
TMS(輸配送管理システム)とは? 主な機能から導入のメリットまで解説!
近年、物流業界は需要が拡大しているにもかかわらず、慢性的な人材不足や、労働者の高齢化等、さまざまな問題を抱えています。
TMSを導入すると、配送管理や計画、コスト計算等配送面で業務の効率化が期待できるでしょう。
この記事では、TMSの主な機能や、導入するメリット、システムを選ぶポイント等を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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TMS(輸配送管理システム)とは
TMS(輸配送管理システム)とは、「Transport Management System」の頭文字を取った略称で、配車~配送進捗の管理~運転日報の作成など、配送に関わる各工程を管理・効率化させるシステムのことを指します。
TMSは大きく分けて「配車管理」「動態管理」「コスト管理」の3つの機能があります。
TMSを導入することで、車両費や人件費を削減したい、積載効率を上げたい等の課題を解決することが可能です。
業務ごとに個々のシステムを導入し効率化を図る方法が一般的ですが、近年は複数の機能をオプションで追加できる、拡張性の高いシステムも登場しています。
WMS(倉庫管理システム)との違い
WMS(倉庫管理システム)は「Warehouse Management System」の頭文字をとった略称です。
WMSも物流システムのひとつですが、TMSとは対応領域や機能が異なります。
WMSは入荷から発送までの主に倉庫内業務が対応領域であり、TMSは発送から配送完了までの主にトラック等による配送業務の管理が対応領域です。
WMSの機能は大きく分けて「入荷管理」「在庫管理」「出荷管理」の3つがあり、入出庫だけでなく、在庫の補充や、棚卸、帳票発行、請求管理等の倉庫内作業の管理に対応しています。
WMSとTMSを併用することで、商品の入荷から配達まで一貫して管理・効率化を図ることが可能です。
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TMS(輸配送管理システム)の主な機能
TMSには様々な機能がありますが、ここでは先述通り「配車管理」「動態管理」「コスト管理」の3つの機能について紹介していきます。
配車管理
配送先が毎日違うケースでは「どの車両でどのエリアを回るのか」「どのルートを通るのか」等、配車や配送計画を考えないといけません。
配車計画を立てるには、使える車両数や積載量、ドライバー、配送先、交通状況、到着時刻等さまざまな条件を考慮する必要があります。
配車管理系の機能を搭載したシステムを使用すると、最適な配車や配送計画を自動で作成でき、配送を効率化し結果的に費用効率もあがるでしょう。
システムに、使用可能な車両や積載量、ドライバーを事前登録しておくと、配送依頼がくる度に、「納品先」「納品時間」「物量」等の必要事項を入力するだけで、必要な車両数や、配送順、配送ルート、予定の到着時間等の作成が可能です。
AIを利用したシステムを導入すると、時間指定や、地理的条件、積載量、稼働時間等いくつもの制約条件を加味した最適な配車・配送計画を数分で作成できます。
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動態管理
配車管理機能で配車計画を作成した後は、それが実際に遂行されているのか確認する必要があります。
例えば、予期せぬ配送トラブルが起きた際のフォロー、事故渋滞等に巻き込まれた場合のルートのサポートなどがあげられ、リアルタイムに車両の位置を把握できる動態管理機能が役立ちます。
動態管理機能は、ナビゲーションやスマートフォンなどの端末を通じて車両情報を得ることで、以下の様なリアルタイムの情報の把握・サポートが可能になるのです。
- 車両位置の確認
- 作業進捗の把握
- ドライバーの運転日報の自動化
- 走行履歴による安全管理やエコドライブの促進
ドライバーの動態管理は日々の業務の調整や作業の効率化につながります。
コスト管理
TMSでは、各トラックの走行量や、消費した燃料等の経費も管理できます。
配送費用は、地域間の運賃表をベースとし、運送距離や運送時間、休日割増、冬季割増等プラスでかかる費用を踏まえた計算が必要です。
これらの各種条件を加味して、配送費用を自動で算出してくれるのがコスト管理機能です。
自動で算出された配送費用から荷主への請求書発行等の経理的な処置ができる機能が備えれれているものであれば、一貫したコスト管理や管理スタッフの稼働時間の削減もできるでしょう。
TMS(輸配送管理システム)を導入する5つのメリット
TMSを導入するとどのようなメリットがあるでしょうか。
TMSを導入すると、業務の効率化や、コストの削減、品質向上等さまざまなメリットがあります。
そこで、ここでは5つの主なメリットについて紹介していきます。
①輸送計画の効率化
最適な配送計画を立てるためには、ドライバーの手配、配送ルートの選定、運送費用の管理等さまざまな条件の正確な把握が求められます。
TMSを活用すると、これらの条件を考慮し、客観的な情報やデータに基づいて配送にまつわる業務への指示をスムーズに行えるでしょう。
また、配送業務は、ベテランの担当者の経験や勘に頼りがちで、属人化しやすい傾向にあります。
このノウハウは、ベテランにしか分からず、ベテランもそれぞれ違うノウハウを持っているため、担当者に何かあった際、他のスタッフが代わって対応できません。
そこでTMSを活用することで、ベテラン担当者のノウハウが標準化されるのです。
システム化することにより、担当者が入れ替わっても精度の高い配送ができるようになる等、配送計画の効率化を図れます。
②輸送コストの削減
配送には、車両の燃費や、高速道路等の有料道路の料金、ドライバーの賃金等、さまざまな費用が発生します。
そこでTMSを活用すると、物流に発生する費用を数値化し、自動計算、または各部署でデータ共有できるため、そのデータをもとにコスト削減につなげることも可能です。
他にも、集計・管理したデータをもとに、人員やトラックの配車も最適化できます。
また、同じ作業を行う従業員の業務量や業務時間を均一にすることで、一人ひとりの残業時間を削減でき、人件費削減や人材定着率の向上も期待できるでしょう。
③輸送品質の向上
荷主企業の物流部門や運送会社の事務所には「荷物の到着日時」の問い合わせが頻繁に届きます。
従来は、ドライバーに状況を確認してからでないと、その問い合わせに回答できませんでした。
しかし、TMSを導入すると配送状況が可視化されるため、ドライバーに確認する手間を省けます。
さらに、配送状況がインターネット上で関係者全員に共有できれば、情報を知りたい人が問い合わせをすることなく自分で確認することが可能です。
そして、遅延の履歴や交通状況等の情報が蓄積され、アクシデント等イレギュラー時の対策を組むことも可能となるでしょう。
このように、TMSを導入すると、配送状況や過去の情報を蓄積することができ、輸送品質の向上が見込めます。
④情報の可視化
TMSではデータを管理し、表やグラフで情報を出力できます。
これにより、人の手による作業では気付かなかった点や、業務の分析ができ、在庫管理や問題点が可視化され、業務の効率化が図れるでしょう。
また、配送状況等の現場の状況をリアルタイムで確認できるため、業務の標準化も期待できます。
データや状況がリアルタイムで共有できると、業務や配送の状況等が可視化され、業務の効率化だけでなく、作業員の労働時間の短縮にもつながります。
⑤顧客満足度の向上
配送状況の確認や配車の手配等、人の手で行う作業はミスの可能性があります。
このような作業をシステム化することで人的ミスを軽減でき、サービス品質の向上につながるでしょう。
そして、配送状況が顧客側からも確認できるようになると「いつ届くのか」がわかるため、顧客にとっての利便性も向上するのです。
このようにTMSを活用すると、顧客満足度の向上が期待できます。
TMS(輸配送管理システム)を選ぶ際のポイント5つ
TMSの導入は、ドライバー不足や、配車業務の属人化、輸送品質やサービスの向上等の課題を解決するために効果的です。
しかし、TMSには多くのシステムがあるため、導入する際は、業務をどのように改善していきたいのか、ビジョンを明確にしておきましょう。
そこで、TMSを選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
業務に適した機能を備えているか
システムを選ぶ際は、まず自社の物流課題を把握し、解決の優先順位をつけましょう。
配送の無駄が多い場合は「配車・配送計画システム」、配送状況の問い合わせを減らしたり、スムーズに対応したりしたい場合は「車両動態管理システム」等、それぞれの課題に適した機能を持つ、適切なTMSの導入が大切です。
そして、配送業務のノウハウが多く搭載されているかどうかも選定ポイントです。
車両の空き状況や、届け先等を一元的に集約し、配送担当者と管理者が情報を共有しながら作業ができるようになります。
すべての課題を解決しようとすると、費用が高額になってしまうので、優先順位の高い物から導入していくことをおすすめします。
システムの操作性や使いやすさ
システムの操作性も、業務の効率化に不可欠です。
もし、操作が難しければ、使いこなせるようになるまでに時間がかかってしまいます。
そのため、管理する側だけでなく、作業をする側にとっても使いやすいシステムを選ぶことが重要です。
また、新しいシステムを導入する際は、従業員への研修を行うことも必要となるでしょう。
高額で優れた機能が搭載されているシステムを導入しても、従業員が使いこなせるようにならなければ、宝の持ち腐れです。
そのため、使いやすいシステムを選ぶことは重要です。
実際に導入してみないとわからないという方は、導入前に現場の人に製品のデモやトライアルをしてもらうと良いでしょう。
システムの精度や信頼性は高いか
システムの精度や信頼性を確かめるには、サービス提供業者の実績をみてみましょう。
実績を見ると、サービス提供業者の技術力や強みとしている分野がわかります。
実績は、システムの精度や信頼に比例します。
実際に導入している業者の評価等も参考にしてみてください。
配送管理システムだけでなく、物流全体をカバーするシステムを提供している業者や、システム構築だけでなく、業務改善のコンサルティングから行っている業者もあります。
カスタマーサポートには対応しているか
システムの導入にあたって、既存の業務プロセスにそのまま適用できなかったり、操作が難しかったりすると、現場から理解が得られず、反発が起こってしまいます。
システムの導入を諦めざるを得ない状況になってしまう可能性も考えられるでしょう。
システムを導入するためには、現場の業務プロセスにシステムが適合するのか、きちんと現場の人たちが使えるようになるのかを充分に考えてください。
そして、現場の人が使いこなせるようになるまでの過程で、不具合や不明なことが出てきた場合のために、サポート体制が整っているかも確認しておくことが重要です。
コストは適正か
物流管理システムは、導入する際の初期費用だけでなく、運用する際もコストが発生します。
これらの費用が効果に見合っていないと、売り上げや利益を圧迫してしまいます。
業務効率の向上や、業務の回転率、適切な人員配置、時間的金銭的コストの削減等、導入したときの効果に対し、初期費用やランニングコストが見合っているか、導入前に確認しておきましょう。
また、将来的に物流事業を拡大する可能性がある場合、システムの拡張やデバイスの追加ができるか、その際にどれくらいの費用がかかるのか等、長期的なコストを視野に入れて考えることをおすすめします。
導入コストやランニングコストと、機能や効果のバランスを確認し、導入を検討してください。
まとめ:TMSを導入し輸配送の管理を効率化しよう!
TMSは物流業務全体を管理し効率化できるシステムです。
物流業界は需要が拡大しているにもかかわらず、慢性的な人材不足や、労働者の高齢化等の課題が多く、業務の効率化が求められています。
導入することにより、コスト削減や、問題への対策、配送管理等が可能です。
配送計画や運転日報の作成、コスト計算までできるため、配送業務の効率化も期待できます。
自社で起こりやすいトラブルや、課題、それにどう対応すべきなのかを検討し、最適なシステムを選びましょう。
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