
物流遅延の8つの原因とは?2024年問題や国内外の要因と対策を解説
「注文した商品が、予定通りに顧客の手元に届かない」「海外から調達している部品の到着が、理由もわからず大幅に遅れている」。ECサイトの普及やグローバル化に伴い、物流はあらゆるビジネスにとって欠かせない存在になっています。しかしその一方で、予期せぬ物流の遅延によって、多くの企業が販売機会の損失や顧客からの信頼低下といったリスクに直面しています。
物流の遅延は、単なる交通渋滞や天候不良といった一時的な要因だけでなく、国内の労働力不足や国際情勢の変化など、構造的かつ多面的な課題が絡み合っています。
本記事では、物流遅延の原因を「国内要因」と「海外要因」に分けて体系的に解説し、企業が今すぐ取り組むべき対策について具体的にご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.なぜ届かない?身近に迫る物流遅延のリスク
- 2.物流遅延を引き起こす国内の4つの原因
- 2.1.交通渋滞や交通規制
- 2.2.自然災害や異常気象
- 2.3.労働力不足と「物流の2024年問題」
- 2.4.倉庫内での人的ミスやキャパシティオーバー
- 3.グローバルサプライチェーンを揺るがす海外の4つの原因
- 3.1.世界的なコンテナ不足と港湾の混雑
- 3.2.紛争や政情不安などの国際情勢
- 3.3.各国の通関手続きや規制の変更
- 3.4.海外の祝祭日やストライキ
- 4.物流遅延がビジネスに与える深刻な影響
- 5.企業が取るべき物流遅延への対策
- 5.1.サプライチェーンの可視化と情報共有
- 5.2.在庫の適正化と拠点の分散
- 5.3.輸送モードの多様化(モーダルシフト)
- 5.4.信頼できる物流パートナーとの連携
- 6.まとめ:物流遅延の原因を理解し、強靭なサプライチェーンを
なぜ届かない?身近に迫る物流遅延のリスク

かつて日本の物流は時間通りに届くことが当然とされるほど、高い正確性と信頼性を誇っていました。しかし現在では、ECの急成長による配送量の増加、トラックドライバーの高齢化と人手不足、さらには国際情勢の不安定化など、物流を取り巻く環境は大きく変化しています。
こうした状況の中、物流の遅延は、もはや例外的な事象ではなく、あらゆる企業が直面し得る現実的なリスクとなっています。自社のサプライチェーンに潜む脆弱性を見極め、適切な対策を講じることは、経営上の重要課題となっています。
物流遅延を引き起こす国内の4つの原因

まずは、国内輸送における比較的身近な物流遅延の原因を見ていきましょう。
交通渋滞や交通規制
日本国内の物流はトラック輸送に依存しています。そのため、ゴールデンウィークやお盆、年末年始といった長期休暇に伴う交通集中や、事故、工事による交通規制は、配送スケジュールに直接的な影響を及ぼします。
特に、大都市圏を結ぶ幹線道路での渋滞は、長距離輸送のリードタイムを大幅に悪化させる要因となります。
自然災害や異常気象
地震、台風、豪雨、大雪などの自然災害は、物流インフラを寸断する深刻なリスクです。道路や鉄道が通行止めになったり、港湾施設が閉鎖されたりすることで、輸送ルートが遮断され、大規模な遅延や配送不能といった事態が発生します。近年、気候変動の影響で異常気象が頻発しており、このリスクはますます高まっています。
労働力不足と「物流の2024年問題」
国内の物流が直面する最も深刻な課題が、トラックドライバーをはじめとする労働力不足です。ドライバーの高齢化が進む一方で、厳しい労働環境から若手の担い手が不足し、慢性的な人手不足に陥っています。
さらに、2024年4月から働き方改革関連法が適用され、トラックドライバーの時間外労働に上限(年間960時間)が設けられました。これにより、一人のドライバーが運べる距離や荷物量が減少し、輸送能力の低下が懸念されています。これが「物流の2024年問題」であり、今後の物流遅延の大きな要因として注目されています。
問題 | 概要 | 影響 |
物流の2024年問題 | トラックドライバーの時間外労働の上限規制 | ・輸送能力の低下 ・リードタイムの長期化・運送コストの上昇 |
2024年問題については以下記事で解説しております。
参考:建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制|厚生労働省
倉庫内での人的ミスやキャパシティオーバー
物流の遅延は、輸送中だけでなく、倉庫や物流センター内の作業工程でも発生します。ピッキング(商品の取り出し)や検品、梱包といった庫内作業での人的ミスは、誤出荷や手戻りを発生させ、結果的に配送の遅れにつながります。また、セール時期などで一時的に出荷量が急増し、倉庫の処理能力(キャパシティ)を超えてしまうと、出荷作業そのものが滞り、大規模な遅延を引き起こします。
グローバルサプライチェーンを揺るがす海外の4つの原因

海外からの輸入や、海外への輸出を伴う国際物流では、さらに複雑で予測困難な要因が絡んできます。
世界的なコンテナ不足と港湾の混雑
近年では、コロナ禍からの経済回復に伴う世界的な物流量の急増や、港湾労働者の不足などが原因で、海上輸送に使うコンテナが不足したり、特定の港に滞留したりする問題が深刻化しています。船に載せるコンテナが確保できない、あるいは目的地の港が混雑していて荷下ろしができない「沖待ち」が発生することで、サプライチェーン全体に数週間から数ヶ月単位の遅延が生じることがあります。
紛争や政情不安などの国際情勢
特定の地域で紛争やテロ、政治的な対立が発生すると、輸送ルートが危険にさらされ、大幅な迂回を余儀なくされることがあります。例えば、スエズ運河やホルムズ海峡といった世界の物流の要衝(チョークポイント)が封鎖されるような事態になれば、世界中のサプライチェーンに壊滅的な影響が及びます。
各国の通関手続きや規制の変更
輸出入には、必ず税関での検査と手続き(通関)が伴います。相手国の法改正による規制の変更や、書類の不備、禁制品の疑いなどによって通関手続きがストップすると、貨物は港や空港で足止めされてしまいます。特に、食品や化学品、精密機器など、特別な許認可が必要な品目は、このリスクが高まります。
海外の祝祭日やストライキ
日本では平日でも、相手国が長期休暇(中国の春節など)に入っている場合、その間、港湾や税関の機能は完全にストップします。また、海外では、港湾労働者やトラックドライバーによるストライキも日本より頻繁に発生します。これらの情報は事前に把握し、スケジュールに織り込んでおく必要があります。
物流遅延がビジネスに与える深刻な影響
物流の遅延は、単に「モノが遅れて届く」というだけでなく、企業の経営に深刻なダメージを与えます。
販売機会の損失と顧客満足度の低下
商品が届かなければ、当然ながら売上は立ちません。特に、季節商品やセール品など、販売タイミングが重要な商品の場合、遅延は致命的な販売機会の損失に直結します。
また、納期遅延は顧客満足度を著しく低下させ、「あの会社は納期を守らない」という評判が広まれば、長期的な顧客離れにつながります。
生産計画の遅延と在庫管理コストの増大
製造業において、海外から調達している部品や原材料の到着が遅れれば、生産ライン全体がストップしてしまいます。生産計画に大幅な狂いが生じ、納期遅延による違約金など、多大な損失が発生します。
また、遅延を恐れるあまり、過剰な安全在庫を抱えるようになると、保管コストやキャッシュフローの悪化を招きます。
企業が取るべき物流遅延への対策

予測が困難な物流遅延に対して、企業はどのように備えればよいのでしょうか。
サプライチェーンの可視化と情報共有
まず、自社の製品が「どこから来て、どこを通って、どこへ行くのか」という、サプライチェーンの全体像を正確に把握し、関係者間でリアルタイムに情報を共有できる仕組みを構築することが第一歩です。
車両追跡システムや在庫管理システムなどを活用し、サプライチェーンを可視化することで、問題発生時の迅速な原因特定と対応が可能になります。
在庫の適正化と拠点の分散
特定のサプライヤーや特定の地域に依存するのではなく、調達先を複数国に分散したり、国内の在庫拠点を東西に分けたりすることで、一箇所で問題が発生しても事業が完全に停止するリスクを低減できます。
輸送モードの多様化(モーダルシフト)
トラック輸送だけに頼るのではなく、鉄道や船舶といった他の輸送手段を組み合わせる「モーダルシフト」も有効な対策です。
特に、長距離輸送をトラックから鉄道や船舶に切り替えることで、ドライバー不足の影響を緩和し、CO2排出量を削減する環境面のメリットも期待できます。
信頼できる物流パートナーとの連携
自社だけで複雑なグローバルサプライチェーンを管理するのは困難です。
国内外に幅広いネットワークを持ち、リスク管理能力に優れた物流企業やフォワーダー(国際輸送業者)と強固なパートナーシップを築くことが、安定した物流の実現には不可欠です。
物流業界の課題と具体的な対策について知りたい方は、以下記事をご参照ください。
まとめ:物流遅延の原因を理解し、強靭なサプライチェーンを
物流の遅延は、交通渋滞から国際紛争まで、実に多様な原因によって引き起こされます。もはや「届いて当たり前」の時代は終わり、物流は常に不確実なリスクをはらんでいるという前提に立つ必要があります。
重要なのは、これらの原因を網羅的に理解し、自社のサプライチェーンのどこに脆弱性があるのかを平時から把握しておくことです。その上で、ITシステムや信頼できるパートナーの力を借りながら、不測の事態にも柔軟に対応できる、強靭な(レジリエントな)サプライチェーンを構築していくことが、これからの企業経営には求められています。
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