導入事例 > 【株式会社TACT様】AIボイスボットによる住所認識の精度向上を実現

<ZENRIN Maps API活用事例>
AIボイスボットによる住所認識の精度向上を実現。
“住所クレンジング”機能で旧住所も最新情報に変換

株式会社TACT
株式会社TACTロゴ
組織名 株式会社TACT(U-NEXT.HD)
活用分野 AIボイスボットサービスにおける住所情報取得の精度向上
活用期間 1年3ヵ月 ※2024年8月現在
活用サービス ZENRIN Maps API 

株式会社TACTは、U-NEXT HOLDINGS傘下において、AIを活用したボイスボットサービスやカスタマーサポートの受託代行サービスを展開する企業です。

日本でボイスボットサービスを始めたパイオニア企業であり、現在はAIによる音声応答を可能にする「AIコンシェルジュⓇ」を展開しています。

住所情報取得の正確性向上とデータ生成のためにご導入いただきました「ZENRIN Maps API」について、同社の芳野様、相馬様にお話を伺いました。

※2024年8月時点の情報です

導入前の課題

・住所をヒアリングする際、エンドユーザーが発話するマンション名の音声認識精度に課題があった

・市町村合併などによる住所変更への対応が難しかった

選定理由

・最新住所データへの更新速度が速い

マンション名などの補完、旧住所を新住所へ変換可能だった

・「ゼンリン」ブランドがクライアント様に与える安心感 

導入の効果

・マンション名を含め住所データの認識精度が向上し、正確な住所を取得できた

・エンドユーザーへの質問回数減少による離脱率低下

新規営業時の提案の幅が拡大した

導入前の課題 AIボイスボットで取得する住所データの精度を上げたい

―御社の事業内容についてご紹介いただけますでしょうか

芳野氏:株式会社TACTは、USEN&U-NEXT GROUPの一員として、主に3つの事業を展開しています。
1つ目はBPO事業で、コールセンターやカスタマーサービスの受託運営です。
2つ目は私たちの所属するAIソリューション事業で、AIボイスボット「AIコンシェルジュⓇ」を展開しています。
3つ目は業務自動化・効率化をサポートするコンサルティングサービスの提供です。
「 AIコンシェルジュⓇ」について、詳しく教えていただけますか

芳野氏:「AIコンシェルジュⓇ」は、電話の自動応答を行うボイスボットサービスです。音声認識技術を活用して、自然な会話でエンドユーザーの要件を聞き取り、適切な自動応答を行います。
EC・通販企業のコールセンター、電力会社やガス会社などのインフラ系事業者、自治体の各種問い合わせ対応、一般企業の代表電話受付など、幅広い分野で活用されています。

─「 ZENRIN Maps API」の導入を検討されたきっかけは何だったのでしょうか

芳野氏:「AIコンシェルジュⓇ」は2016年に開始したサービスです。ご利用いただくコールセンターの多くでは住所をお伺いすることが多く、エンドユーザーが発話する住所をAIで取得するような仕組みを作っていたのですが、音声から情報を取得する精度に問題を抱えていました。当時から精度を向上させるような取り組みは進めていたものの、ある一定のラインで頭打ちとなったため、外部サービスの活用を検討し始めました。

相馬氏:また精度に加えて、過去の住所や合併後の市町村名への対応など、複雑な住所表現への対処も必要でした。特にECサイトやガス会社といった、正確な住所が重要となるクライアント様からの要望に応える必要があるという点も背景にあります。

芳野氏:御社のサービスを知ったきっかけは、クライアント様からのご相談でした。住所データの中でもマンション名の認識に課題があったクライアント様とのお打ち合わせの際に「『ゼンリン』の地図データを使えないか」という話になりました。
そこで当社側でサービスに組み込めるマップAPIを探したところ、御社の地図APIサービスが見つかり、資料請求をさせていただきました。
株式会社TACT AIソリューション事業部 芳野様
株式会社TACT AIソリューション事業部 ソリューション営業Gr. 芳野様

株式会社TACT AIソリューション事業部 コンサルティングGr. 相馬様

選定理由  信頼の「ゼンリン」ブランドに裏打ちされた高精度の住所データと、充実した“住所クレンジング”機能が決め手

―「ZENRIN Maps API」の導入を決定された決め手は何だったのでしょうか

芳野氏:主な理由は、豊富な住宅住所データと高い更新頻度です。
他社様のサービスと比較もしたのですが、我々のサービスに必要不可欠な一般の住宅住所データが充実していることは重要なポイントでした。加えて「ゼンリン」というブランドがクライアント様にもたらす安心感も、選定の決め手の1つになっています。

相馬氏:エンドユーザーからいただいた住所情報が旧住所であった場合や、マンション名が不明または不正確であった場合など、不完全な住所情報を最新データに整える“住所クレンジング”機能がまとまっている点を高く評価し、「ZENRIN Maps API」の導入に至りました。
「ZENRIN Maps API」導入の決め手
ZENRIN Maps API導入の決め手

―導入にあたって苦労された点はありましたか

芳野氏:導入時の作業は、APIの仕様をいただいた後に当社内で行いました。
扱いやすいAPIであったため導入に苦労したことはないのですが、APIから返されるさまざまな閾値をどのように使うのが最適かを判断するには、試行錯誤が必要でした。

相馬氏:エンドユーザーが発話した住所情報の正確性を判定する基準を作る際にもトライアンドエラーが必要でした。
音声のみでのやり取りという特性上、視覚的な確認ができない中でいかに正確性を担保するのか、エンドユーザーが発話した住所の正確性にフラグ立てをして、どのように判定するかなど、ご協力いただいたクライアント様と複数パターンを試しました。

導入の効果  住所情報の取得精度が大幅に向上。チャット途中の離脱率改善も

導入後、どのような成果が得られましたか

芳野氏:「ZENRIN Maps API」を活用することで、住所情報の取得精度が大きく向上しました。クライアント様にテストをしていただいた際にも、かなり高い精度で住所を取得できるようになったというお声をいただいています。
また、住所情報を正確に取得できるようになったことで、マンションなど建物名のヒアリングを省略しやすくなりました。この結果、エンドユーザーにお話しいただく時間の短縮が可能となり、途中離脱率の低減にも寄与しています。
ZENRIN Maps APIの導入前の課題と導入後の効果
相馬氏:現在は「AIコンシェルジュⓇ」 をご案内する際に、「ZENRIN Maps API」を使用できるという点も含めたご提案をできるようになりました。全てのクライアント様が“住所クレンジング”を必要としているわけではありませんが、「ゼンリン」のAPIとの連携が可能というアピールができるようになり、クライアント様への訴求を強化できています。

―ゼンリンデータコムへの要望や希望はありますか

芳野氏:今後もゼンリンデータコムさんとは末永くお付き合いさせていただければと思っています。
御社のサービスを活用し、さらに当社のサービスも拡充したいと考えていますので、もし他社様の事例の中に当社の事業に応用できそうなものがあれば、ぜひご提案いただけますと幸いです。

相馬氏:「ZENRIN Maps API」の機能面には大変満足しています。
もしさらに改善を目指すとするならば、ヒアリングした住所からサービスの対象エリアの内外判定ができるような機能がありますと、クライアント様へのご提案の幅が広がりそうです。

今後の展望  「AIコンシェルジュⓇ」の認知を拡大し、業務効率化をAIでサポートしたい

―最後に、今後の展望についてお聞かせください

芳野氏:我々が提供する「AIコンシェルジュⓇ 」サービスの認知をさらに広げていきたいと考えています。
ボイスボットというサービスそのものがまだまだ広く受け入れられているものではありませんので、多くの企業様にご検討いただけるように知っていただくことが当面の目標です。

相馬氏:クライアント様の中にはAIによって仕事を奪われるのではないかと懸念される方もいらっしゃいますが、当社のスタンスとしては、AIに代替できる業務はAIに任せ、より複雑な業務である営業活動やマーケティングなどに人的リソースを振り分けることを理想としています。AIと人は敵対するものではなく、協調して業務効率化できるものであることを広めていきたいですね。
株式会社TACT

「ZENRIN Maps API」とは

ZENRIN Maps API」は、高品質で多彩な地図コンテンツや位置情報データを実装する開発ツールがセットになった地図APIサービスです。ゼンリンが徹底的に調査・整備している住宅地図の表示や過去地図、ブルーマップなど、用途に応じて豊富な地図表示やコンテンツのご用意がございます。
本事例のような住所の正誤判定や一部欠損の補完、過去住所から新住所への変換などを行いたい場合は、まずはお気軽にご相談ください。

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