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繁忙期の助けとなる傭車(ようしゃ)とは? メリットを理解して運送業務を合理化しよう!


流動性が高まる昨今の運送業界では、急な業務の受注によって突然人手が足りなくなる状況が起こりえます。

忙しい時期は社員に特別手当を出して乗り切ることもできますが、会社の負担になることに加え、労働条件改善の気運が年々高まっていることもあり、労働者からの反発は避けられません。

こうした緊急時の対応力を高めるにあたって、「傭車(ようしゃ)」は大変効果的です。

そのメリットや利用上の注意点を理解すれば、自社の運送業務を効率化できるでしょう。

今回は、傭車とはどのようなサービスで、どのようなメリットがあるのか、そして、利用上の注意点や傭車をうまく活用する方法について解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.傭車とは?
  2. 2.傭車を活用する3つのメリット
    1. 2.1.①緊急時の対応力が向上する
    2. 2.2.②コストを抑えられる
    3. 2.3.③他社との連携が強化できる
  3. 3.傭車を利用する際の注意点3つ
    1. 3.1.①不十分な連携
    2. 3.2.②荷物紛失等のトラブル
    3. 3.3.③自社評価の低下につながる可能性
  4. 4.傭車を上手に利用する方法
    1. 4.1.入念な契約を結ぶ
    2. 4.2.簡易的な教育を行う・行ってもらう
    3. 4.3.マッチングサービスの評価を基準に選定する
    4. 4.4.車両管理システムを導入する
  5. 5.まとめ:繁忙期には傭車を賢く利用しよう!
  6. 6.車両管理をするなら「ロジスティクスサービス」にお問い合わせください!


傭車とは?

傭車とは?

傭車とは、運送業における業務委託(アウトソーシング)のことです。

また、下請け会社・協力会社の配送車両のことを傭車と呼ぶこともあります。

傭車は運送業界で使われる通称であり、正式には「利用運送」という事業形態を指します。

「傭兵」の「傭」と「車」を組み合わせたのが「傭車」であり、傭兵のように軽やかなフットワークと、場面によって使い分けられる便利さを意味する言葉です。


傭車を活用する3つのメリット

傭車を活用する3つのメリット

傭車を活用するメリットとしては、主に以下の3点があげられます。

  1. 緊急時の対応力が向上する
  2. コストを抑えられる
  3. 他社との連携が強化できる

詳しく解説していきます。


①緊急時の対応力が向上する

傭車を活用すれば、緊急時に稼動できるトラックの数を増やせます。

急な受注で自社のキャパシティをオーバーしてしまった場合、自社だけで対応に当たろうとすると、どうしてもドライバーに負荷がかかります。

しかし、事前に下請けの輸送会社や個人事業主のドライバーと傭車契約を結んでおけば、必要な時に必要な数だけトラックとドライバーを補うことが可能になるのです。

また、受注した配送を完遂できないと大きな信用問題となるため、仕事の受注は慎重にならざるをえませんが、傭車契約を結んで緊急時の対応力を底上げしておくことで、積極的に仕事の受注を進められるようになるでしょう。

これまで喪失していた機会を獲得し、会社全体の売り上げアップに貢献します。


②コストを抑えられる

自社で保有するドライバーやトラックには人件費やメンテナンス費用が発生しますが、必要な時だけ貸し出してもらえる傭車は維持管理費が最低限に抑えられます。

傭車契約の内容によっては貸し出しを行っていない期間にも固定費が発生するため完全に維持費ゼロとはいえませんが、それでも自社で保有する場合よりは格段に安くなることは確かです。

実際にどれくらい安く外注できるのか気になる方も多いと思いますが、傭車の金額や固定費用に関しては、募集する時期や契約形態によって大きく変わるため、正確な数字を記載することは難しいのが実情です。


③他社との連携が強化できる

傭車契約を結べば、契約先との関係を強化できます。

また、契約先からさまざまな情報を得られることも大きな利点です。

互いの距離が近くなれば、契約先の運送会社はどのくらいの金額で仕事を受けているのか、どの業界とつながりが深いのか、どんなシステムを使っているのか、DXがどのくらい進んでいるのか等の情報が自然と入ってくるようになります。

大きな変革を迎えつつある運送業だからこそ、こうした情報の価値が高まっているのです。


傭車を利用する際の注意点3つ

傭車を利用する際の注意点3つ


これまで見てきた通り、うまく使えば大きなメリットがある傭車ですが、傭車を利用する際には注意すべき点がいくつかあります。

本稿では、傭車利用の際の注意点を大きく3つにまとめました。


①不十分な連携

傭車ドライバーは元請け会社のルールに従って輸送業務をこなす必要があります。

しかし、元請け会社の研修を受けたわけではないため、ルールの違いによってトラブルが起きる可能性があります。

また、元請け会社で積極的にDXを推進していても、傭車のトラックに対応するシステムが搭載されていなければ、システムの恩恵を受けられません。

運送業務を委託する場合、こうした連携のトラブルは起こりがちです。

連携トラブルの対応に追われると、「傭車を利用する前より忙しくなった」という状況になりかねません。

連携トラブルを避けるためには、事前に起きうる問題を精査することと、問題が起きたときに適切に対応することが必要になります。


②荷物紛失等のトラブル

不十分な連携により発生する最も深刻な問題のひとつは荷物の紛失です。

元請け側と傭車側のコミュニケーションがうまく機能していないと荷物はあらぬ方向へ届けられ、事後の賠償や謝罪にリソースが奪われます。

このコミュニケーションとは、「人と人のコミュニケーション」もさることながら、「システムとシステムのコミュニケーション」を忘れてはなりません。

現代の大規模ロジスティクスは配送管理システムによって厳格に管理されています。

2つの会社で同じような機能を持つ2つのシステムが存在するならば、各システムが何を担うのかを事前に規定すべきです。

トラブルが起きた際の対応についても、傭車を利用する場合にはリスクが増えます。

すべての荷物を自社で管理していれば、どれかの荷物を紛失した際にその荷物の現在地を素早く割り出すことが可能です。

しかし、荷物を傭車に受け渡し、自社システムの追跡から外れると、そこから先の荷物の追跡が困難になるでしょう。

結果として、事後の対応が遅れる原因となります。


③自社評価の低下につながる可能性

傭車が原因で荷物を紛失したり遅延が生じたりしても、自社の看板を背負ってその配送業務を受注した以上、荷物が届けられなかった責任は元請け会社にあります。

つまり、傭車の利用は自社の信用を低下させる原因になりえるということです。

ネット・SNS等の影響で情報の拡散速度はこれから益々高まっていきますが、これに伴い、会社評価への影響力も高まります。

優れたサービスを提供すればすぐに評価は高まりますが、悪い評価も一瞬にして拡散されてしまうでしょう。

傭車を利用する際にはこうしたリスクを十分に理解しておかなければなりません。


傭車を上手に利用する方法

傭車を上手に利用する方法

傭車利用のリスク・注意点を説明しましたが、こうしたリスクの大部分は工夫と外部サービスの活用で回避できます。

以下では、その方法について順を追って解説していきます。


入念な契約を結ぶ

将来にわたって何を行うのか、また、それが履行されなかった場合にどのようなペナルティを科すのかを定めたものが契約です。

傭車契約においては、上手に活用することで互いの業務範囲を明確にし、トラブルが起きた場合にも適切な対応が可能となります。

荷物の紛失等の場合には当然元請け会社が大きな責任を負うわけですが、契約書で紛失による過失割合を事前に取り決めておけば、下請け会社にも責任を分散でき、下請け会社としてもいい加減な仕事はできません。

ただし、傭車契約書は元請けと下請け両者の合意に基づいて作成されるものです。

自社の都合ばかりを押し付ける契約であれば相手はそれを結ぼうとはしませんし、仮に締結しても長続きしないでしょう。

互いの利益を最大化し、互いに相手にとって重要な存在となるために、契約書の作成は慎重に、両者の議論を尽くすべきです。

以上は理想論ですが、初めからガチガチの契約を結ぼうとすれば互いに尻込みしてしまうことが考えられます。

そうした場合には「段階を経る」という選択肢もあるでしょう。

簡易な契約・責任の少ない荷物の業務委託から始め、次第に責任と契約書の規定を増やしていく方法です。

自分たちで定めない限り、契約書の有効期限等は特にありませんし、いつでも更新できます。

いずれにしても、互いが安心して合意できる契約書を目指しましょう。


簡易的な教育を行う・行ってもらう

傭車利用で発生するトラブルの根本的原因は、必要な知識が共有されず、連携が取れないことにあります。

であれば、必要な知識を共有することで、自社社員と同様に傭車を活用できるはずです。

傭車を始めるにあたっては、互いの連携に必要な知識を共有し、知識が足りていないならば研修を受けてもらえるように相談しましょう。

もちろん、研修を受ける側は時間と人材の出費になりますので、それに見合う報酬が提示される必要があります。


マッチングサービスの評価を基準に選定する

研修を受けてもらうといっても、元請けと傭車で配送のルールがあまりに違う場合には、長時間の研修が必要となり、互いの利益が減ってしまいます。

その場合、マッチングが有効です。

両社で用いるルールやシステムが似通っていれば、研修に多くの時間を費やす必要がなくなります。

配送会社同士のルールが似通っているかどうかは仕事をしてみなければわかりません。

一方で、傭車探しに多大な時間を費やすことも、相手のルールがわからない状態でひとまず契約を結んでみるということも大きなリスクを伴います。

そこで便利なのが、傭車のマッチングサービスです。

中には、マッチングサービスに登録した配送業者が互いに評価し合い、信頼度が可視化されているものもあります。

対応エリアや保険の加入状況、傭車利用可能な時期等の条件から自社に最適な傭車を選択することも可能でしょう。


車両管理システムを導入する

傭車と元請けの間の連携トラブルをシステムの力で解決する、という選択肢もあります。

ゼンリングループの「ロジスティクスサービス」は手軽に導入でき、ルートのナビゲーションや動態管理等の機能をすべての配送車両に搭載することが可能です。

互いの配送車両を単一のシステムで管理すれば、配送ルールの違いによるトラブルに煩わされることはありません。

誤って紛失した荷物の行方もすぐに追跡できます。

「ロジスティクスサービス」の資料を見てみる


まとめ:繁忙期には傭車を賢く利用しよう!

傭車は自社が持つ配送能力を補え、繁忙期における社員の負担を軽減しつつ、コストカットを実現できます。

しかし、そのためには自社と異なるルールで業務を行っている傭車との上手な付き合い方を確立しなければなりません。

慎重に傭車契約を結ぶこと、最低限の教育を実施することはもちろんですが、近年の発展が著しいシステム・ソフトウェアサービスを活用することも、ぜひ視野に入れていただきたいと思います。




車両管理をするなら「ロジスティクスサービス」にお問い合わせください!

本稿で紹介したゼンリングループの「ロジスティクスサービス」はアカウント権限の管理やナビや動態管理機能のアプリをダウンロードしていただくことで、傭車との連携も実現可能です。

また、配送先との位置関係から最適な配送ルートをリアルタイムに割り出す機能や、業務進捗報告、各種事務作業を軽減する機能、ベテランのノウハウを蓄積して配車計画を立案する機能などがあり、運輸業におけるさまざまな用途にご活用いただけます。

業務効率の向上や社員の負担軽減を目指す際には、ゼンリングループの「ロジスティクスサービス」の活用をぜひご検討ください。


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ゼンリンデータコム編集部
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