
物流業務を効率化できるフリート管理とは?主な機能やメリット、注意点等も解説!
「物流業務を効率化したい」「運行ルートを最適化したい」
このようなお悩みを解決するのにおすすめなのが「フリート管理」です。
物流業務におけるフリート管理とは、物流業者が保有する複数の車両を効率的に管理することを指します。
本記事では、フリート管理におけるメリットや注意点等を解説します。
ぜひ参考にしていただき、物流業務の効率化に活かしてください。
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目次[非表示]
- 1.フリート管理とは?
- 1.1.フリート管理の重要性
- 1.2.フリート契約との関連性
- 2.フリート管理で得られる3つのメリット
- 2.1.①運行ルートの最適化が図れる
- 2.2.②安全運転の強化につながる
- 2.3.③法令遵守を徹底できる
- 3.フリート管理に必要な管理システムの4つの機能
- 3.1.リアルタイムの位置情報取得システム
- 3.2.運転日報の自動化システム
- 3.3.車両の予約システム
- 3.4.アルコールチェックシステム
- 4.フリート管理導入の注意点2つ
- 4.1.①ドライバーの自由がなくなる
- 4.2.②ベンダーロックインしやすい
- 5.フリート管理システムの選び方
- 5.1.運転分析機能があるか
- 5.2.ルート作成機能があるか
- 5.3.車両に適したデバイスがあるか
- 6.まとめ:フリート管理を実施し、業務効率を上げよう
- 7.会社の車を車両管理したいなら「ロジスティクスサービス」を利用しよう!
フリート管理とは?
フリート管理とは、企業や組織が所有する車両群(フリート)を効率的に運用・管理することです。
一般的に、フリート管理は車両の調達、メンテナンス、燃料管理、運転者の監督、そして運用コストの最適化等を含みます。
フリート管理の主な目的は、車両の安全性、効率性、および生産性を確保することです。
車両の安全性に関しては、運転者のトレーニングや監視、定期的なメンテナンス、安全装置の装着等が行われます。
また、効率性と生産性に関しては、運転時間や運転ルートの最適化、燃費の向上、そして運転者の作業負荷の軽減等が重要な要素となるでしょう。
フリート管理には、車両の位置や走行データをリアルタイムで収集するGPSトラッキングシステムの導入や、データ分析による運用改善が取り入れられる場合もあります。
これにより、フリート管理者は車両の運用状況を把握し、改善策の実行が可能となるのです。
フリート管理の重要性
フリート管理は、多くの企業や組織にとって非常に重要な役割となります。
運送会社にとって、車両の維持費、燃料代、修理費用、保険料等は、コストの大きな部分を占めます。
フリート管理により、適切なメンテナンススケジュールやドライバーのトレーニング等を実施することで、これらのコストの削減が可能です。
また、フリート管理により、車両の位置や状態、運行状況を把握できます。
運行の効率化や不必要な運転時間の削減等を行うことで、企業の生産性向上が図れるでしょう。
くわえて、フリート管理により、車両の燃費や排出量も減らせます。
環境に優しい運転や、燃費の よい車両の導入等を行うことで、環境汚染の削減も可能となるのです。
フリート管理はさまざまな面で企業に恩恵をもたらしてくれる非常に重要な役割のひとつといえるでしょう。
フリート契約との関連性
フリート契約とは、企業が所有する複数の自動車の自動車保険を一括して契約する形態であり、保険対象となる自動車の台数が10台以上であることが条件です。
複数の自動車を一括して契約することで、保険料が割安になるというメリットがあります。
また、一括した保険手続きであるため、社用車が100台あったとしても、一回の手続きで済み、事務的な工数を削減できるというメリットもあるでしょう。
このフリート契約とフリート管理は密接に関連しています。
企業が保険会社とフリート契約を行う場合、必然的に会社名義の車が10台以上あることを意味しています。
つまり、一台一台を個々に管理するには物理的に限界がある台数の社用車を抱えている企業であるといえるでしょう。
そのような企業において、所有する複数の車両を効率的に運用するための管理体制であるフリート管理の導入は必要不可欠です。
また、フリート契約における割引・割増率は、複数車を一括で契約することもあり、一台ごとの等級で管理されておらず、車の台数や全体の損害率にて算出されます。
したがって、一回の事故で保険料が割増になってしまうケースもあるのです。
そのような損失を避けるためにも、フリート管理の導入は必要といえるでしょう。
フリート管理で得られる3つのメリット
フリート管理をすることで、安全運転の管理、営業効率化、社員満足度アップ等多くの場面で効果を発揮してくれるでしょう。
ここからは、フリート管理で得られる主な3つのメリットについて紹介します。
①運行ルートの最適化が図れる
フリート管理を通してドライバーの位置情報、到着時間を把握することにより、運行ルートの最適化が図れるでしょう。
運行ルートの最適化が可能になれば、業務効率がアップします。
お客さまからの「まだ来ない」「どこにいる?」「何時ごろ到着?」等の問い合わせにも、運行ルートの最適化により、即時対応が可能です。
また、管理システムを導入し、ドライバーの稼働状況がリアルタイムで把握できるようになれば、効率的な人員配置ができます。
車両や社員の稼働状況を把握し運行ルートを最適化することで、会社全体の生産性があがるでしょう。
②安全運転の強化につながる
フリート管理の実施によって、最適な運行ルートの作成が可能になります。
ドライバーの現在地、走行ルートをフリート管理のための管理システムを通してリアルタイムで取得することで、その瞬間の道路状況や天候等を反映した最適なルートを指示することが可能です。
混雑している道や時間帯等を避けることで、もらい事故や交通違反が原因とされている事故の発生率も下げられるでしょう。
また、危険運転や危険操作が、どのルートで起きたのか保存し、ドライバーそれぞれの運転適正チェックも可能です。
危険な運転を記録しておくことで、運転教育につながる事故を未然に防げます。
③法令遵守を徹底できる
社用車を使用するにあたって、定期点検や車が保安基準に達しているか等のチェックをしなければなりません。
車両管理者が社用車すべての車検管理をすると、台数も多いので抜け漏れが出る可能性があります。
そこでフリート管理のためのシステムを導入することにより、漏れなく管理できるので車両管理者の負担を減らせるのです。
走行距離や速度の記録も保存してくれるので法令違反に該当するドライバーには違反内容を直接伝えることができ、交通ルールの見直しが可能になります。
また、義務化※となっているアルコールチェックの運用管理も構築すれば、飲酒運転も防げるでしょう。
※警察庁は 「白ナンバー」の車両を使用する事業者に対する「アルコール検知器を使用した飲酒検査」の義務化を2023年12月1日から開始する方針を発表(2023年6月8日時点)
フリート管理に必要な管理システムの4つの機能
フリート管理を導入することにより、営業業務の効率化、社員の満足度アップ、安全運転推進等が期待できます。
そのフリート管理を行うにあたって必要な管理システムにはいくつかの種類があり、適切なものを選ばなければいけません。
ここからは、フリート管理に必要な管理システムの主な機能について解説します。
リアルタイムの位置情報取得システム
フリート管理を行う上で重要な情報として、社用車のリアルタイムな位置情報の取得が挙げられます。
社用車に専用のIoT機器を設置することで、マップ上でリアルタイムの位置情報が確認できるため、「誰が、どこで、どの社用車が、どの状態でいるか」を一目で確認できます。
リアルタイムに社用車の位置情報を取得することで、業務効率のアップや、目的地までの運行ルートの最適化、顧客満足度の向上が図れます。
運転日報の自動化システム
管理者は、道路交通法施行規則に基づき「1日の稼働状況を把握するために、必要な項目を記入して、業務を終えたドライバーに共有し記録させる」義務があります。
もしくは、ドライバーが1日の終わりに手書きで必要項目を記入します。
フリート管理の質を向上するには、この日報を正確に取りまとめる必要があるでしょう。
そこでより正確な日報を滞りなくドライバーに提出してもらうためにも、運転日報の自動化システムの利用が有効です。
その日の運行ルート等を記録し、自動で日報を生成してくれるシステムを利用することで、今まで業務終わりに日報を書いていた時間や、帰社した後にパソコンを使ってWordやExcelに打ちこんでいた時間の短縮にもつながるでしょう。
車両の予約システム
フリート管理を正確に行なう上で車両の予約状況、運行状況の表示が必要となります。
月表示、週表示、日表示で切り替えられるシステムを利用することで、状況に合わせて使用している車両と空いている車両がすぐに確認でき、スムーズに配車管理が行えるのです。
また、管理者機能を使うことで、予約可能な車両数を制限できるため、正確な配車管理を行えるでしょう。
アルコールチェックシステム
フリート管理によって、ドライバーの健康状態を管理することも重要です。
特に道路交通法改正により、安全運転管理者に「アルコール検知器を用いた運転前後の酒気帯び確認」や「アルコールチェックの記録(1年間保存)」への対応が求められています。
そこでアルコールチェックに伴う自動通知システムを使用することで、車両管理者の負担も大幅に軽減できます。
フリート管理導入の注意点2つ
フリート管理を導入することで、ドライバーの健康状態やリアルタイムの車両位置情報、車両の予約管理等、業務効率の向上が予想されます。
しかし、導入にあたって注意しなければいけないこともあるので、次の2つのポイントを確認しておきましょう。
①ドライバーの自由がなくなる
リアルタイムに位置情報が管理されることで、ドライバーの自由がなくなります。
そのため、リアルタイムな位置情報が会社に共有されているという状況が、ドライバーにとって精神的なストレスになる可能性があるでしょう。
業務を滞りなく進めていたとしても、休憩しにくくなってしまうかもしれません。
会社側のメリットも大切ですが社員の満足度も重要なので、リアルタイムな情報共有を行う際には、会社全体の生産性アップのためときちんと理由を伝えて導入することをおすすめします。
②ベンダーロックインしやすい
ベンダーロックインとは、システムを導入する際に特定のベンダー(製品・サービスの販売元)に依存しなければならない状態になることを指します。
フリート管理を行う場合には、基本的に車両機器の設置やシステムの導入が必要となります。
その際、一度車両機器の設置やシステムを導入してしまうと、ほかに費用が安くて機能も魅力的なものを見つけても、乗り換えが困難になってしまう可能性があります。
フリート管理を導入・検討されるのであれば、初期投資にベンダーロックインの可能性があることを考えて検討するようにしましょう。
フリート管理システムの選び方
フリート管理を導入するにあたって、自社に適した機能やデバイスを考えてシステムを選ぶ 必要があります。
具体的なシステムを考えるためには「何に気をつけたいか」を事前に想定する必要があります。
上記3点のパターンについて、フリート管理システムの選び方について紹介します。
運転分析機能があるか
運転指導を行っていきたい場合には、運転分析機能があるものを選ぶとよいでしょう。
ドライバーごとに運転技術や利用車両を分析し、データ化されるため、運転指導に活かせます。
ルート作成機能があるか
ルート作成機能があれば、位置情報、走行距離等が確認できるので「どのルートを使えばよいのか」最適なルートがすぐにわかります。
急なトラブルや問い合わせがあっても、マップを見て近くのドライバーを向かわせることができるのでスムーズな対応が可能になるでしょう。
車両に適したデバイスがあるか
フリート管理システムを導入する際には、管理システムに適したデバイスの設置も必要になってくるでしょう。
その際に、導入するデバイスをどのように車体に設置するかという点にも注意が必要です。
自社の車両に適していないデバイスを選んでしまうと、デバイス本来の機能を十分に発揮できません。
場合によっては設置ができないといったミスも起こりえるでしょう。
必ず自社の車両に適したデバイスを導入しましょう。
まとめ:フリート管理を実施し、業務効率を上げよう
フリート管理を実施することで、ドライバー情報の分析や現状把握ができ業務効率の向上が図れます。
フリート管理を実施するにあたって、場合によっては新たに導入しなければいけないシステムも出てくるかもしれませんが、フリート管理を活用することで、企業の収益につながり、長期的に見ても効果が期待できるでしょう。
安全管理も徹底し、フリート管理を実施することで顧客満足度、社員満足度を上げていくこともできます。
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