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安全管理やマーケティングに活用できる気象データとは? おすすめの天気APIも紹介

気象情報は、個人利用以外にも幅広いビジネスシーンにおいて重要な情報です。

また、予測不能な天候や記録的な災害などはいつ発生するかわかりません。

そのため、常に気象データを取得できる仕組みを構築し、分析や安全管理を行うことが大切です。

しかし、データを取得できる仕組みを構築する方法がわからない企業も、多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、気象データの取得に活用できる天気APIについて解説します。

気象データをビジネスにどのように活用することができるのかや、活用事例なども合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.気象データとは?
    1. 1.1.気象と天気の違い
  2. 2.気象データを活用することで得られる3つのメリット
    1. 2.1.1.安全管理に活用できる
    2. 2.2.2.人員配置に役立てられる
    3. 2.3.3.新たなサービスの展開や売上の向上に役立てられる
  3. 3.気象データの活用における2つの課題
    1. 3.1.1.データを分析できる人材が少ない
    2. 3.2.2.データの分析方法がわからない
  4. 4.気象データを取得できる天気APIとは
  5. 5.天気APIでできること
    1. 5.1.天気情報を取得できる
    2. 5.2.発表されている警報・注意報・土砂災害警戒情報を取得できる
    3. 5.3.過去の気象データを取得できる
  6. 6.天気APIの利用方法
    1. 6.1.企業ID(APIキー)を発行
  7. 7.ゼンリンデータコム|お客様の気象データ活用事例2
    1. 7.1.1.発注業務の適正化に活用
    2. 7.2.2.洪水ハザードマップのデータを活用し、災害時の被害を抑える
  8. 8.まとめ:気象データを活用し自社のビジネスに活かそう
  9. 9.ご用途に応じて気象データをご提案させていただきます


気象データとは?

気象データとは、気象庁が観測している地球の様子を表すデータのことです。

雨、雲、風、波など、大気や海洋で確認できる現象を、データとして取得します。

取得したデータを元に、スーパーコンピューターが解析し、未来の天気情報を予測することが可能です。

この予測されたデータのことを、「気象予測データ」といい、現在地球上で確認できる気象データを「気象観測データ」と呼びます。

気象庁は、気象観測データを取得するために、さまざまな手法でデータを取得しています。

たとえば、地上の至るところに気象観測所を設置し地上のデータを取得したり、温度計や湿度計を気球に取り付け上空のデータを取得したりして、気象観測データを取得しているのです。


気象と天気の違い

気象と天気は近しい意味を持つ言葉ですが、意味は明確に違います。

それぞれの意味と違いは下記のとおりです。


天気
特定の場所、特定の時間の大気の状態を表す言葉です。ある地点と時刻の気象観測データから「晴れ」「雨」などの大気の状態を表します。
気象
指定期間がなく、大気の状態や大気中で起こる気象現象の全てを含めた言葉です。晴れ、雨、雪、竜巻などすべての気象情報が含まれます。

また、その他にも気象と近い意味を持つ言葉には、「天候」と「気候」があります。

これらも意味は似ていますが、大気の状態を表す期間で使い分けることが可能です。

それぞれが表す期間は下記のとおりです。


天気
現在、もしくは数日程度の期間の大気の状態
天候

数十日〜数ヶ月の期間の大気の状態

気候

数年など年単位の期間の大気の状態

気象
期間の指定などはなく、気象現象の全てを含めた言葉

このように、それぞれ意味が異なります。

上記の内容を参考に、目的に応じて活用する情報を選択しましょう。


気象データを活用することで得られる3つのメリット

気象データを活用することで得られる3つのメリット

気象データを活用することで、以下ようなメリットを得られます。

気象データの活用は、個人的な利用だけでなく、ビジネスにおいても幅広く役立てられます。

工事や運送など屋外での作業が求められる職種の安全管理から、観光やアパレルなどのマーケティングにも気象データが活用されているため、自社でも活用できないか検討してみてください。

それぞれのメリットについて解説します。


1.安全管理に活用できる

気象データは従業員の安全管理にとても重要な情報です。

建築現場や工事現場、運送業など屋外での作業が必須の業種では、とくに活用できるでしょう。

主な活用例としては下記が挙げられます。

  • 熱中症の予防
  • 台風や暴風、豪雨時などの従業員の安全の確保
  • 周辺の建物や自社所有物などへの被害を最小限に留める

など

気象データを活用することで、悪天候時に備えた業務指示をスムーズに行い、人的被害の回避はもちろん、物的被害も最小限に押さえることができます。

従業員の安全を確保する対策として、朝礼などで今日の最高気温や夕立などの気象情報を事前に共有する企業もあります。

また、運送会社やタクシーなどのドライバー職は、天気によって変化する交通情報などへの備えも必要でしょう。

道路の冠水や洪水が発生する危険性のあるエリアを事前に把握しておくことで、事故やトラブルから従業員の安全を守ることもできます。

このように、天気情報を活用し、さまざまな危険やトラブルを回避するために活用できるのです。


2.人員配置に役立てられる

気象データの活用は、企業の適切な人員配置に役立てることも可能です。

飲食店や小売店などの店舗では、天候や気温などの変化によって、来客数が変化します。

たとえば、公園内に設立されたカフェの場合、雨天時の顧客数は晴天時に比べ、大幅に減少することが予想できるでしょう。

このような場合に平常時と同じ人数の従業員を配置すると、余計な人件費がかかってしまいます。

しかし事前に天気を把握し、天気に応じた来客数などを分析することで、適切な人員配置を行うことが可能です。

結果的に、売上や利益率の向上につながる可能性もあるため、人員配置を行う際は気象データも活用しましょう。


3.新たなサービスの展開や売上の向上に役立てられる

気象データを分析することで、商品開発やサービス展開などに役立てられます。

たとえば、商品の需要のピークを迎える時期を気象データから予測し、チラシ配布や特設売り場を作るタイミングを考慮することが可能です。

また、ドリンク商品を中心に取り扱う企業では、自社スマートフォンアプリを活用し、熱中症の危険が高まる日に合わせ「熱中症注意」の注意喚起情報を配信、あわせてドリンク購入時にポイントを付与するシステムを導入している例などもあります。

気象情報のデータを活用することで、天候に応じた顧客のニーズを活用し、売上向上や新たなサービス展開に繋げることが可能となるのです。

しかし、気象データをビジネスに役立てるためには、データを分析できるスキルやノウハウが必要になるため、専門的な知識が必要となります。


気象データの活用における2つの課題

気象データの活用における2つの課題

ビジネスにおいても幅広く活用できる気象データですが、いくつか課題点も挙げられます。

主な課題点は下記のとおりです。

気象データの活用における具体的な課題について、詳しく見てみていきましょう。


1.データを分析できる人材が少ない

気象データを活用するメリットはたくさんあります。

しかし、データ分析を行える人材が不足していることに悩みを持っている企業が、残念ながら多いのが現状です。

データの分析には、気象データに関する専門的な知識が必要となります。

さらに、ビジネスに活用するためには気象データだけを活用するのではなく、来客数や購入数など、さまざまなデータを組み合わせなければいけません。

そのため、必要なデータの洗い出しから、データの取得、分析を行うとなると膨大な時間がかかるため、他の業務と兼任しながら作業を行う難易度は高いといえます。

人手不足や日々の業務に追われ、データ分析に手が回らないといった企業も多いといえるでしょう。


2.データの分析方法がわからない

データを収集しても、そもそも分析方法が分からず、有効活用できていない企業もあります。

気象データの活用により、農業・運送業・観光業・アパレル産業などの、幅広いビジネスにおいて、業務の効率化や売上向上などを期待できます。

しかし、一部の企業では、自身の業態における有効性に気づいておらず、収集したデータをどのような形で活かすことができるのかわからないといったケースもあるでしょう。

気象データの分析には、自社のニーズに合った活用方法がわからない、活用方法を検討する余裕がないといった課題も挙げられます。


気象データを取得できる天気APIとは

気象データを取得できる天気APIとは

天気APIとは、天気情報や上記で紹介した気象データを取得できるAPIです。

スマートフォンアプリやWebサイトなどに活用することで、気象データを取得できるシステムを構築できます。

気象データは、さまざまな業界のマーケティングなどにおける分析に活用できるデータです。

そのため、効率よく情報を集めることが求められるため、天気APIが活用されています。

また、気象データや複数の指数情報同士、そのほかのAPIと組み合わせることで、より自社にとって分析しやすいシステムを構築することが可能です。


天気APIでできること

天気APIでできること

天気APIを活用することで、さまざまな情報やデータを取得できます。

主に取得できるデータは下記のとおりです。

ゼンリンデータコムでAPI提供可能なデータを例にそれぞれ解説します。


天気情報を取得できる

天気APIを活用することで、天気に関する必要な情報を取得できます。

天気情報で取得できるデータは主に下記のとおりです。

【短期天気データの取得】

  • 天気名称
  • 最高気温
  • 最低気温
  • 降水確率
  • 洗濯指数(気温・湿度・風速・紫外線の強さをもとに5段階で表示)

など

【週間天気データの取得】

  • 天気名称
  • 最高気温
  • 最低気温
  • 降水確率

など

【3時間毎の天気データの取得】

  • 天気名称
  • 気温
  • 降水量
  • 降水確率

など

ユーザーが指定した地点の天気情報をピンポイントで取得できるため、より精度の高い情報を得られるでしょう。


発表されている警報・注意報・土砂災害警戒情報を取得できる

指定された住所コードから、発表されている警報・注意報・土砂災害警戒情報を取得できます。

気象庁が発表する、大雨や強風など災害のおそれがある情報を、APIから確認することが可能です。

しかし、APIで得られる情報は、災害の発生を予想するものではありません。

あくまでも、気象庁から発表された情報に基づいて、消費者の安全を守るための情報を提供するものとして覚えておきましょう。


過去の気象データを取得できる

指定された場所の情報から、過去の気象データを取得することも可能です。

過去の気象情報で取得できる主なデータは、以下の3つです。

  • 天気情報
  • 気温
  • 降水量

過去の気象データを取得することで、どのような気候の時にどのような影響があったか、などの分析を行えるでしょう。


天気APIの利用方法

天気APIの利用方法

ゼンリンデータコムで天気APIを利用する方法をご紹介します。

天気APIの利用には「いつもNAVI API/SDK」という地図サービスの利用にお申し込みいただく必要があります。

無料のトライアルを実施しており1~3か月ほどお試し利用が可能ですので、ぜひご検討ください。


企業ID(APIキー)を発行

いつもNAVI APIについてお問合せいただきますと、担当より企業ID(APIキー)発行手続をご案内させていただきます。​

いつもNAVI APIはテスト利用が可能ですので、ご希望の気象コンテンツを地図に重畳するなどお試しいただけます。​

※お客様からのお問合せ後、ID発行まで約1週間いただいております。


ゼンリンデータコム|お客様の気象データ活用事例2

ゼンリンデータコム|お客様の気象データ活用事例2

気象データは、さまざまなシーンにおいて活用できるサービスです。

具体例としてゼンリンデータコムのサービスを活用し、気象データを活用された事例を2つご紹介します。

気象データの活用により、業務の効率化だけでなく、災害時におけるあらゆる対策にも役立てられます。


1.発注業務の適正化に活用

ゼンリンデータコムの「いつもNAVI AP/SDKI」で取得できる気象データを用いて、天候により日々左右される売り上げ数を予測し、適切な数量の商品を発注すれば、在庫の過不足を抑えることが可能です。

さらにリアルタイムの気象データを連携すれば、近い将来の売上予測も可能となります。

これらの分析を店舗ごとに行うことで、その地域での天気と売上の関連性を見出すことができ、適切な在庫管理の予測を立てられるでしょう。


2.洪水ハザードマップのデータを活用し、災害時の被害を抑える

洪水ハザードマップの情報も、災害時の被害を抑えることに活用できます。

LP(プロパン)ガス業界における充てん容器流出防止措置に、洪水ハザードマップのデータを活用した事例を紹介します。


令和3年12月1日に液石法施行規則及び同規則の機能性基準の運用(例示基準)が一部改正された影響で、「浸水リスクのある地域においては、充てん容器等が浸水によって流されることを防止する措置を講ずること(充てん容器流出防止措置)」が義務付けられました。


そのため、LPガスの供給先が危険エリア内にあるかどうかを調べる必要がありますが、すべて手作業で調べるとなるとかなりの工数が発生します。


その工数を削減するために、先のAPIとは異なるゼンリンデータコムの「Area Marker」というASPサービスを活用し、LPガスの供給先情報を地図上で可視化しその上に洪水ハザードマップを重畳することで、ガスの供給先が防水ハザードマップのエリア内にあるかどうかをひと目で確認することが可能となりました。


その結果、浸水リスクのある供給先の抽出作業にかかる時間やコストを大幅に削減することができ、業務負担を軽減することに成功しました。


こちらはAPIサービスではありませんが、気象データと管理システムを活用することで、効率よく自社の店舗や顧客の現住所が危険なエリアにあるかどうかを調べらることができた事例です。


まとめ:気象データを活用し自社のビジネスに活かそう

気象データは、幅広いビジネスで活用できるシステムです。

気温や降水量などのデータだけでなく、さまざまな気象要因が与える影響を予測し、被害を抑えられる可能性があります。

気象データを参考に、新商品の開発やサービス展開にも広く役立てられるでしょう。

分析するには専門知識が必要ですが、ぜひ気象データを活用し、ビジネス活動に活かしてみてください。




ご用途に応じて気象データをご提案させていただきます

気象データの活用を検討しているけれどどのサービスがいいのか、どんな気象データが自社課題に合うのか分からない、と悩まれている企業様はゼンリンデータコムにぜひご相談ください。

気象データだけでなく、地図情報や住所データなどさまざまな情報から最適な解決方法をご提案させていただきますので、まずはお気軽にお問合せください。


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