<混雑統計® 活用事例>
【産官学⺠連携】人流データを活用した「みなとみらい地区」の観光活性化プロジェクト

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企業名 神奈川大学、Avintonジャパン、横浜観光コンベンション・ビューロー 
活用分野 観光分析/研究
活用期間・利用人数 4ヵ月
※2022年8月現在
 活用サービス 混雑統計🄬

神奈川⼤学、Avintonジャパン、横浜観光コンベンション・ビューローの3者が組み、神奈川県横浜市みなとみらい地区の観光活性化をテーマにした観光プラットフォームプロジェクトが始動。
観光課題を明確にするために導入いただいた「混雑統計®」について、導入の背景や使用感などを伺いました。

導入の課題

・横浜みなとみらい地区の観光課題を明確にしたい

・観光客のリアルな動きを把握することでニーズをつかみたい

・データを見える化し、産官学民で連携して課題解決に繋げたい

 

選定理由

エリア内を訪れる観光客の「移動方法」や立ち寄り場所・滞在時間などの「周遊データ」が得られるため「混雑統計®」を導入

 

導入への期待

・データ分析から新しい価値を生み出したい

・学生にも分かるようデータを整理・可視化することで、研究・分析に役立てたい

導入の課題 人流データで観光課題を明確にし、ニーズをつかむ

神奈川⼤学⼯学部経営⼯学科の髙野倉雅⼈教授(左)/神奈川⼤学社会連携センター課⻑ 栗⼭茂之⽒(右)
―本プロジェクトの概要と神奈川大学様の役割を教えてください。

髙野倉教授:私は神奈川大学で、⼈間を中⼼にした視点で科学技術を効果的に社会で活⽤するデザインの研究をしております。本プロジェクトにはゼミ生と共に参加し、ダッシュボードの構築に関するアドバイスや、エンジニアとしてダッシュボードの構築を担当しています。

栗山氏:私は本プロジェクト全体の取りまとめ役を担っております。

神奈川大学は、2021年4⽉、「街ごとキャンパス」構想を掲げたみなとみらいキャンパスを開設しました。この実現に向け、2021年9月、産官学⺠連携プロジェクトがスタートしました。

これは様々な環境、経済および社会の課題解決を地域の企業様、自治体様、地域住民の方々等と連携で進めるもので、その第⼀弾がみなとみらい地区の“観光プラットフォーム”プロジェクトです。
髙野倉教授:神奈川⼤学を中心に、みなとみらい地区の観光データをお持ちの公益財団法人横浜観光コンベンション・ビューロー様、データ分析を行うAvintonジャパン株式会社様と組んで取り組んでいます。

コロナ渦で観光客が激減したみなとみらい地区の観光をV字回復させるためには、観光に関するデータを収集分析して、より効果的、具体的な施策を打ち出していく必要があります。

そのためには、この横浜みなとみらいエリアを訪れる人の流れや具体的な動きを分析する必要があるだろうと考え、その中でゼンリンデータコムの「混雑統計®」を2022年4月より導入しています。

学生が人流データを研究に活かすことを考えると、観光の現況を「⾒える化」したダッシュボードの構築は、プロジェクトには不可欠でした。
2021年4月開設の「みなとみらいキャンパス」

選定理由① プロジェクトに最適なオーダーメイドのデータ

ーまずはAvintonジャパン様の本プロジェクトでの役割を教えてください。

稲川氏:当社はビッグデータ、AIDX 画像解析の最新技術を活⽤した技術コンサルティングとソリューション開発を行っております。 本プロジェクトではダッシュボードの構築、ゼミ生のデータエンジニアとしての人材育成を担当しています。


―実際にデータ解析を行う立場でいらっしゃいますが、「混雑統計®」データに触れたご感想はいかがでしたか?

稲川氏:まず「混雑統計®」を初めて見たのは、Afterコロナ研究会※1という勉強会でした。沖縄の人流データを見たのですが、まさに「やりたい!」と思っていたことが具体化されていて驚きました。
Avintonジャパン株式会社のプロジェクトマネージャー、稲川裕樹⽒
「混雑統計®」は要望に応じてデータ仕様を決めていく、いわばオーダーメイドですよね。今回要望に合わせてTableau形式のダッシュボードでデータをご提供いただいたのですが使い勝手がよく、同じデータソースを使って、我々が使用している別のBIツールに落とし込む時もスムーズでした。

また、きれいに統計処理がされ、誰もが見て分かる状態であるため、すぐに意思決定に結びつくところがいいと思います。観光業界でも、データを根拠に意思決定し、経営判断することが可能になる。以前からそうあるべきと考えていましたが、それが実現できるツールです。

通常、他社から提供されるGPS データは、緯度経度があって、ユーザー情報があって、時間情報があってというかたちで、何ができるかわからない状態のデータがほとんどです。それに比べると、この人流データは、ダッシュボードというゴールまで⾒えている状態です。

統計的な処理がきちんとされているため、別の曜日の周期性を独自に⾒たい場合は難しいこともあるのは特徴の裏返しですが、誰が見ても分かるダッシュボードがすぐにできあがるというのは補ってあまりあるほどのメリットでした。

※1 Afterコロナ研究会:観光プラットフォームプロジェクトの一環として、神奈川大学主催で各業界を代表する登壇企業の取り組みをもとに、Afterコロナにおける観光の在り方について議論する会

選定理由②  他のデータにはないき”のデータと信頼できるソース

ー横浜観光コンベンション・ビューロー様の本プロジェクトでの役割を教えてください。

青木氏:私どもは、横浜の観光事業を推進する公益財団法⼈です。日頃さまざまな観光データを取り扱っている機関のため、多くのデータを見て、客観的にデータの特性を⽐較している⽴場として、観光ダッシュボードの構築に関するアドバイスを担当しています。

―「混雑統計®」の他のデータとの大きな違いは何だとお考えですか?

⻘⽊氏:他データと比較検討している中でも、今回のみなとみらいの研究をするプロジェクトでは、ゼンリンデータコムの人流データが⼀番適応していると思っています。
というのは「混雑統計®」のデータは「エリア内の観光客の動きが分かるデータ」があるからです。

また偏りがなくフラットで、非常にいい意味で平均的なデータが集まっている印象です。
我々は公的機関なので、やはりデータソースの信頼性を問われる⽴場になります。そういう意味で、ゼンリンデータコムのデータはそれに値する、信頼がおけるデータだという点も評価しています。
公益財団法⼈ 横浜観光コンベンション・ビューローの武部雅吏⽒(右)、経営企画部 企画課長 ⻘⽊思⽣⽒、(中央)、大の*千怜⽒(左) *「の」は「堅」の臣部分が「田」が正
みなとみらいSTAY推計値分析_周遊パターンのダッシュボード  「混雑統計®」©ZENRIN DataCom CO., LTD.

導入への期待<研究例>  データを活⽤して研究を進め、目指すはみなとみらい地区への還元

―「混雑統計®」のデータをどのように研究に活かしているのでしょうか

髙野倉教授:これまで、横浜みなとみらいエリアの観光に関する訪問者データや横浜みなとみらいエリアに対する⽇本在住者の観光意識を独自アンケート調査で行っていましたが、人流データを活用することで、実際に横浜みなとみらいを訪れている⼈がどのように動いているのか、⾏動しているのかを確認し、分析しています。

たとえば観光スポットの課題として⼈の移動に関する部分があります。みなとみらいに来た⼈の動きを定量的に根拠を持って分析ができるということは、大変な強みだと思っています。大学で実際学⽣が行っている研究にも人流データを使用しているので、そのうちの⼀つを紹介させてください 。
ゼミ学生 中里さん:人流データのダッシュボードから、みなとみらいを観光する⼈たちは、横浜駅からの移動が多いことがわかりました。横浜駅からみなとみらいはかなり距離があって、「MARK IS みなとみらい」までは1.5キロ、徒歩で10分ほど、「⾚レンガ倉庫」までだと2.6キロで徒歩約30分かかります。

かなり距離があるのですが、⼤体徒歩で移動していることが独⾃アンケート調査からわかっていたので、観光の課題はモビリティと考えました。レンタル⾃転⾞だったり、電動キックボードだったり、もちろんバスも含め、観光客の移動手段に注⽬して、今それを研究しているところです。

髙野倉教授:モビリティのソリューションを提案するためのエビデンスのあるデータとして、根拠を持って施策を打ち出せるので、人流データが⾮常に有効であると思っています。
3者の定期ミーティングの様子
3者の定期ミーティングの様子。髙野倉教授のゼミでは、「混雑統計®」を利用して研究を進めている

今後の展望  企業の意思決定、オープンソース化にも期待。人流データで若い⼒と共に化学変化を起こす

―人流データを活用した今後の展望を教えてください

青木氏:観光業側の立場から言うと、データダッシュボードに関しては、観光データの⾒える化をすることで、横浜市内の団体や企業、事業者が、経済活動をより活発化させるときの根拠にしていただけると思います。我々としてはオープンデータ化と、それによる化学反応が起きることに期待しています。

また、人流データは、ダッシュボードだけではなく、神奈川⼤学の学生さんによるアイデアをもとに活⽤が増えていくと、観光業界全体での新しい使い方が見えるかもしれないと期待しています。

稲川氏:今後このプロジェクトが⼤きくなって、横浜の観光業と交通業の事業者の最強の「福利厚⽣」になることを願っています。経営の意思決定にデータを活用したい事業者は多いのですが、データを集め、分析できる形にするまでには、時間もかかるし専⾨性も必要です。その部分を担えるのが産官学民で連携しているこのチームです。

リーズナブルにデータを提供していくというところまで行ければ、横浜のみなとみらいエリアの観光業者、交通事業者は我々のプロジェクトがあるということで、より⼀層強くなるという好循環が⽣まれます。

そのためにも、⼈の流れが⾒える化されているこの混雑統計®は、重要なファクターだと思っています。

「混雑統計®」とは

およそ700万台の携帯電話のGPSから数分間隔で得られる豊富な位置情報を独自のノウハウで高精度解析し、お客様のニーズに合わせた独自の人流統計データをオーダーメイドで作成します。

「混雑統計®」データは、NTTドコモが提供するアプリケーションの利用者より、許諾を得た上で送信される携帯電話の位置情報を、NTTドコモが総体的かつ統計的に加工を行ったデータ。位置情報は最短5分毎に測位されるGPSデータ(緯度経度情報)であり、個人を特定する情報は含まれない。


「混雑統計®」のサービス詳細、導入についてお気軽にお問い合わせください。

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