
大型車両の通行禁止規制を調べる3つの方法|効率的に確認するコツを紹介
大型貨物自動車等通行止めの標識がある道路は、大型車両の通行が規制されています。
そのため、運送業などでトラックを運転する業種では、違反しないために大型車両通行禁止の規制情報を調べなければいけません。
しかし、大型車両を扱っているドライバーでも、大型車両通行禁止の規制情報を効率よく調べる方法を知らない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、大型車両通行禁止の規制状況を調べる方法や規制について、大型貨物自動車等通行止めの標識と合わせて解説します。
活用できるシステムも紹介していますので、ぜひ最後まで読んで、大型車両通行禁止の規制情報を効率よく情報を取得しましょう。
★大型車規制を考慮したルート探索をご検討なら「ZENRIN Maps API」 |
目次[非表示]
大型車両通行禁止規制情報を調べる3つの方法
運送業では「どの道路で大型車両の通行が規制されているのか」規制情報を事前に調べる必要があります。
規制情報を知らずに業務を開始し、大型車両が通れない規制道路に引っかかってしまうと、業務効率の悪化につながってしまいます。
そのため、事前に大型車両通行禁止の規制情報を調べて、業務にあたることが必要です。
大型車両通行禁止の規制情報を調べる方法は、主に以下の3つです。
各地区の整備局が提供するHPを調べる
各地区の整備局が提供するHPを調べると、道路の規制情報を確認できます。
大型車両通行禁止だけでなく、通行止めや車両規制、チェーン必要の可否などを随時更新しているため、運送業務以外でも安全走行のために活用できるでしょう。
災害や事故の発生状況に応じてリアルタイムで規制情報が更新されるため、事前に調べておくと業務への影響を最小限に抑えられます。
ほかにも、天候による路面状況に応じた規制情報が更新されるので、急な雨や雪の場合にもおすすめです。
大型車両を運転する際には、事前に交通ルートの規制情報を確認しておきましょう。
地方整備局(国土交通省)はこちら
大型車用のナビを活用する
大型車両のナビを活用することでも、大型車両通行禁止の規制情報を確認できます。
出発地点と目的地点を登録すると、大型車両通行禁止規制道路を避けた目的地までのルートを導き出してくれるため、ナビをする助手がいなくても安心です。
自動音声によるナビゲーションを活用することで、ドライバーが地図を確認することで起こる脇見運転の事故を軽減できます。
また、ナビによってはガス管や電柱、マンホールなど、走行ルートにある巡回点検に必要なデータが表示できるものもあります。
そのため、運送業だけでなく、安全パトロールや道路調査、ゴミ収集や宅配業務などあらゆる業務で活用できるでしょう。
APIなどを用いた業務アプリで規制情報や考慮ルートを取得する
大型車両通行禁止の規制情報を確認する方法として、APIなどを用いた業務アプリで規制情報や考慮ルートを取得する方法もあります。
APIを用いれば、他のアプリケーションやソフトウェアなどのWebサービスと連携して最新情報の取得が可能です。
大型車両通行禁止の規制情報だけでなく、最適なルートを選定する際にも有効活用できるため、業務効率を向上させられるでしょう。
そのため、大型車両を扱う業務では、APIを活用し、規制情報と考慮ルートを選定してくれるシステムを開発しておくこともおすすめです。
大型車両(トラック)に関係する規制内容の種類を確認
大型車両を運転する場合は、規制内容に従わなければいけません。
規制内容は1種類ではなく、さまざまな種類があり、中には混合しやすいものもあります。
運送業など大型車両を扱う方は、下記で紹介する車両(トラック)に関係する規制内容の種類を把握しておいてください。
規制内容の種類 |
標識の規制内容 |
規制対象の車両 |
---|---|---|
大型貨物自動車等通行止め(補助標識のないもの) |
規制対象の車両の通行ができない |
|
積載量◯t以上の大型貨物自動車等通行止め(補助標識があるもの) |
規制対象の車両の通行ができない |
|
危険物積載車両通行止め |
規制対象の車両の通行ができない |
|
重量制限 |
規制対象の車両の通行ができない |
車両総重量が標識の重量以上の車両 |
最大幅 |
規制対象の車両の通行ができない |
車両の幅(積載荷物が車幅より長い場合は荷物の幅)が標識の示す幅より大きい車両 |
高さ制限 |
規制対象の車両の通行ができない |
車両の高さ(積載荷物が車幅より長い場合は荷物の幅)が標識の示す幅より大きい車両 |
特定の種類の車両の通行区分 |
規制対象の車両は指定された車両通行帯を通行しなければならない |
|
トラックでも標識によっては、規制対象とならない車両もあります。規制対象の車両と標識の規制内容を把握して、適切に大型車両を運転しましょう。
大型車両通行禁止の規制にかかるトラックを再確認
大型車両通行禁止の規制対象のトラックを再確認しておきましょう。
規制対象となるトラックは、以下の3種類です。
トラックでも上記の車両に該当しない場合は、大型車両通行禁止の規制対象ではありません。
トラックを運転する前に、運転する車両の種類を確認しておきましょう。
★車種別の規制考慮ルートをAPIで取得! |
規制にかかるトラック1|大型貨物自動車
大型貨物自動車とは、トラックの中でも大容量の荷物を運べる大型トラックのことです。
トラックには大型・中型・小型貨物自動車の3種類があり、それぞれがサイズ・重さ・積載量によって区別されています。
大型車両通行禁止の規制対象となる車両を見分けるために、大型貨物自動車と中型貨物自動車の違いを確認しておいてください。
大型・中型・小型貨物自動車の各定義は以下の通りです。
車両の定義 |
大型 |
中型 |
小型 |
サイズ(全長/全幅/全高) |
12m / 2.5m / 3.8m以下 |
12m / 2.5m / 3.8m以下 |
4.7m / 1.7m / 2m以下 |
車両総重量 |
11t以上 |
5t以上11t未満 |
5t未満 |
最大積載量 |
6.5t以上 |
6.5t以内 |
3t以内 |
規制にかかるトラック2|特定中型貨物自動車
大型車両通行禁止の規制対象のトラックとして、特定中型貨物自動車も当てはまります。
特定中型貨物自動車とは、大型貨物自動車に近い中型貨物自動車のことです。
特定中型貨物自動車は、あくまで種類としては中型貨物自動車に分類されますが、大型車両通行禁止の規制対象となります。
中型貨物自動車と比較して特定中型貨物自動車がどれほど大きいのか、サイズと総重量・最大積載量など定義を確認しておきましょう。
特定中型貨物自動車と中型貨物自動車の違いは、以下の通りです。
車両の定義 |
特定中型貨物自動車 |
中型貨物自動車 |
サイズ(全長/全幅/全高) |
12m / 2.5m / 3.8m以下 |
12m / 2.5m / 3.8m以下 |
車両総重量 |
8t以上11t未満 |
5t以上11t未満 |
最大積載量 |
5t以上6.5t未満 |
3t以上.5t以内 |
規制にかかるトラック3|大型特殊自動車
大型車両通行禁止の規制対象のトラックとして、大型特殊自動車も当てはまります。
大型特殊自動車とは、建設現場などで活躍していることが多い「ブルドーザー」や「ショベルカー」などのことです。
規制内容は上記で解説したとおりとなるため、道路を走行する際は事前に規制対象車ではないか確認しておきましょう。
大型貨物自動車等通行止めの標識で気を付けたい3つのポイント
大型貨物自動車等通行止めの標識を見かけた際には、運転しているトラックが規制対象車両かどうかを瞬時に判断しなければいけません。
誤って標識の規制内容を判断しないように、大型貨物自動車等通行止めの標識で気を付けたい3つのポイントを確認しておきましょう。
注意すべきポイントは、以下の3点です。
それぞれ解説します。
バスは対象外
大型貨物自動車等通行止めは、大型貨物自動車を対象とした規制のため、大型乗用車は規制対象外です。
そのため、大型貨物自動車と聞いて大型車であれば規制対象と勘違いしている方もいるかもしれませんが、バスは対象外となります。
バスは荷物や資材を運搬する車両ではなく、あくまで人を乗せて走行する大型乗用車です。
バスは大型乗用車であること、大型貨物自動車等通行止めは大型乗用車に適応されないことを理解しておきましょう。
「大型乗用自動車等通行止め」との間違いに注意
大型貨物自動車等通行止めの標識と混合されやすい「大型乗用自動車等通行止め」との間違いにも注意してください。
大型貨物自動車等通行止めと大型乗用自動車等通行止めの標識は、どちらも赤丸に斜め線を引いたイラストの標識のため間違えやすいです。
2種類の標識を見分けるには、イラストの違いを見極めなければいけません。
大型貨物自動車等通行止めの標識にはトラックが、大型乗用自動車等通行止めの標識にはバスが描かれています。
バスのイラストが描かれた大型乗用自動車等通行止めの標識なら、トラックは問題なく走行できるため、標識を見間違えないよう注意しましょう。
補助標識がなければ最大積載量4tのトラックは通行可能
大型貨物自動車等通行止めの標識に補助標識がない場合は、最大積載量4tのトラックは通行できます。
規制対象となる車両は車両総重量が8t以上、もしくは最大積載量5t以上のトラックだけです。
最大積載量4tのトラックは、車両総重量が規制定義を超えないため大型貨物自動車等通行止めの標識がある道路でも通行できます。
しかし、補助標識がある場合は最大積載量4tのトラックも規制対象となる可能性があるため、標識の見落としに注意してください。
上記補助標識の場合は、「積3t」とあるので、最大積載量4tのトラックは通行できません。
大型貨物自動車等通行止めの標識のある道路を通る方法
大型貨物自動車等通行止めの標識がある道路は、適切な方法で許可を取れば規制対象のトラックでも通れます。
ここからは、大型貨物自動車等通行止めの標識がある道路を通る方法と、無許可で通ったときの罰則について紹介します。
道路を管轄する警察署への届け出と通行許可証の携帯が必要
通行規制がある区域に配送先がある場合など、やむを得ない場合は大型貨物自動車等通行止めの標識がある道路を、大型トラックでも通ることが可能です。
通行止め標識がある道路を通らなければいけないときには、事前に道路を管轄する警察署への届け出を行いましょう。
通行禁止道路通行許可申請を管轄の警察所に届け出ると、通行禁止道路通行許可証と通行禁止道路通行許可車の許可証が交付されます。
ただし、届け出を行った車両以外は通行止め道路を通ることはできないため、必ず届け出を行ったトラックで指定道路を通るようにしてください。
また、通行止め道路を通る際には警察署から交付された許可証が必要です。
運転時には許可証を携帯して通りましょう。
届け出や通行許可証がなく通行すると違反となり罰則がある
管轄の警察署に届け出をせずに、大型貨物自動車等通行止め道路を大型トラックで通行すると、違反となり罰則を受けます。
届け出を行っても通行許可証を携帯していない場合は、同様に違反行為とみなされ罰則を課せられるため注意してください。
届け出をせずに無許可で通行した場合は通行禁止違反となり、違反点数2点と反則金9,000円の罰則が課せられます。
通行許可証を携帯せずに通行した場合は通行許可条件違反となり、違反点数1点と反則金6,000円の罰則です。
無許可や許可証無携帯で通行止め道路を通行した場合は、違反点数の加算と反則金を徴収されてしまいます。
罰則を受けないために、大型貨物自動車等通行止めの標識がある道路を大型トラックで通行する際には届け出を行い、許可証を携帯してから通行しましょう。
まとめ:大型車両通行禁止の道路を事前に知って滞りなく業務にあたろう
大型車両通行禁止の道路を事前に調査できれば、スムーズに業務を行えます。
各地の整備局HPや大型車両専用のナビ、APIを活用して自社システムに情報を組み込むなど、大型車両を運転する前に道路の規制情報を確認しておきましょう。
規制情報を知らずに走行していると、通行止めで引き返す羽目になり、業務効率が低下してしまいます。
また、知らずに通行止め標識がある道路を通行すると、罰則を課せられてしまうため注意してください。
大型車両通行禁止道路の規制情報を事前に確認して、滞り無く業務にあたりましょう。
大型車両通行禁止規制を考慮したルート探索なら「ZENRIN Maps API」がおすすめ
大型車両通行禁止を考慮したルートを効率よく取得するには、ゼンリングループの地図APIサービス「ZENRIN Maps API」の活用をご検討ください。
「ZENRIN Maps API」は道路、屋内通路等のネットワークデータと車種別の規制情報などのデータを基に、最適なルート探索を提供します。
時間帯規制や季節規制など、様々な条件でルートを表示できるので、大型車両通行禁止規制に関する情報をスムーズに取得できます。
配送時に便利な経由地や終了地点で左横付けしたルートの作成、危険物積載車両の規制考慮等も指定可能です。
大型車を扱う企業様は、ぜひゼンリングループの「ZENRIN Maps API」をご検討ください。
\まずはお気軽に!資料ダウンロード/