
物流コストを削減するには? コストが上昇する原因や削減のアイデア等を解説!
物流業務において、品質を保ちながらコスト削減を実現することは、経営上の重要な課題となっています。
配送料や作業料の値下げをしていても、コスト削減に限界を感じている経営者や部署責任者の方は多いのではないでしょうか?
物流コストが上昇する原因や、なぜコスト削減が難しいのかを理解しておくことは重要です。
そこで記事では、物流コストを削減する方法を解説していきます。
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目次[非表示]
- 1.物流コストとは?
- 1.1.物流コスト比率とは?
- 2.物流コストの削減が難しい理由
- 2.1.サプライチェーンが複雑なため
- 2.2.燃料価格が変動するため
- 2.3.在庫管理の最適化が難しいため
- 2.4.顧客の要求が多様化しているため
- 3.物流コスト削減のアイデア7選
- 3.1.物流拠点の集約
- 3.2.人件費の見直し
- 3.3.業務の効率化
- 3.4.専門業者への委託
- 3.5.物流システムを導入する
- 3.6.サプライヤーに価格交渉する
- 3.7.在庫管理を最適化する
- 4.物流コスト削減における課題
- 4.1.サービスレベルを維持できるか
- 4.2.ツール導入にかかるコストは問題ないか
- 4.3.サプライヤーと協力できるか
- 4.4.現状かかっている物流コストを可視化できるか
- 5.まとめ:物流業務を効率化し、コスト削減を図ろう
- 6.物流コスト削減には「ロジスティクスサービス」が有効!
物流コストとは?
物流コストは、物流業務において物を移動させるために発生する費用のことを指します。
通常、物流コストといえば、運送や運搬時にかかる費用を想像する人が多いかもしれません。
しかし、実際には商品の包装や保管にかかる費用も物流コストに含まれます。
物流コストは以下のように細分化できます。
ミクロ物流コスト |
荷主企業を対象にアンケートを行い、企業の売上高に対する物流コストの比率等を集計したものです。個々の企業の視点から物流コストを把握するための指標となります。 |
マクロ物流コスト |
公的な統計データ等をもとに、国全体の物流コストの総額を国民経済の視点から推計したものです。国家レベルで物流コストを評価するための指標となります。 |
企業物流コスト |
物流業務において商品を移動させるために発生する費用のことです。具体的には運送費や保管費、包装費等が含まれます。 |
物流コストを適切に把握し、削減することは企業にとって重要な課題となります。
物流コスト比率とは?
物流コスト比率とは、売上高に対する物流コストの割合を指します。
物流コストを管理する際には、この指標を把握しておくことが重要です。
「2022年度物流コスト調査結果」によると、全業種の平均売上高物流コスト比率は5.31%でした。
この比率は、前年度から0.39ポイント減少していますが、前年度が過去最高だったこともあり依然として高い状態です。
参考:日本ロジスティクス システム協会「2022年度物流コスト調査結果」
物流コスト比率の詳しい内訳や上昇理由等が知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
物流コストの削減が難しい理由
物流コストの削減が難しい理由のひとつは、内訳が見えにくいことです。
具体的にどの部分にどれだけのコストがかかっているのかを把握することが難しく、物流コストの削減を試みてもうまくいかないことがあります。
以下では、この理由についてより詳しく解説していきます。
サプライチェーンが複雑なため
現代のビジネス環境では、商品が複雑なサプライチェーンを通じて供給されています。
商品の生産、貯蔵、輸送、配送等、さまざまな段階で物流が必要となります。
このような複雑なサプライチェーンにおいて、コスト削減を実現するためには、各段階での効率化が欠かせません。
しかし、効率化を図るためには、すべての工程を把握する必要がある等、多くの要素を考慮する必要があります。
燃料価格が変動するため
物流には、トラックや船舶、飛行機等に燃料が必要です。
燃料価格は市場の変動や地域の政治情勢等の影響を受け、頻繁に変動します。
燃料価格の上昇は物流コストを増加させる要因となり、コスト削減を難しくしている要因となっているのです。
在庫管理の最適化が難しいため
物流コストにおいて、在庫管理は非常に重要な要素です。
在庫の保管や管理にもコストがかかります。
そのため、在庫を削減し、効率的な在庫管理を実施することで、コスト削減が可能です。
しかし、需要の予測誤差やサプライチェーンの変動等により、在庫の最適化が難しい場合もあります。
顧客の要求が多様化しているため
顧客の要求は多様であり、それに応えるためには素早い物流が必要です。
しかしながら、顧客の要求に柔軟に対応するためには、在庫数を増やしたり、物流システムを導入したりする等、追加の物流コストがかかる場合があります。
顧客の満足度を維持しながら物流コストを削減することは、困難な課題です。
物流コスト削減のアイデア7選
ここまでの説明で、物流コスト削減の難しさについて理解していただけたことでしょう。
ここからは、物流コスト削減のアイデアを紹介していきます。
自社の状況を把握することで、削減方法を見つけられるかもしれません。
物流拠点の集約
物流コストを削減する方法として、物流拠点を減らし集約させることが有効です。
物流拠点が多いと業務効率は向上しますが、保管する倉庫や管理者も必要になり、それに伴ってコストも増加してしまいます。
最近では宅配サービスも進化しており、離島を除く多くの地域では1日〜2日で輸送が可能となり、リードタイムの問題も解消されています。
そのため、物流拠点を減らし集約させてコスト削減を図る企業が増えています。
人件費の見直し
人件費の見直しは物流コストの削減において重要な要素です。
現在の物流業界では、ドライバーの人手不足という問題が存在しているにもかかわらず、ECサイト等の発展により物流の需要は高いため、人件費の改善は難しいのが現状です。
ただし、軽作業や読み取り、物流業界の事務作業等、ロボットやツールを活用することで自動化できる業務もあります。
そのため、自動化を導入することで、人件費を削減することは十分に可能といえるでしょう。
自動化が難しいとされる作業には人手を活用し、自動化が可能な作業には自動化を導入することで、人件費を見直せます。
業務の効率化
物流コストを削減するには、業務の効率化が必要です。
多くの企業がこの取り組みを行っていますが、実際にはうまく実現できていないケースは多いでしょう。
その理由は、単に業務の改善方法を考えるだけでは効率化が難しいためです。
効果的な効率化を実現するためには、まずは内部のプロセスを詳細に理解し、改善可能な領域を特定しなければいけません。
そして、その結果をもとに、効率化を図る必要があります。
たとえば、ドライバーの運転状況を管理するツールを導入することで、これまで把握できていなかった勤務状態や輸送時の情報が可視化されます。
これにより、効率的な業務改善のポイントが明確になるのです。
要するに、効率化を実現するためには具体的なデータや情報を活用し、改善点を見つけ出すことが重要です。
専門業者への委託
物流コスト削減の選択肢のひとつとして、専門業者にアウトソーシングすることも考えられます。
専門業者には、システムの構築から物流業務までを委託できる場合があります。
専門業者に業務を任せることで、在庫管理の最適化や業務効率の向上が期待できるでしょう。
また、効率化したい部分を専門業者に任せることで、自社の人員を割かずに済みます。
これにより、これまでかかっていたコストを削減できるのです。
物流業界では、システム構築からオペレーションまでを提供する3PL(Third-Party Logistics)と呼ばれるアウトソーシングが一般的です。
また、最近では物流コンサルティングまで行う4PL(Fourth-Party Logistics)も注目を浴びています。
物流システムを導入する
これまでの物流コスト削減のアイデアは、物流手法そのものに焦点を当てたものでした。
しかし、社内でどの部分からコスト削減を始めればよいかわからない場合もあります。
そんなときには、物流システムの導入がおすすめです。
物流システムは、どこにどれだけのコストがかかっているのかを明確に示してくれるだけでなく、在庫データや配送データ等の詳細なデータ管理も行ってくれます。
これにより、改善すべきポイントを明確に把握できるのです。
コスト削減を実現するためには、費用面のコストだけでなく人的コストがどこに使われているのかを正確に把握し、削減方法を明確化することが重要です。
明確化するという点で物流システムは非常に有力なツールとなります。
サプライヤーに価格交渉する
コスト削減の手段として、サプライヤーと価格交渉を行うことも有効です。
たとえば、倉庫を提供している業者との交渉によって、年間のコストを大幅に削減できるかもしれません。
交渉の際には、単に自分たちの要望する金額を話し合うだけでなく、サプライヤー側にもメリットがある提案をすることが重要です。
そうすることで、交渉が成立する可能性が高まります。
価格交渉だけでなく、短期的な施策や長期的な施策を提案することもおすすめです。
短期的な提案と長期的な提案の例は以下となります。
【短期的な施策例】
- 一時的な価格割引の交渉
- 一定の数量を超える場合に割引をしてもらう等の交渉等。
【長期的な施策例】
- パートナーシップの構築をする
- 共同で効率化に向けたプロジェクトを立ち上る等。
これによって、より具体的なコスト削減策を講じられます。
在庫管理を最適化する
商品の在庫を最小限に保ち、在庫管理を最適化することによって、保管費用を削減できます。
たとえば、メーカーとして荷主が在庫を過剰に抱えている場合、保管費用が増えてしまい、管理コストも高くなってしまうでしょう。
そこで、過去のデータを分析して適正な在庫数を把握し、過剰な倉庫を減らします。
また、倉庫内のレイアウトを最適化することで、効率化も図れます。
無駄なスペースを作らずに倉庫を配置し直すことで、保管効率が向上し、結果としてコスト削減につながるのです。
物流コスト削減における課題
物流コスト削減にはさまざまな課題が存在します。
自社の物流プロセスと同様の課題を特定し、それに対する効率化方法を確認してみましょう。
サービスレベルを維持できるか
在庫削減や輸送ルート最適化等の物流コスト削減策を実施する際には、サービスレベルへの影響にも注意が必要です。
顧客への正確な納品や品質維持といった要素も考慮して業務を効率化することが重要といえるでしょう。
ツール導入にかかるコストは問題ないか
物流プロセスの変革や自動化には、新しい技術の導入やシステムの開発が必要なことがあります。
これには、システムへの投資や従業員へのトレーニングのコストがかかるため、企業は適切なリソースを割り当てる必要があり、費用対効果を考慮することが重要です。
サプライヤーと協力できるか
物流コストを削減するためには、サプライヤーや輸送業者との協力が不可欠です。
ただし、協力関係を築くためには時間と努力も必要でしょう。
また、サプライヤーを変更することでサプライチェーンに影響が生じる可能性もあるため、慎重な対応が必要です。
現状かかっている物流コストを可視化できるか
物流コストを削減するためには、正確なデータの収集と分析が非常に重要です。
ただし、複数のシステムやデータの統合、データ品質の問題、そして分析能力の不足等が課題となることもあります。
まとめ:物流業務を効率化し、コスト削減を図ろう
物流コストを削減するためには、物流業務を透明化し、各課題に対する対策を講じる必要があります。
自社のノウハウだけでは、すべての課題を把握することは難しいため、専門的な知識や技術が必要となってきます。
物流システムの導入や、アウトソーシング化も含めて検討し、物流コスト削減を目指しましょう。
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