
2025-11-13 17:10
※記事内のリンクをクリックすると外部サイト(英語)へ飛びます。
AI コーディングアシスタントは、開発の生産性を高めることが期待されていますが、実際には古い情報や存在しない API に基づいたコードを生成してしまうこともあり、開発者にとってストレスの原因となることがあります。この課題を解決するために、Googleは「Google Maps Platform Code Assist ツールキット」を公開しました。これは、最新の技術情報や公式のコード例、専門家によるベストプラクティス(最適な実践手法)に基づき、より正確で効率的なコードを生成できるよう支援する、オープンソースのModel Context Protocol(MCP)サーバーです。
Code Assist ツールキットは、MCP(Model Context Protocol)サーバーとして機能し、お気に入りの AI コーディング アシスタントに最新かつ正式な Google Maps Platform の情報を提供する仕組みです。公式ドキュメント、コードサンプル、そしてベストプラクティス(最適な実践手法)を参照できるようにすることで、AI がより正確で信頼性の高い、実用的なコードを生成できるようになります。
これにより、Google Maps Platform を利用するコード部分において、AI生成コードにありがちな不安や技術的負債(将来的な修正コスト)を軽減し、自信を持って開発を進めることができます。
Code Assist ツールキットは、次のような最新情報へのアクセスを AI アシスタントに提供します:
・Google Maps Platform 公式ドキュメント
・Google Maps Platform 利用規約
・Google Maps Platform トラストセンター(セキュリティ・信頼性情報)
・公式 Google Maps Platform GitHub リポジトリ(コード集)
たとえば、開発者が「入力ミスを減らし、入力した住所を視覚的に確認できる住所フォームを作って」とAIコーディングアシスタントに依頼したとします。多くの一般的なアシスタントでは、インターネット上に長く存在する古いドキュメントをもとに学習しているため、Maps JavaScript API の旧版 Places ライブラリを使ったコードが生成されてしまうことがよくあります。
しかし、Code Assist ツールキットを導入すると、アシスタントはPlaces UI Kit コンポーネントライブラリの情報を理解したうえで回答できるようになります。これにより、Google Maps の使い慣れたユーザー体験を保ちながら、より少ないコード量と低コストで同じ機能を実現できます。

Google Maps Platform Code Assist を使わない場合のアシスタントの応答例

Google Maps Platform Code Assist を使用した場合のアシスタントの応答例
Code Assist ツールキットは、MCP クライアント(Gemini Code Assist、Cline、Cursor など)と、最新のコンテキスト情報を提供する Google ホストのサービスとの橋渡し役を担います。これにより、AI アシスタントは学習データの更新時点という“知識の限界”に縛られることなく、Google が管理する最新かつ信頼性の高い情報にオンデマンドでアクセスできるようになります。
AI アシスタントを支える大規模言語モデル(LLM)は扱える情報量に限りがあるため、このツールキットはプロンプトへの回答に必要な情報だけを的確に提供するよう設計されています。
MCP サーバーは、お使いの AI コーディング アシスタントに必要なタイミングで専門知識を提供する信頼できる情報源として機能します。一般的な基盤ツールよりも深く、Google Maps Platform の開発者向けリソースを的確に活用するための専門的な知見を備えています。
Google Maps Platform Code Assist ツールキットのアルファ版は、現在 GitHub と npm で利用可能です。Gemini CLI を使用している場合は、次のコマンドを実行するだけで Code Assist を拡張機能としてインストールできます。
gemini extensions install https://github.com/googlemaps/platform-ai ←コピーしてお使いくださいCode Assist ツールキットをインストールすると、Google Maps Platform に関するタスクを AI アシスタントに依頼した際、Code Assist MCP サーバーのツールを使って関連ドキュメントやコードサンプルを取得し、回答を補強します。この仕組みは「RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)」と呼ばれています。
Cursor や Claude Code など、他の MCP クライアントを利用している場合は、ドキュメントまたは GitHub の README に記載された手順に従ってインストールできます。インストール後は、AI コーディング アシスタントが Code Assist MCP サーバーからツール名と説明を取得し、利用可能なツール一覧に追加します。
コード・アシスト・ツールキットを使用するとAI アシスタントの提案内容が Google Maps Platform の最新のガイダンスに基づくため、より自信を持ってコーディングすることができます。

ゼンリンデータコムではGoogle Maps Platformをご利用頂くにあたって、 専門のエンジニアによる充実したサポート体制を構築しております。
■Google Maps Platformクイックサポート
※Google Maps Platformを当社経由でご契約頂いたお客様を対象に専用サポートサイトを用意しております。
■各種システム・アプリ開発のご相談
Google Maps Platformの各種APIを利用したシステムやアプリケーションの開発についてもお気軽にご相談ください。