
ジオコーディングとは? 住所正規化など具体的な活用例や手法を解説
「ジオコーディング」という言葉を聞いたことがあっても、意味までは把握していないという方も多いのではないでしょうか?
ジオコーディングとは、住所などの地図情報を緯度経度の地理座標値に変換することです。
ジオコーディングは、地図を扱うさまざまな企業や頻繁に地図を見る運送業や宅配業者が、正確な地図情報を取得する際に役立ちます。
他にも店舗情報や会社の支店情報を地図データに登録したい場合などにも、ジオコーディングを利用することが可能です。
そこで本記事では、ジオコーディングの利用方法について、活用例を交えて紹介します。
ぜひ参考にしていただき、ジオコーディングを活用して地図情報を正確に更新しましょう。
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ジオコーディングとは?
ジオコーディングとは、住所や地名・駅名などの地図情報を、緯度経度といった地理座標値に変換することです。
住所や地名など地図情報から変換した緯度経度情報のことをジオコードと呼び、ジオコードに変換する作業をジオコーディングと呼びます。
たとえば、「東京スカイツリー」の住所である「東京都墨田区押上1丁目1−2」を地図アプリ※で入力すれば、緯度「35.71075813823494」経度「139.81253759823224」の情報に変換されます。
その結果、ピンポイントの地点を特定することができ、地図アプリなどで目的地を設定できるのです。
基本的にはコンピューターが地図情報と地理座標値を自動変換しますが、自動変換できない場合は手動で再度入力しなければいけません。
このように、ジオコーディングを活用することで、地図情報を入力しただけで緯度経度情報に基づいて正確な場所を表示することが可能です。
つまり、ジオコーディングとは、地図上で目的地や現在地を検索する際に、住所や郵便番号で正確な地理座標値を調べるための変換作業のことをいいます。
※本記事ではGoogle Maps参照(世界測地系のため、ほかアプリ等とは緯度経度が異なる場合があります)
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逆ジオコーディングとは?
ジオコーディングは住所や郵便番号などの地図情報から緯度経度情報へ変換するのに対して、反対の「逆ジオコーディング」も存在します。
逆ジオコーディングとは、緯度経度情報から住所や郵便番号などの地図情報へ変換する作業のことです。
たとえば、先ほどスカイツリーの緯度経度情報を出したので、今度はその緯度経度情報を地図アプリで検索すると、「東京都墨田区押上1丁目1-2」の「東京スカイツリー」が表示されます。
ジオコーディングとは反対に、緯度経度情報を住所情報などに変換するため、「逆ジオコーディング」と呼ばれているのです。
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ジオコーディングを行うにあたって必要となるもの
ジオコーディングを行う際には、いくつか必要なものがあります。
事前に以下の3つのデータを用意しておきましょう。
それぞれ解説します。
住所データ(ジオコーディングする場合)
ジオコーディングを行うためには、対象の「住所データ」が必要です。
人によっては同じ住所でも、「2丁目」と「二丁目」など表記ゆれが発生する可能性があるため、考えられる表記すべてに対応できる住所データがあれば、効率よく緯度経度情報へ変換できるようになります。
しかし、膨大な住所データを自力で作成することは、あまり現実的ではありません。
そのため、各社が提供している地図データベースなどを利用することが一般的です。
座標データ(逆ジオコーディングする場合)
ジオコーディングを行うには「座標データ」も必要です。
住所データがあっても、変換する座標データがなければジオコーディングができません。
座標データは数値が少し違うだけで、地図情報が大きく違ってしまうため正確なデータを用意する必要があります。
ジオコーダー
最後に、ジオコーディングをするには「ジオコーダー」も用意しなければいけません。
ジオコーダーとは、住所情報を緯度経度情報に変換するプログラムのことです。
ジオコーダーを使えば、住所検索した際に座標データをデータベースから検索して、都道府県や行政区分ごとに該当する座標データを算出できます。
たとえば「東京都墨田区押上1丁目1-2」と検索した際に「2号」に該当する座標がデータベースに無かった場合、ひとつ上の「1番地」までの緯度経度情報を表示する仕組みです。
「1番地」にも該当する座標がデータベースになかった場合は、「東京都墨田区押上1丁目」まで緯度経度情報が検索されます。
ジオコーディングを行う際には、ジオコーダーを用意して住所データを正確な座標データに変換しましょう。
ジオコーディングをする方法
では、実際にジオコーディングをするには、どのように行えばよいのでしょうか。
ジオコーディングをするには、ジオコーディングができるツールかAPIを活用する必要があります。
それぞれの活用方法を詳しく解説します。
ジオコーディングができるツールを活用する
ジオコーディングをする方法として、ジオコーディングができるツールを活用する方法があります。
ジオコーディングのできるツールはWeb上にいくつかあるため、ご自身が使いやすいと思うツールを見つけてみてください。
基本的な操作方法は、緯度経度変換したい住所を入力し、検索するだけで完了です。
Web上の無料ツールでは、住所を入力して緯度経度情報のジオコーディングができる機能と、緯度経度から住所情報を検索できる逆ジオコーディングの両方が備わったものもあります。
誰でも簡単に活用できますが、一つひとつ住所を入力し変換しなければいけないものが多いため、住所データが多い場合はあまり実用的ではありません。
そのため、膨大な住所データを効率よく緯度経度変換したい場合は、次のAPIを活用した方法で行いましょう。
ジオコーディングができるAPIを活用する
ジオコーディングをするもうひとつの方法として、ジオコーディングができるAPIを活用する方法があります。
APIを活用すれば、アプリケーションやソフトウェアから集められたデータベースを元に、住所データから座標データへの自動変換が可能です。
Web上のツールではなく、自社システムでジオコーディングをしたい場合には、APIを活用することをおすすめします。
APIを活用してジオコーディングの機能を自社システムに導入すれば、自社システムだけで簡単にジオコーディングができるようになるため、効率アップを狙いやすいです。
たとえば、保有している住所データから自動でジオコーディングするシステムを構築すれば、効率よく緯度経度情報に変換できます。
自社でジオコーディングを行いたい企業や、できるだけ効率よくジオコーディングを行いたい企業はAPIを活用しましょう。
ジオコーディングの活用例
次に、ジオコーディングをすることで、どのような効果を得られるのか活用例を紹介します。
ジオコーディングを活用し、地図情報を正確にすればさまざまな業務ミスなどを防ぐことが可能です。
ぜひ参考にしてください。
住所を正規化し、ダイレクトメールなどの誤送付を防ぐ
ジオコーディングを行うことで、住所情報を正規化し、ダイレクトメールなどの誤送付を防げます。
顧客の住所情報を管理していても「1丁目」や「一丁目」、「1-1-9」など表記ゆれしているケースが多く、ダイレクトメールが届かない、間違えた住所に届いてしまう、ダイレクトメールを二重送付してしまうなどの誤送付が起きてしまうことがあります。
そのため、住所データを一度緯度経度情報に変換し、重複している住所データを洗い出し修正すれば、誤送付問題を防ぐことが可能です。
多くの住所データを地図データに登録する
ジオコーディングを活用すれば、自社製品を販売している店舗の住所データを効率よく地図データに登録することが可能です。
自社製品を店舗販売している場合、店舗数が多くなるとすべての住所データを地図データに反映できていない可能性があります。
せっかく店舗に自社製品を置いて販売していても、店舗の位置情報を地図で確認できなければ顧客が店舗へたどり着けない可能性もあります。
顧客離れや売上低下を防ぐためにも、店舗の住所データの更新は必要不可欠です。
しかし、一つひとつ住所情報から地図に地点登録するのは効率がよくありません。
そこで、ジオコーディングを活用すれば、漢字表記やカタカナ表記、アルファベット表記などの店舗情報の表記ゆれにも対応しながら、まとめて地図データに地点登録することが可能です。
複数の店舗情報を統一して、最新の住所情報を地図データに反映したい企業は、ジオコーディングを活用しましょう。
逆ジオコーディングを活用し、運転日報の作成を効率化する
逆ジオコーディングを活用すれば、運転日報の作成を効率化できます。
運転日報とは、運送業が安全運転の維持や適切な輸送ルートを算出するために作成する日報のことです。
走行した地点、住所を正確に調べて、運転日報を作成する作業を効率化すれば日々の生産性を向上させられます。
そこで有効なのが逆ジオコーディングです。
逆ジオコーディングを活用すれば、走行したルートの座標データから住所データを検索して運転日報の作成の効率化が図れます。
運送業で運転日報を付けている人は、逆ジオコーディングを活用して、業務を効率化させましょう。
まとめ:ジオコーディングを活用し、住所情報を正確に、かつ最新の状態を保とう!
ジオコーディングを活用すれば、住所情報を正確にして生産性の向上が図れます。
運送業だけでなくダイレクトメールを送る企業や、複数の店舗で商品を販売する企業にとっても、表記ゆれなどの問題を解消することは大切です。
ジオコーディングを活用すれば、さまざまな業種の課題点を解消し、業務を効率化する手助けができます。
APIを活用すれば、ジオコーディングを効率よく行えるため、導入をご検討ください。
住所情報を正確な状態に保ちたい企業は、ジオコーディングを活用してみましょう。
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