ーいつもNAVI API/ Google Maps Platform 活用事例2ー

【タクシー業界のDXを推進!】4商材を掛け合わせたクラウド型配車サービスで事業者の課題に寄り添う

電脳交通

会社名

株式会社電脳交通
活用分野 配車サービス
活用期間

約7年
※Google Maps APIからご利用開始。インタビュー時点の情報

導入規模 中小事業者から大手事業者まで

タクシー業界のDX推進に取り組んでいる株式会社電脳交通では、クラウド型の配車システム「DS」や、配車委託サービス「Taxi CC」など、タクシー事業者から求められるサービスを開発しています。

配車・送迎には欠かせない精度の高い地図情報や使い勝手のよいナビシステムを活用するために導入いただいた4サービス「いつもNAVI API」「Google Maps Platform」「ZNET TOWN API ※」「Z‐NAV」について、導入の背景や使用感などを伺いました。
※「ZNET TOWN API 」は株式会社ゼンリンのサービスです。
導入の課題

・小規模なタクシー事業者が多くて時間も、コストもかけられない

・規模の大小に関わらず業務が複雑でシステム開発に手間がかかる

・システムのクラウド化が進まずにほかの運輸業界から遅れていた

 

選定理由

・現地調査をもとに精度の高い地図データが頻繁に更新されている

・細かな部分の要望やトラブルに対して親身にサポートしてくれる

 

導入への期待

・価格を抑えつつ高鮮度な地図情報を活用した配車サービスが提供できるようになった
・ナビを安価に提供できるようになり、サービス導入企業様にご満足度いただいている

・複数のオプション機能を持つことで、お客様ニーズに合わせたサービスを提供できるようになった

導入の課題 ITを活用してシュリンクするタクシー業界を再生したい

―御社の事業内容と、皆さまの主な業務内容について教えてください。

江刺家氏:
広報を担当しております江刺家と申します。当社は2015年に徳島県で設立したITベンチャーで、タクシー事業者様に最適な配車関連サービスを提供することで、地域ごとの移動ニーズに寄り添い、衰退する地域交通の課題解決を目指しています。

主に、クラウド型のタクシー配車システム「DS」と配車委託サービス「Taxi CC」を提供しております。配車システムの「DS」は創業以来、年次200%以上で導入先が拡大しておりまして、今では45都道府県にあるタクシー事業者さまにご活用いただいている状況です。

坂東氏:CTOの坂東と申します。代表の近藤とともに当社を立ち上げた創業メンバーのひとりです。

当時、私は勤め先でアプリ開発の社内ベンチャーの立ち上げに携わっていまして、近藤とは顧客のひとりとして出会いました。近藤の実家は徳島県で昔からタクシー会社を経営しており、当時から彼はITを活用して家業の事業再生に取り組んでいました。

そのような彼から「こういうサービスがあれば、タクシー業界が抱える課題を解決できるのでは」と相談されて開発したのが、当社の配車システム「DS」の始まりです。
取締役 CTO(最高技術責任者)坂東勇気氏
取締役 CTO(最高技術責任者)坂東勇気氏
西日本営業部 責任者 内村翔太郎氏
西日本営業部 責任者 内村翔太郎氏
内村氏:西日本エリアで営業部の責任者をしております内村と申します。とくに「Z‐NAV」に関しては、私のチームが主導して販売しております。

私は前職でもITベンチャーに勤めていまして、そのときの顧客が当社でした。これまで行政や大手企業が十分に取り組めていなかったタクシー業界の課題に、真っ向から攻めていく代表たちの姿勢にほれて、この人たちと一緒に働きたいと転職した次第です。

―御社の活動領域であるタクシー業界の課題はどこにあるとお考えですか。

内村氏:タクシー業界の抱える大きな課題の一つは、システムのクラウド化が遅れていることです。

今や、あらゆる業界で業務のクラウド化が進められるなか、タクシーの配車システムだけはずっとオンプレミスで運用されてきました。バスや飛行機、鉄道などほかの運輸業界でさえ早い段階でシステムをクラウド化していき、それぞれが連携できているのにです。
タクシー業界の課題
坂東氏:タクシー事業者さまの大半は小規模で運営されています。予算が潤沢にあるタクシー事業者さまはあまりいらっしゃいません。それでいて、規模の大小に関わらずタクシーの業務は等しく複雑で、新たにシステム開発をするとなると手間がかかります。

開発会社からタクシーは採算が取りにくい業界として認識されてきたわけです。

だからといって、開発会社がどこも参入しないままでは、タクシー業界はさらに運輸業界から遅れてしまいます。乗務員さんやオペレーターさんは古いシステムを使い続けることになりますし、そうなればタクシーの利用者さまにもしわ寄せがいくでしょう。

そこで、代表の近藤がタクシー業界のDXに乗り出したわけです。

選定理由 精度の高い地図と手厚いサポート面を信頼して

ー導入いただいた4つのサービスはどのような目的で使用されていますか?

坂東氏:当社ではゼンリンデータコムから「いつもNAVI API」「Google Maps Platform」「ZNET TOWN API 」「Z‐NAV」の4つのサービスを導入しています。

「いつもNAVI API」は住所検索の精度が高いので、施設の詳しい住所が必要なときに使用しています。ただ、「Google Maps Platform」と比べて課金コストは高めなので、オプション機能として精度を求めるタクシー事業者さまにのみ提供している状況です。

「Google Maps Platform」は基本の地図として使用しています。課金コストが安いことに加え、Googleのストリートビューは遠隔地から現地の情報を視覚的に確認でき、オペレーターさんが乗務員さんに配車指示するときに活躍している機能です。

「ZNET TOWN API 」もオプション機能の1つで、地域ベースの住宅地図を取り込むのに使用しています。住宅地図には個人宅や店舗名などさらに細かな情報が記載されているので、とくにサービスレベルの高いタクシー事業者さまにご利用いただいている機能です。

「Z‐NAV」は車載端末のナビシステムです。当社では車載端末に「Google Maps Platform版」も選べるのですが、「Google Maps Platform版」にはナビ機能がありません。
そして、操作面でも「Z‐NAV」の方が完成度は高いことから、多くのタクシー事業者さまに選ばれています。

※Z‐NAV:大手自動車会社様に採用いただいている​ソフトウェア。​​地図データ自体はゼンリンの住宅地図をベースとしており、一週間に一度の逐次更新と大規模な定期更新を年6回実施。
DSにおける「いつもNAVI API」「Google Maps Platform」「ZNET TOWN API」の利用イメージ
ーゼンリンデータコムのサービスを採用いただいた決め手を教えてください。

坂東氏:地図APIは国内にもさまざまなものが存在していて、機能的にはどれも似たようなものです。

しかし、信頼性で比べたとき、ゼンリンデータコムさんの地図APIかなと思いました。

正直なところ、価格では他社の方が安いです。ゼンリンデータコムさんの半額以下のものもあります。ただ、安いものは地図が古かったり、サポート面が弱かったりするのです。

タクシー業界では的確な場所への配車が求められます。地図のデータが古くて万が一、利用者さまのいる場所とは違う場所に配車してしまうと信用問題になりかねません。
その点、ゼンリンデータコムさんは現地調査をもとに頻繁に地図が更新されています。

実は昔、私はゼンリンデータコムさんで委託エンジニアとして働いていたことがあり、中で働くスタッフさんたちが仕事に一生懸命なのも存じ上げていました。

親身に対応してくれることも分かっていましたので、ゼンリンデータコムさんに決めたわけです。

導入の効果 タクシー事業者の事情に合わせた提案が可能に

マップマッチングの例
ーゼンリンデータコムのサービスを利用してみてどのような点にご満足いただけましたか?

坂東氏:当社の車載端末のGPSでは走行位置に若干位置ずれが発生することがあるのですが、「Z‐NAV」にはマップマッチング機能が標準搭載されていて、位置ずれを補正してくれるので大変助かっています。

また、タクシーにもともと付いている車載ナビは地図が古いままのことが多くて、「Z‐NAV」のように頻繁に更新されるものは乗務員さん目線でもありがたいようです。

※マップマッチング機能:地図とGPS測位のズレを補正し、正確な道路の上に戻す機能。

内村氏:営業側の目線で言うと、タクシー事業者さまに提案できる幅が広がりました。

先ほどもお伝えした通り、当社の車載端末に「Google Maps」を選択いただくとナビ機能がありません。参考ルートは表示されますが、音声案内やリルート機能などはないのです。

これが地方であれば問題ないのですが、都心部では乗務員さんが困ることがあります。

一方で、「Z‐NAV」にはこれらナビ機能が標準で搭載されているわけです。

そこで、当社はタクシー事業者さまの事情に合わせて提案しております。
ー反対に、改善した方がよい点についてもご意見をいただけますか?

坂東氏:「Z‐NAV」のナビ機能は完成度が高いので、基本的に乗務員さんたちから好評です。

ただ、あえて課題点を挙げますと、ルート検索をタクシー向けに調整いただければと思います。検索すると、幹線道路や主要な道路を優先して導かれるので、ベテランの乗務員さんにとってはマッチしないケースがでてきます。

当社としては今後、ゼンリンデータコムさんと共同でタクシー向けのルートエンジンを開発できれば、さらにタクシー事業者さまから喜ばれるサービスができると思っています。

内村氏:品質が高いので仕方のないことではありますが、価格をもう少し抑えられればとは思います。

車両30台以下のタクシー事業者さまがタクシー市場の70%ほどを占めているなかで、こうした小規模なところは価格を理由にオプション機能を諦めることが多いのです。

もし、小規模向けのプランがあれば、より多くのシェアを狙えると期待しています。

今後の展望 タクシー業界から街づくりそのものにも貢献したい

―最後に今後、御社が描く未来について教えてください。

内村氏:今後の展開として、3つのステップを考えております。

まずは、タクシー業界でシェアを取ることです。

これまでシステムのクラウド化が遅れていたがために、タクシー業界はほかの運輸業界から取り残されていました。それが、当社の配車システムが普及することで適切に連携できるようになれば、ほかの運輸業界から利用者が流れてきて、タクシー業界はさらに活性化することでしょう。

2つ目のステップとして、タクシー以外の業界への進出があります。

当社の配車サービス「DS」を広く捉えると、エリア内にある車両を効率的に配置することが可能なサービスです。例えば、バスのような一度に多くの人を運ぶ車両はもちろん、輸送トラックやゴミ収集車などあらゆる車両に横展開できるポテンシャルはあると思っております。

最後は、街づくりそのものにも携わりたいです。

最近、都市部ではスマートシティが推進されています。マンションからエレベーターで下りると、すでにタクシーがいて、そのまま目的地までスムーズに移動できる。もし、このようなシームレスな流れが実現できれば、当社は「より広く社会に貢献できる」、そう考えております。
電脳交通を中心に社会がシームレスにつながるイメージ

■「いつもNAVI API」について

https://www.zenrin-datacom.net/solution/api

ゼンリン独自の高精度な地図データをAPIで提供。多言語地図、住所から緯度経度への変換(ジオコーディング)、ルート探索、気象情報の表示等の機能もあり、多彩な地図表現や充実したコンテンツ検索の実装が可能です。

■「Google Maps PlatformAPI」について

https://www.zenrin-datacom.net/solution/gmapsapi

Webサイトやアプリに利用するために必要なあらゆるAPIを利用できるGoogleが提供するWeb地図サービス。ゼンリンデータコムは国内No.1代理店として豊富な導入・サポート実績がございます。

インターネット経由でゼンリン住宅地図データを取り扱うwebインターフェース。建物の名称や表札、バス停や信号機など、詳細で高精度な情報を取得できます。

■「Z‐NAV」について

ゼンリンが調査した精度の高い地図データを使ったナビゲーションアプリ。
お客様にて容易にアプリ開発が可能のほか、弊社にてご要望に応じてカスタマイズや製品納品も可能です。​また、お客様の業務システムとナビアプリをデータ連携して、目的地への最適ナビとしての利用や業務連絡が可能です。

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