2025-12-09 17:45
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2025年11月10日、Google は Google Maps AI Kit の新しい機能であるローコードコンポーネントの「コンテキストビュー(Contextual View)」を発表しました。
この機能は、Google Maps Platform で培われた信頼性の高い地図表示コンポーネントを活用し、AI の回答をよりわかりやすく、視覚的に表現できるよう設計されています。信頼性の高いインタラクティブな地図や場所情報を組み合わせることで、AI アプリケーションをより魅力的で実用的な体験へと進化させます。
次世代の生成AIエージェントを開発するうえで、ユーザーに明確で役立つ情報をわかりやすく提示することは、これまで以上に重要になっています。とはいえ、テキストだけのやり取りでは情報が伝わりづらく、ユーザーが「テキスト疲れ」を感じてしまうことも少なくありません。特に、場所や空間に関する情報では、文章だけでは実際の状況や位置関係を十分に把握できないケースが多くあります。
コンテキストビューは、こうした課題を解決するために設計された少ないコードで導入できる簡易ソリューションです。わずか数行のコードを追加するだけで、大規模言語モデル(LLM、たとえば Vertex AI 経由で利用できる Gemini)が、ユーザーの質問内容や状況に応じて、Google マップ上のデータを動的に表示できるようになります。
これにより、AI チャットの中で地図や場所情報などの主要な要素をインタラクティブに可視化できるようになります。

Google Maps AI Kit コンポーネントの コンテキストビューで数行のコードを追加するだけで、大規模言語モデル(LLM)が AI チャットの中で地図や場所情報を直接表示できるようになります。
コンテキストビューを利用すると、AI チャットの体験を Google マップの豊富な現実世界の情報に基づいて構築できます。
この新しいコンポーネントは、AI エージェントが Google の正確な場所データにアクセスし、ユーザー向けに地図情報を可視化するツールを提供します。ユーザーの目的に合わせて、LLMはマーカー付きの 2D・3D 地図や写真、口コミなどを動的に表示し、単なるテキストでは伝わりにくい文脈を視覚的に補完します。(例:レビューなど)
長いテキストのやり取りに頼る必要はもうありません。コンテキストビューを使えば、ユーザーは実際の場所の様子を視覚的に理解できます。
豊かなビジュアル情報と、地図を使った直感的な操作を組み合わせることで、情報のあいまいさを減らし、自然な会話の流れの中で、より速く、より自信を持って意思決定を行えるようになります。
たとえば旅行会社であれば、コンテキストビューを活用することで、AIが場所の写真や関連情報を提示し、単なるテキスト回答にとどまらず、旅行者がその地域についてより深く理解できるよう支援できます。
コンテキストビューのコンポーネントを使えば、わずか数行のコードでアイデアから本番環境までスムーズに進めることができ、開発や保守にかかる負担を大幅に軽減できます。これにより、地図に関する会話を処理するエージェントの構築やトレーニングに時間を取られることなく、AI チャット体験の他の部分に集中できます。
このコンポーネントの仕組みはシンプルです。Vertex AI API を呼び出すと Google マップのトークン(⼀時的な認証情報)が返され、そのトークンを受け取るとコンテキストウィジェット(チャット上で地図や場所情報を表示する部品)が自動的に表示を開始し、チャット内でユーザーに地図情報を提示します。

コンテキストビューと Google マップのグラウンディング機能、3D マップ、Gemini を活用し、シカゴ旅行のさまざまなスポットを紹介するデモンストレーション。
Contextual View は現在、Gemini API または Vertex AI API を利用した試験運用版としてご利用いただけます。

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