
共同配送の導入で物流コスト削減!メリット・注意点と成功事例を紹介
物流業界では、ドライバー不足や燃料費の高騰、環境への配慮といった多くの課題が深刻化しています。こうした状況の中で注目されているのが「共同配送」という手法です。
複数企業が協力し合い、配送を一本化することで、コストの削減や効率化を図るこの取り組みは、持続可能な物流の実現にも寄与します。
今回は、共同配送の仕組みや導入メリット、注意点、そして実際の成功事例を詳しく紹介します。
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目次[非表示]
- 1.共同配送とは?
- 1.1.共同配送の基本的な仕組み
- 1.2.共同配送が注目される背景
- 2.共同配送に活用される輸送手段
- 2.1.配送センター集約方式
- 2.2.ミルクラン方式
- 3.共同配送のメリット
- 3.1.配送コストが削減される
- 3.2.環境への影響が軽減される
- 3.3.ドライバー不足対策になる
- 3.4.配送効率が向上する
- 4.共同配送の注意点
- 4.1.配送状況の把握や管理が難しい
- 4.2.柔軟な対応が難しい
- 4.3.共通のシステムが必要になる
- 4.4.料金設定が難しい
- 5.共同配送に向いている商材
- 6.共同配送に向かない商材
- 7.共同配送の導入事例
- 7.1.実車率の向上を目的とした取り組み
- 7.2.荷待ち・積卸時間の削減に向けた取り組み
- 7.3.積載率の向上に貢献する取り組み
- 7.4.幹線輸送の共同化を図る取り組み
- 7.5.KPI共有やIT活用による連携強化の取り組み
- 8.まとめ:共同配送の活用で物流業界の課題を解決しよう
- 9.ZENRIN ロジスティクスサービスを活用して共同配送を実現しよう
共同配送とは?
物流の効率化やコスト削減が強く求められている現代において、複数の企業が協力して配送を行う「共同配送」という仕組みが注目されています。
従来は企業ごとに個別で行っていた配送を一本化することで、業務の無駄を省き、さまざまな課題の解決にも寄与すると期待されています。ここでは、まず共同配送の基本的な仕組みについて解説します。
共同配送の基本的な仕組み
共同配送とは、複数の企業が協力して、複数の荷物を一台の車両にまとめて配送する仕組みです。従来のように各企業が個別に便を手配するのではなく、共通の配送枠を設けて一括して運ぶことで、物流全体の効率が向上します。
配送先やスケジュールは事前に調整され、計画に基づいて運行されるのが一般的です。
この仕組みにより、車両の空きスペースを有効に活用しやすくなり、輸送効率の改善が期待できます。また、同じ目的地に向かう荷物を集約することで、配送作業の重複を減らすことが可能です。
さらに、無駄な走行を抑えることで、企業間の連携も促進されます。
業種や規模を問わず導入しやすい点も特長であり、現代の多様な物流課題に対応する柔軟な選択肢として注目されています。
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共同配送が注目される背景
共同配送への関心が高まっている背景には、物流業界が直面するさまざまな課題があります。
2024年に導入されたドライバーの時間外労働規制により、年間の上限が960時間と定められ、従来の長時間労働に依存した体制では輸送力の確保が困難となりました。
さらに、少子高齢化による労働力の減少が深刻化し、人手不足が常態化しています。加えて、燃料費や人件費の上昇、環境への配慮といった外的要因も企業の物流コストを押し上げています。
こうした状況を受け、複数の企業が連携して配送業務を担う共同配送が、効率性と持続可能性を両立する手段として再び注目されています。
共同配送に活用される輸送手段
共同配送の効果を最大限に高めるには、荷物をまとめるだけでなく、適切な輸送手段の選定が重要です。
配送ルートや荷主の要望に応じて最適な方式を採用することで、積載率を向上させるとともに、輸送コストの削減も期待できます。
ここでは、共同配送で広く用いられている「配送センター集約方式」と「ミルクラン方式」について、それぞれの特徴や仕組みを詳しく解説します。
配送センター集約方式
配送センター集約方式は、共同配送の効率を高める代表的な手法のひとつです。この方式では、複数の荷主から出荷される荷物を一度配送センターに集めた上で、共通の配送先に向けてまとめて出荷します。
配送センターには、在庫を保管するDC(ディストリビューションセンター)と、荷物を一時的に集約して仕分けや積み替えを行うTC(トランスファーセンター)の2種類があり、目的に応じて使い分けることが可能です。
配送センターを経由することで、同じ行き先の荷物を効率的にまとめて積載できるため、積載率が向上し、輸送回数も削減されます。
その結果、輸送コストの低減だけでなく、ドライバーの労働時間の短縮や二酸化炭素排出量の削減といった、さまざまな効果が期待されます。
共同配送の効果を最大限に高める手法として、配送センター集約方式は非常に有効な選択肢といえるでしょう。
ミルクラン方式
ミルクラン方式は、共同配送の一形態として、効率的な物流の実現に向けて注目されています。
この方式では、1台の車両が複数の荷主を順に巡回し、それぞれの荷物を集荷してから最終的な配送先へまとめて届ける仕組みです。
あらかじめ設定されたルートに沿って運行するため、集荷作業に無駄が生じにくい点が特長です。もともとは酪農家を巡回して牛乳を回収する仕組みに着想を得たとされ、自動車業界や家電業界をはじめ、現在ではさまざまな業種で導入が進んでいます。
ミルクラン方式を導入することで、サプライヤーは輸送コストの削減が可能となり、購入側も調達コストの見える化や検品・在庫管理の効率化といったメリットを享受できます。
さらに、配送回数の削減によって環境負荷の軽減にも貢献するため、持続可能な物流手法として高い評価されています。
共同配送のメリット
共同配送は、物流業界が抱える課題に対する有効な対策として注目されています。ここでは、共同配送の代表的な4つのメリットを解説します。
配送コストが削減される
共同配送を導入する最大の利点のひとつは、配送コストを抑えられる点です。これまで企業毎に個別のトラックを手配し、それぞれ異なるルートで商品を届けていました。
しかし、共同配送では目的地が同じ、または近隣にある荷物を一台の車両に集約して運べるため、トラックの台数を減らせます。その結果、燃料費や人件費、車両の維持にかかる費用といった、固定費と変動費の両方を削減することが可能です。
とくに配送件数の多い企業にとっては、削減効果が大きく、物流コスト全体に占める割合を引き下げられるという点が大きな魅力です。
さらに、積載率の向上によって空車を減らせるため、限られた資源を有効に活用できる仕組みとして、多くの企業に支持されています。
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環境への影響が軽減される
共同配送を導入することで、環境への負荷を抑える効果が期待できます。複数の企業が1台のトラックで配送を行えば、車両の稼働台数を減らすことができ、その結果として、二酸化炭素(CO2)や排気ガスの排出総量も抑制されます。
これは単なるコスト削減にとどまらず、地球温暖化の防止や大気汚染の緩和といった社会課題の解決にも貢献します。
とくに、配送効率が向上することで、無駄なアイドリングや空車走行を減らせる点は、環境面での大きな利点です。企業にとっても、環境に配慮した持続可能な経営方針を掲げる手段となり、消費者や取引先からの信頼にもつながります。
今後はSDGsへの取り組みの一環として、物流の最適化による環境負荷の軽減が一層重視されると考えられます。
ドライバー不足対策になる
物流業界では、ドライバー不足が長期化しており、2024年問題の影響でその深刻さはさらに増しています。こうした状況の中、共同配送は有効な対策として注目されています。
複数の企業が連携し配送業務を一本化することで、必要なトラックの台数が減り、それに伴いドライバーの人数も抑えることができます。
さらに、配送ルートの集約により、1人のドライバーが複数企業の荷物を効率的に運搬できるようになります。
この効率化は、労働時間の短縮や業務負担の軽減につながり、現場の働きやすさを改善します。その結果、新たな人材の確保や離職防止にも良い影響をもたらすと考えられます。
ドライバー不足に直面する企業にとって、共同配送の導入は、持続可能な運送体制を築くための有効な選択肢といえるでしょう。
配送効率が向上する
共同配送の導入は、物流全体の効率化を大きく促進する手段として注目されています。これまで企業ごとに車両を手配し、個別に配送を行っていたのに対し、共同配送では複数の企業が荷物をひとつのルートにまとめて運ぶため、空車を減らし積載率を最大限に高めることができます。
あらかじめ配送先やルートが調整されているため、無駄な走行や時間の損失も抑えられます。
荷受け側にとっても、複数の納品を一括で受け取れる点は大きな利点です。これにより業務負担が軽減され、現場のオペレーションも円滑に進行します。
結果として、物流業務の省力化や時間短縮が実現し、リソースの有効活用が可能となります。こうした取り組みによって、企業は持続的な成長を支える効率的な物流体制を構築できるようになります。
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共同配送の注意点
共同配送には多くのメリットがありますが、導入や運用の段階で注意すべき点もいくつか存在します。ここでは、主な注意点を4つ解説します。
配送状況の把握や管理が難しい
共同配送では複数の企業が同一車両で荷物を運ぶため、自社のみで配送状況を把握するのが従来より困難になります。
とくに、各企業が異なる管理システムを使用している場合、リアルタイムでの追跡や進捗確認が難しくなる傾向があります。
さらに、荷物の混載により誤配や紛失のリスクが高まる可能性があります。これに対応するには、共通の配送管理システムを新たに導入することが求められますが、その実現にはコストの負担や連携調整といった課題が生じます。
加えて、他社と情報を共有する必要があるため、機密保持への配慮も不可欠です。
その結果、配送業務の可視性や管理の精度が低下する恐れがあり、共同配送における重要な懸念点となります。
柔軟な対応が難しい
共同配送では複数の企業の荷物をまとめて運ぶため、急な変更に対応しづらいという課題があります。
たとえば、配送先の追加や納品時間の変更といった要望が出た場合でも、他の荷主企業のスケジュールとの調整が必要となるため、即座に反映するのは困難です。
配送ルートや時間は事前に細かく調整されており、途中での見直しが難しい仕組みになっています。
さらに、個別の要望に応じた特別な対応も実施しにくく、納品先ごとに柔軟なサービスを提供することが制限される場面も見られます。
こうした制約は、柔軟な対応が求められる業種にとって、導入のハードルになる可能性があります。共同配送の効率性と利便性の両面を考慮した上で、慎重な判断が必要です。
共通のシステムが必要になる
共同配送では複数の企業が荷物を共有して運ぶため、配送状況を把握・管理するには共通のシステムが不可欠です。
各社が個別に管理している場合、荷物の追跡や情報の共有が難しくなり、誤配や業務の遅れを招く可能性があります。そのため、リアルタイムで情報を一元管理できる仕組みの導入が求められます。
ただし、新たに共通システムを構築するには、開発コストや連携体制の調整に加え、情報の機密性を守る取り決めも必要です。
とくに中小企業にとっては、こうした対応が大きな負担となり、導入に慎重になりがちです。スムーズな運用を実現するには、信頼関係を築くとともに、効率的な情報基盤の整備が欠かせないポイントとなるでしょう。
料金設定が難しい
共同配送では、複数の企業がひとつの配送便を共有するため、料金の取り決めが複雑になる傾向があります。
従来は各社が自社の契約に基づいて個別に配送料を決定していましたが、共同配送では全体の配送コストをどのように分担するかを協議する必要があります。
配送量や距離、荷物の重量といった要素を総合的に考慮し、各社が納得できる料金体系を構築しなければなりません。
しかし、意見が一致しない場合には、調整に時間を要することも少なくありません。さらに、請求や支払いのタイミング、取引条件も統一が求められるため、従来の業務フローの見直しが避けられない点も課題です。
料金の透明性を確保し、関係各社の合意を形成するまでには手間がかかるため、共同配送を導入する際の大きなハードルとなる可能性があります。
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共同配送に向いている商材
共同配送のメリットを活かすには、取り扱う商材の特性を正しく把握することが重要です。とくに、小型で形状が安定しており、一定のサイクルで需要が見込まれるものは、共同配送との相性が良いとされています。
そのような商材は、配送効率の向上につながりやすいため、現場での導入もスムーズに進みやすいでしょう。ここでは、共同配送に適している代表的な商材を紹介します。
食料品
食料品は、共同配送にとくに適した商材のひとつです。特に生鮮食品は、鮮度を維持するため、適切な数量をこまめに届ける必要があり、定期的な配送が欠かせません。
さらに、缶詰や乾物、調味料といった加工食品も小ロットでの出荷が多く、単独での配送では積載効率が下がる傾向があります。
こうした課題に対して共同配送を導入することで、トラックの空きスペースを有効に活用し、輸送コストを抑えることが可能となります。
スーパーマーケットやコンビニ、給食施設といった配送頻度の高い施設に向けて、複数のメーカーが協力して配送を行えば、荷受け側の業務負担も軽減されます。結果として、物流全体の効率向上につながります。
さらに、コスト削減によって生まれたゆとりを商品価格に反映させることがで、価格競争力の強化にもつながります。
医薬品・医療機器
医薬品や医療機器は、形状が比較的統一されており軽量なものが多いため、共同配送に適した商材といえます。
とくに医薬品は、ドラッグストアや病院、調剤薬局といった複数の施設へ定期的に納品されるため、配送ルートの最適化が図りやすい点も特長です。
さらに、複数メーカーの製品を一括して配送することで積載効率が高まり、配送コストの削減にもつながります。
また、医療機器においても定期的な配送が必要なケースが多く、共同配送を導入することで安定供給を維持しつつ、効率的な物流体制を構築することが可能です。
施設側の荷受け作業の負担軽減や、在庫管理の簡素化といった利点も見込めるため、導入のメリットは大きいでしょう。
今後は病院や介護施設を対象に、共同配送の導入が一層進むと期待されており、医療業界における物流の効率化に貢献することが見込まれています。
日用品・生活雑貨
日用品や生活雑貨は、共同配送に非常に適した商材です。スーパーやホームセンター、コンビニでは、複数メーカーの商品を少量ずつ取り扱うことが一般的であり、個別配送では効率が悪くなりがちです。
これらの商品をまとめて配送することで、配送回数を抑えられる上、荷受け作業の負担も軽減可能です。輸送効率の向上も期待できる点も見逃せません。
さらに、日用品は形状が一定で積みやすく、在庫の補充頻度も高いため、定期配送に適しています。これにより、物流体制の最適化が図れます。
オフィス向けにまとめて納品する場合には、受け取りや仕分けの手間も省けるという利点があります。コストの削減だけではなく、顧客満足度の向上にもつながる日用品の共同配送は、企業の業務効率化を後押しする有効な手段といえるでしょう。
衣料品
衣料品は、共同配送の効果を発揮しやすい代表的な商材です。アパレル商品は比較的軽く、形も一定しているため、積載効率が高くなります。
さらに、ショッピングモールやアウトレット店舗では、複数のブランドやメーカーの商品が一括して納品されることが多く、個別に配送を行うと効率が悪くなりがちです。
共同配送を取り入れることで、同一エリアへの納品をまとめて行えるようになり、車両台数や配送回数の削減が可能になります。
店舗側にとっても、荷受けの頻度が減ることで入庫作業の負担が軽減され、業務全体の効率向上につながります。
多様な商品を少量ずつ取り扱うアパレル業界では、共同配送の導入により物流が最適化され、在庫管理や販売計画の精度向上にも貢献します。その結果、ビジネス全体の生産性向上が期待できるでしょう。
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共同配送に向かない商材
共同配送は幅広い商材に対応可能ですが、すべてに適しているとは限りません。配送条件や商品そのものの特性によっては、かえって効率性や安全性が損なわれる場合も考えられます。
このような観点から、共同配送には不向きとされる代表的な商材について確認しておきましょう。
緊急性が高いもの(医療用の緊急搬送品、生鮮食品等)
医療用の緊急搬送品や生鮮食品のように、時間に厳しい制約がある商材は、共同配送には適していないとされています。
これらは、わずかな遅れが直接的な損失や命に関わるリスクにつながるため、迅速かつ柔軟な対応が不可欠です。
共同配送では複数の企業の荷物をまとめて運ぶ仕組みであるため、急なスケジュール変更が難しく、緊急対応において機動力が不足する恐れがあります。
とくに、医薬品の中でも救命処置に用いられる品目や、鮮度保持が重要な食材に関しては、専用便やチャーター便といった専用の輸送手段を選択することが望ましいといえるでしょう。
極端に大きい・重いもの(大型機械、建設機材等)
大型機械や建設機材のような、極端に大きく重い商材は共同配送には適していません。これらは形状が不規則で積載効率が低く、他の荷物と混載することで、安全性や作業効率に支障をきたす恐れがあります。
さらに、荷役には特別な設備や専門の人員を要するため、柔軟に対応できる個別配送が求められる場面が多く見受けられます。
また、車両のサイズ制限や積載基準にも注意が必要で、標準的な共同配送車両では対応が難しいケースがほとんどです。
こうした特性を持つ商材には、専用便やチャーター便による個別輸送が現実的であり、結果として効率性と安全性を両立した物流体制の構築につながります。
特殊な輸送環境が必要なもの(危険物、高額品など)
危険物や高額品のように、特別な輸送環境を必要とする商材は、共同配送には適していません。
これらは法律で定められた取り扱い基準に加え、高度なセキュリティ対策が求められるため、一般的な混載便では対応が難しい場合が多く見受けられます。
たとえば、可燃性物質や薬品といった危険物は、専用の車両や保管環境が必要であり、他の荷物と一緒に積載することが認められていません。
また、高額品に関しては、輸送中の盗難や破損のリスクが高いため、厳重な監視や個別の管理体制が求められます。
共同配送の仕組みでは、こうした管理要件に対応しきれないことがあり、事故やトラブルの原因となる恐れもあります。そのため、これらの商材には専用の輸送手段を選択することが望ましいでしょう。
共同配送の導入事例
共同配送の効果をより具体的に理解するためには、実際の現場での取り組み内容を知ることが重要です。
ここでは、輸送効率の向上や人手不足の解消といった課題に対応するために工夫された事例を紹介します。
実車率の向上を目的とした取り組み
物流現場では、ドライバーの負担軽減や車両の稼働効率を高めるために、実車率の向上に向けた施策が進められています。
たとえば、ドライバーが日帰りで運行できるよう複数の中継拠点を設置することで、長距離輸送の必要性が減り、安定した雇用と実働時間の最適化が実現されました。
さらに、積卸し作業を専門スタッフが担う体制を整えることで、ドライバーの拘束時間が短縮され、荷降ろし後すぐに次の運行へと移行できるようになります。
これらの取り組みにより、トラックが実際に荷物を運搬している時間が増え、非稼働時間の削減にもつながっています。
その結果、業務全体の効率が向上するだけでなく、労働環境の改善や人材の安定確保といった面にも良い影響を与える点が大きな利点といえるでしょう。
荷待ち・積卸時間の削減に向けた取り組み
物流現場では、荷待ちや積卸にかかる時間の長さがトラックの稼働率を下げる要因となっています。この課題に対応するため、倉庫側と運送事業者が連携し、入庫作業の可視化や事前予約制の導入が進められています。
たとえば、貨物の積み降ろし順をシステム上で把握し、ドライバーの到着時間に応じて作業が円滑に進むよう管理体制を整えています。
さらに、紙の納品伝票や検品手続きを電子化することで、荷降ろし作業の時間も短縮されました。
こうした取り組みによって待機時間が大幅に削減され、ドライバーの拘束時間も減少しました。その結果、トラックの回転率が向上し、配送の効率化が実現しました。
このような取り組みは、物流業界全体の効率化と労働環境の改善に寄与しています。
積載率の向上に貢献する取り組み
積載率の向上は、物流コストの削減と環境負荷の低減を両立させる上で重要な要_です。
たとえば、往復の輸送ルートを効率化するラウンド輸送では、従来は空車で戻っていた復路に荷物を積載することで、車両の稼働効率が飛躍的に向上しました。
食品業界では、複数の企業が協力して配送プラットフォームを構築し、配送ルートや車両を共有しています。その結果、配送回数を減らすと同時に積載率の改善にもつながりました。
こうした取り組みは、限られた輸送資源の有効活用を実現し、CO2排出量の削減にも大きく貢献しています。
今後は業界の垣根を越えた連携によって、より柔軟かつ効率的な輸送体制の構築が期待されています。これらの動きは、持続可能な物流を目指す上でも重要な取り組みといえるでしょう。
幹線輸送の共同化を図る取り組み
物流業界では、幹線輸送の効率化を目指した共同化の動きが注目をされています。とくに、地方における貨物量の減少やドライバー不足といった課題に対応するため、複数の運送事業者が連携し、輸送を一本化する取り組みが進行中です。
たとえば、各社の中継拠点でドライバーを交代する「シェイクハンド輸送」や、複数企業の貨物を1便にまとめて積載率を高めつつ便数を減らす方式が導入されています。これにより、トラックの空車時間を短縮できるほか、労働環境の改善や輸送品質の安定にもつながっています。
こうした幹線輸送の共同化は、コストの抑制にとどまらず、持続可能な物流体制の構築にも貢献する重要な取り組みといえるでしょう。
KPI共有やIT活用による連携強化の取り組み
物流業務の効率化と可視化を図るため、KPIの共有とITの活用によって連携体制の強化が進められています。
具体的には、荷主と運送事業者が共通の目標指標を設定し、配送計画や実績をデータとして管理しています。さらに、進捗状況を定期的に確認することで、課題への迅速な対応が可能となる体制も整えられました。
加えて、異なる形式の受注データを自動的に変換できるツールを導入した結果、複数企業間での情報連携が円滑に行えるようになりました。
これにより、積載率や配送効率が高まるとともに、ドライバーの拘束時間も削減されています。個人の経験や知識に依存せず、標準化された運用が実現され、持続可能な物流体制の確立にもつながっています。
このような取り組みは、物流業務の効率化を可視化を促進し、持続可能な物流体制の構築に寄与しています。
まとめ:共同配送の活用で物流業界の課題を解決しよう
共同配送は、ドライバーの不足や配送コストの増加、環境への負荷といった物流業界の深刻な課題に対し、現実的で持続可能な解決策として注目されています。
企業間で連携し配送資源を共有することで、輸送効率の向上や業務の負担軽減が期待できる上、環境対策にも貢献する点が大きなメリットです。
もちろん、システムの整備や連携に伴う調整コストといった課題も避けられませんが、実際の現場では工夫によってそれらを乗り越えている成功事例も見られます。
まずは、自社の課題や現在の物流環境を把握し、導入に向けた具体的なステップを検討してみてはいかがでしょうか。
ZENRIN ロジスティクスサービスを活用して共同配送を実現しよう
共同配送を効率的に導入したい企業にとって、「ZENRIN ロジスティクスサービス」は非常に心強い存在です。
サービスを導入することで、AIによる自動配車機能を活用し、最適なルートと車両の手配が可能となり、複数企業の配送を一本化する仕組みが整います。
ナビゲーションアプリや車両動態管理機能と組み合わせれば、リアルタイムでの業務進捗の把握や配達精度の向上も期待できます。
また、住宅地図による詳細な配達先の表示や、住所クレンジング機能を活用することで誤配送のリスクも抑えられます。共同配送に必要な要素が揃っており、物流コストの削減と業務の効率化を同時に図りたい企業には最適なソリューションです。
貴社の物流課題に対する有効な手段として、「ZENRIN ロジスティクスサービス」の導入をぜひご検討ください。