API認証とは?必要性や認証方式の種類、導入時の注意点を解説
アプリケーションやソフトウェアの使い勝手を向上させるために、他の外部アプリケーションと連携することがあります。その際に利用されるのが「API」と呼ばれる仕組みです。APIの機能を使うためには「API認証」が必要です。
では、API認証とは何でしょうか?また、どのような認証方式があるのでしょうか?あまり馴染みがない方も多いかもしれません。
そこで本記事では、API認証の基本的な仕組みや重要性、さまざまな認証方式、導入時のポイントについて詳しく解説します。API認証を理解したい方や導入を検討している方は、ぜひご覧ください。
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目次[非表示]
- 1.API認証とは?
- 2.API認証が必要な理由
- 2.1.セキュリティの確保
- 2.2.システム管理の効率化
- 2.3.サービス品質の向上
- 3.主なAPI認証方式の種類
- 3.1.Basic認証
- 3.2.APIキー認証
- 3.3.OAuth認証
- 3.4.Tokenベース認証
- 4.まとめ:API認証でシステムのセキュリティ強化を図ろう
- 5.地図APIならゼンリングループの「ZENRIN Maps API」
API認証とは?
API認証とは、APIを利用する際に、正当なユーザーであることを確認する仕組みです。簡単に言うと、アプリケーションやサービスにアクセスしてきたユーザーの身元を確認するための方法です。
まず、API(Application Programming Interface)とは、アプリケーション同士が情報をやり取りするためのインターフェースです。
例えば、あるサービスにログインする際に、GoogleやSNSのアカウントを使って認証できるのは、APIを通じてこれらのサービスが連携しているためとなります。
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API認証を行うことで、信頼できるユーザーがアプリケーションにアクセスしていることが保証され、サービス同士が安全に連携できるようになります。一方、認証に失敗すると、不正アクセスとみなされ、そのユーザーはAPIへのアクセスが拒否される仕組みです。
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API認証が必要な理由
API認証が必要となる理由として、以下の3つが挙げられます。
API認証が必要となる理由について詳しくご紹介します。
セキュリティの確保
アプリケーション同士を連携する際、セキュリティを確保するためにAPI認証が不可欠です。認証を行わずにAPIを利用すると、誰でもアクセスできる状態になり、ハッキングによって企業の機密情報や顧客データが流出し、第三者に悪用される危険性があります。
特に、漏洩した情報が顧客の個人情報や取引先の重要なデータであれば、社会的な信用を失い、企業の経営に深刻なダメージを与える可能性があります。
さらに、API認証はDDoS攻撃(異なるIPアドレスから大量のデータを送信する攻撃)や、プログラムやデータベースの脆弱性を悪用するインジェクション攻撃のリスクを低減するためにも重要です。
認証を受けたクライアントのみがAPIにアクセスできるようにすることで、不正アクセスのリスクを減らし、サイバー攻撃を防ぎやすくなります。
システム管理の効率化
API認証を活用することで、システム管理の効率化が図れます。API認証により、APIの利用状況やアクセスログを簡単に追跡でき、各クライアントの利用量や制限を正確に管理することが可能です。
もし不正な利用や過剰なアクセスが発生した場合には、速やかに制御を行い、APIのパフォーマンスや安定性を維持できます。
さらに、API認証の利点として、各ユーザーやクライアントに個別のアクセス権を設定できることが挙げられます。異なる認証情報やアクセスレベルを設定することで、必要な機能やデータへのアクセスを制限し、セキュリティを強化できます。
サービス品質の向上
API認証を導入することで、ユーザーに提供する機能の差別化を図ることが可能です。例えば異なる認証レベルを持つユーザーに対して、利用可能なAPI機能を制限することで、基本機能とプレミアム機能といった階層化されたサービスを提供できます。
また、認証レベルを設定することで、無料会員、有料会員、プレミアム会員など機能はもちろん、料金等も変更し最適なサービスの提供が可能になります。
主なAPI認証方式の種類
API認証といっても複数の方式が存在します。API認証方式の主な種類は以下のとおりです。
各認証方式の概要・特徴を見ていきましょう。
Basic認証
Basic認証は、ユーザー名(ログインID)とパスワードを入力するシンプルな認証方式です。主にWebページやファイルへのアクセス制限に使用され、認証を一度行うと、ブラウザを閉じるまで再認証せずに同じページに何度でもアクセス可能できます。
特にログアウト機能がない点が特徴で、HTTPによってサポートされているため、ほとんどのブラウザで利用できるという利点があります。
WebページにBasic認証を設定する際には、ディレクトリ内に「.htaccess」ファイルを設置します。
例えば、ルートディレクトリにこのファイルを置くと、その配下のすべてのページに認証が適用されます。逆に、特定のディレクトリに設置して、特定のページやファイルだけに認証をかけることも可能です。
ただし、Basic認証はログイン情報を暗号化しないため、セキュリティが他の認証方式に比べて低い点には注意が必要です。暗号化されていない場合、URLを通じてログイン情報が盗まれるリスクがあります。
APIキー認証
APIキー認証は、API提供者が発行する固有のキーを使用して、ユーザーのリクエストを認証する方法です。ユーザーが送信したAPIキーを基に、API提供者はそのアクセス元が正当かどうか、ユーザーがサービスを利用する権利があるかを確認します。キーが正しくない場合、アクセスは拒否されます。
この方式は、API提供者が発行したキーを用いるため、比較的セキュリティが高いとされています。しかし、APIキーが適切に管理されていないと第三者に悪用されるリスクがあります。
セキュリティを強化する手段としては、通信をHTTPSで暗号化することや、APIキーに有効期限を設定することが有効です。
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OAuth認証
OAuth認証は、ユーザーが特定の外部サービスにアクセス権限を許可する仕組みです。例えば、あるアプリを使って自分のGoogleアカウントに保存された写真を共有したい場合を考えてみましょう。
このとき、アプリはユーザーのGoogleアカウントに直接アクセスするのではなく、OAuth認証を使ってアクセス権限を取得します。
具体的には、まずアプリはユーザーにGoogleアカウントへのアクセス許可を求めます。ユーザーが許可すると、Googleはそのアプリに対して一時的な「アクセストークン」を発行します。このトークンは、アプリがGoogleにアクセスして写真を取得するための鍵のようなものです。
次に、アプリはこのトークンをGoogleのサーバーに送り、Googleはそのトークンが有効かどうかを確認します。トークンが有効ならアプリは写真データにアクセスでき、ユーザーは希望通りに写真を共有できます。
この認証方法だと、アプリがユーザーのGoogleアカウントのパスワードを知ることはなく、安全にデータをやり取りすることが可能です。
OAuth認証は、このようにユーザーの情報を安全にやり取りできることが特徴で、特に個人情報を扱うサービスで多く利用されています。実装は少し複雑ですが、セキュリティの面で非常に信頼性が高い認証方式です。
Tokenベース認証
Tokenベース認証は、特定のトークン(認証局から発行された鍵のようなもの)を使って認証を行う方法です。トークンは、大きく分けてデジタルトークンと物理的なトークンの2種類に分類されます。デジタルトークンはコンピュータ上で生成・管理される電子的なトークンです。
物理的なトークンは持ち出し可能な物理デバイスで、ICチップが埋め込まれたカードやUSBやBluetoothで接続するデバイス等があります。
このトークンには、APIサービスにアクセスするための権限や有効期限が含まれています。
例えば、Webサービスにログインするときに、そのサービスから発行されたトークンを使ってアクセスできる期間や操作範囲が決まります。
サーバー側は、このトークンを確認してユーザーが正しいかどうかを判断し、認証に成功すればAPIを使用できます。
まとめ:API認証でシステムのセキュリティ強化を図ろう
今回は、API認証の重要性やさまざまな認証方式について解説しました。APIを活用することで、外部の機能を自社サービスに連携させ、サービスの品質や利便性を向上させることが可能です。
しかし、APIを安全に利用するためには、API認証によるシステムのセキュリティ強化が欠かせません。認証方法にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴やセキュリティレベルが異なります。
サービスに最適なAPI認証を選び、導入することで、より安全なシステム運用を目指しましょう。
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