも、今後さらにビッグデータが幅広く利用されることが予測できるでしょう。
まとめ:ビッグデータを理解して分析に活用しよう!
ビッグデータ分析は、大量かつ多種多様なデータを分析することで、ビジネスにおいて有用な知見を見つけ出す技術です。
すでにビッグデータを活用している企業は多いですが、今後はさらにさまざまな業界で利活用される可能性があります。
ビッグデータを処理するための技術は進化を続けているため、さらに便利に活用できるようになるでしょう。
これまでとは異なる領域においても、ビッグデータを幅広く利用できることが予測されています。
ビッグデータをきちんと理解して、分析に活用しましょう。
ビッグデータの収集・分析に「混雑統計®️」が利用できる
ゼンリンデータコムが提供している「混雑統計®️」では、約700万台の携帯電話のGPSから数分間隔で得られる豊富な位置情報を独自のノウハウで高精度解析し、それぞれのニーズに沿った独自の人流統計データをオーダーメイドで作成できます。
この「混雑統計®️」は観光調査や交通分析、防災計画、マーケティング活動等の幅広い用途・業界で導入されているのです。
データの提供方法は、可視化や分析を自由に行えるCSV形式に加え、ご要望に応じてBIツール(tableau)でのダッシュボート作成にも対応しているため、便利にご活用頂けます。
ぜひ、ゼンリンデータコムの「混雑統計®️」の導入をご検討ください。
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「混雑統計®」データは、NTTドコモが提供するアプリケーションの利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータ。位置情報は最短5分毎に測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。
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