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新機能リリース「Routes API」|Google Maps Platform 最新情報

2023年3月8日(太平洋時間)にGoogle Maps Platformの新APIである「Routes API」がリリースされました。

すでに昨年9月からPreview版が利用できる状態ではありましたが、一般提供の開始によりルート区間毎の交通情報を加味したポリラインのリクエストや、複数経路の移動時間と距離を計算する場合の出発地と目的地の組み合わせ数の拡張機能などが正式に利用可能となりました。


本記事では新機能リリースの背景や活用方法について解説していきますので、ぜひ参考にしてください。


目次[非表示]

  1. 1.新APIリリースの狙い
  2. 2.Routes APIの6つの種類
  3. 3.Routes APIでできるようになったこと
    1. 3.1.交通量とポリライン機能の改善
    2. 3.2.きめ細かいコントロールでアプリのパフォーマンスを向上
    3. 3.3.1リクエストあたりの出発地×目的地の組み合わせは最大625件! 複数経路の移動距離と時間の取得処理を効率化
    4. 3.4.よりスマートかつ柔軟な経由地点の指定で到着予想時刻の精度を向上
  4. 4.Routes APIの詳細情報
    1. 4.1.Routes APIの仕様
    2. 4.2.Routes APIの料金​
  5. 5.「Routes API」の今後について
  6. 6.Google Maps Platform導入のご相談はゼンリンデータコムにお任せください!

新APIリリースの狙い

Routes APIは既存のDirections APIとDistance Matrix APIのアップグレード版であり、両APIを1つのサービスに統合することでより有益で柔軟なルートをユーザに提供できるようになり、到着予測時刻の精度向上も目的としています。

また、さまざまな新しい機能の追加とAPIの処理パフォーマンスの強化により、運送業界や物流業界の業務効率化やカスタマーエクスペリエンス向上への活用が期待できます。


Routes APIの6つの種類

「Routes API」は、既存の「Directions API」、「Distance Matrix API」のアップグレード版となります。

「Directions API」はリアルタイムの交通情報を備えた複数の交通手段のルート案内を提供する機能、「Distance Matrix API」は複数経路の移動時間と距離を提供する機能となります。

「Routes API」のリリースにより高度なルート検索やカスタマイズが可能になりました。

以下が「Routes API」の6種類をまとめた表になります。


Routes APIの種類 
補足
機能
Compute Routes
- Basic                                                                              

Directions APIのアップグレード版API機能

10ヶ所以内の地点間の道順を計算する機能。11ヶ所以上の地点間の考慮は、Compute Routes - Advancedを利用
- Advanced          
Directions API(Advanced)のアップグレード版API機能
11~25ヶ所の経路上の経由地指定や交通情報の考慮等のオプション機能を利用可
- Preferred       
Routes APIで利用可能な新機能

二輪車のルート検索(*)、通行料金の計算(*)、交通情報のポリライン描画のオプション機能を利用可

*日本では未対応の機能

Compute Route Matrix
- Basic
Distance Matrix APIのアップグレード版API機能

複数経路の移動時間と距離を取得できる機能​​​​​​​

- Advanced

Distance Matrix API(Advanced)のアップグレード版API機能

交通情報の考慮等のオプション機能を利用可​​​​

- Preferred
Routes APIで利用可能な新機能

二輪車のルート検索(*)、通行料金の計算(*)のオプション機能を利用可
*日本では未対応の機能

※Compute Route Matrixは複数経路の移動時間と距離を取得できる機能です


機能のアップグレードのほか、パフォーマンスも最適化されています。

上記機能によりどの様なことができるようになるのか、次の項で詳しく説明します。


Routes APIでできるようになったこと



Routes APIでは、大きく分けて以下4点の機能が現時点で日本にてご利用いただけます。

各項目の詳細について解説します。


交通量とポリライン機能の改善


交通情報の表示のカスタマイズ性が向上したことで、より効率的なルート選択が可能となりました。

ルート区間毎の交通情報の取得が可能となり、色分けされたポリラインで交通量を表示させるなど、業務用・コンシューマ向け問わずカスタマーエクスペリエンスの向上にも役立ちます。

また、指定する出発時刻に応じて現在の交通量と過去の交通量のどちらを考慮するかの指定が可能となります。


きめ細かいコントロールでアプリのパフォーマンスを向上


交通情報の取得については三段階(考慮なし、考慮あり、徹底的な検索を行う)から指定できるようになり、ポリライン品質と遅延時間低減を調整しながらの使い分けが可能となります。

さらには、APIリクエスト時に到着予定時刻、メートル単位の距離、交通状況などの返却フィールドを指定することで、Directions APIとDistance Matrix APIよりも高パフォーマンスを実現し、総合的なデータ精度と遅延時間低減のバランスが取りやすくなります。


1リクエストあたりの出発地×目的地の組み合わせは最大625件! 複数経路の移動距離と時間の取得処理を効率化


Distance Matrix APIでは1リクエストあたり最大で25の出発地または目的地、且つサーバ側・クライアント側で各100要素までの制限がありましたが、Routes APIでは625要素に拡張されたことで柔軟性が大幅に向上しています。(※交通情報の徹底的な検索を行う場合は100要素まで)

一度にリクエストできる要素数が大幅に増加したことで、APIの処理が大幅に効率化されることが期待できます。

例えば、多数の物流拠点と店舗間の配送計画の管理作業や、不動産物件や宿泊施設からスーパーやコンビニ、病院等の近隣施設までの移動時間と距離の取得作業を効率化したい場合に役立ちます。


よりスマートかつ柔軟な経由地点の指定で到着予想時刻の精度を向上

これまでは停車できない場所であっても、指定した到着地点に案内しそこで案内が終了していました。

しかし本APIでは、乗車・降車が可能な道路における正しいルート案内を提供するよう経由地点に「通過地点」か「到着地点」かの指定が出来るようになりました。

これによってたとえば橋やトンネル、高速道路など、安全ではない場所への案内を回避することが可能となり、移動時間の計算がより正確になります。

また、道路のどちら側を使用するかの指定と、進行方向を指定して正しい移動方向を指定することも可能です。

これは送迎シーンや初めて訪れる場所へのルート案内時に、非常に有効な機能と言えるでしょう。


Routes APIの詳細情報

Routes APIの詳細な仕様の情報や料金など補足事項についてまとめています。


Routes APIの仕様

https://developers.google.com/maps/documentation/routes

※現状Directions API と Distance Matrix API を使用していて、Routes APIへの移行をご検討の方は、Routes API 移行ガイドをご覧ください​

※以下機能については現時点で日本では未対応(今後の対応予定も未定となります)​

  - 二輪車のルート検索機能
  - 通行料金の計算機能​
  - 車両のエンジンタイプ (ディーゼル、ガソリン、ハイブリッドまたはEV)​の指定機能による環境に優しいルート選択


Routes APIの料金​

Routes APIの種類
1call 当たりの価格(円)
0~100,000/月
100,001以上/月
Compute Routes
- Basic
¥0.60
¥0.48
- Advanced
¥1.20
¥0.96
- Preferred
¥1.80
¥1.44
Compute Route Matrix
- Basic
¥0.60
¥0.48
- Advanced
¥1.20
¥0.96
- Preferred
¥1.80
¥1.44

※上記価格は$1=120円で計算しております

ほかAPIを含めた料金一覧はこちら

「Routes API」の今後について

今回「Routes API」が本リリースされたことにより、ルート検索やルート表示機能が拡張されたことに加えて、アプリのパフォーマンス向上や効率的なAPI処理が実現可能となるため、自社の要件に合わせてより一層のカスタマイズができるようになりました。

今後はガソリンやEV車など車両のエンジンタイプの考慮や、二輪車に最適化したルート検索などが日本で利用可能となれば、用途に合わせたより精緻なルート検索が可能になり、Routes APIの活用の幅が広がるでしょう。

今後も情報が更新され次第、本ページでご案内する予定です。


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